樵にお願い
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春の26日。木材の加工と言えば樵。なので、樵小屋に来ていた。樵は何としてでも領地を増やして欲しいので、増員していた。ドワーフと言えば鍛冶や樵だ。俺のイメージとしてはな。そんな事が出来るのかどうかは解らないが、元々ドワーフがやっていたんだから、適職なんだろう。
「こんにちは。樵さんは居ますか」
「おう、貴族のちっこいの。今日はどうしたんだ?」
今日は俺だけ。コンラートとカタリーナはゴブリン種の所に行った。向こうで毒味をしているゴブリンたちが居る筈なのだ。その様態を見るのと、無毒であれば加工品を作る方向で考えているのだ。そっちの陣頭指揮を取るために、2人で向かった。俺は樵に頼み事があるので、こうしてこっちにやってきたのだ。まあ、燻製小屋を作って貰うだけなんだけどな。
「弓矢の出来の方はどうかなって言うのが1つ目ですね。どんな感じですか?」
「まあまあだろ。使えないことはないとは思う。まあ、真っ直ぐ飛ぶのかは知らないが。鏃は鍛冶場で加工してもらっているから、矢はここには無いけどな。矢羽根がねえからなあ。何かしらの鳥を確保できれば矢羽根もつけれるんだろうが」
「それは狩りの人たちに期待ですね。何を取ってくるのかは知らないですけど」
「そりゃあ狩りなんだからな。採れるものが決まっている訳がない」
「ですよね。それで、お肉は食べました?」
「おうよ。俺の所にも回ってきたからな。ちょっとだけだが食べた。肉は良いな。食べ応えがある。……もうちょっと取れればいいんだろうがな。まあ、狩りの面子に期待だな。今後も食べられるんだよな?」
「それは勿論ですよ。弓矢が完成したらもっとじゃないですか? 鳥なんかも狙えると思いますし、鹿もいけるんじゃないですかね?」
「猪は美味かったからな。他も期待だな」
「それでなんですけど、今後狩りで採ってきた獲物を、保存する事が必要になってくると思うんですよ。ほら、狩りで沢山取れれば、腐らせることになっちゃうじゃないですか。それを避けるために、保存食を作らないといけない訳ですよ。なので、腸詰なんかがいいんじゃないかなって思っていまして。それを燻製するのに小屋が必要だと思う訳ですよ。なので、燻製小屋を作って貰いたいんです」
「燻製小屋か……。まあ、作れないことはないわな。腸詰って事は、吊るせればいいんだな?」
「そうです。小屋の端っこから煙を入れて燻製にしていくので、その部分は燃えない様にしてもらわないといけないんですけど」
「あー。なるほどな。その部分だけは石を使うのか。それなら鍛冶師の奴らにも声をかけないといけないな。石工なんて居ねえし。それも全部鍛冶師の連中が仕切っているからな。頼み込まねえといけねえ。それと石材についてなんだが、採取の組を1組貸してくれねえか? 川から石を拾って来ねえといけねえ」
「あー、石は川からでしたか。それだと、オーガかリザードマンの人が欲しいですよね?」
「そう言う事だな。そいつらが一番力が強いんだ。だが、女子供の仕事でもねえだろ? 女子供は畑仕事をって決めたんだからよ。だからそいつらを貸してほしい。まあ、1日そこらで集まるとは思うがな。今後の事も考えて、余分に石も欲しいからな」
「あって困るものじゃないですしね。いいんじゃないですかね? コンラート兄さんに伝えておきますね」
「ああ、頼んだ。それとさっきも話をしたが、弓は完成した。後は矢を増やせば問題はない。多分だが、2日後くらいには十分な矢が準備できると思う」
「解りました。それもコンラート兄さんに伝えておきます。それでですけど、弓矢の試射の後に皆で川から石を取る計画にすればいいんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?」
「お? あー、そうだな。そうしてもらえるとこっちも助かる。まあ、弓の試射には時間がかかるだろうしな。その方がいいか」
「じゃあ、その様に伝えておきますね」
「で? 燻製小屋は何時迄に作れば良いんだ?」
「逆に何時迄に出来るんですか?」
「簡単な小屋で良いんだろ? それなら春のうちに作れる。木材は余っているしな。後は組み立てるだけだ。そこまで時間はかからねえよ」
「早くないですか? そんなに急いで作れます?」
「大体は作ってあるんだよ。本当に後は組み立てるだけなんだ。なんだかんだと時間もあったしな。家が必要になることもあるから、あらかじめある程度作っておくんだよ」
「なるほど……」
それは、どうなんだろうな。詳しい事は解らないので、どうなんだという思いはあるんだけど、早く作れるのであれば問題はないだろう。後は、そうだな。ゴミ捨て場も作って貰わないといけない。
「それと、今後のために、ゴミ捨て場を作りたいんですよ。なので、村の中央付近に穴を掘って、柵で囲って欲しいんですよ」
「ゴミ捨て場? 穴を掘るだけで良いのか?」
「そうです。柵も作って欲しいんですけどね」
「それくらいなら簡単だな。子供が落ちないようにでいいのか?」
「そんな感じでお願いします」
「解った。そっちはどうするんだ? 燻製小屋よりも先か?」
「燻製小屋よりも先でお願いします」
「解った。まあ、そっちも深さはある程度必要になるだろうし、5日あれば十分だろう。地下水が出てきたら止めるって事で良いのか?」
「そうですね。地下水には当たって欲しくないので、地下水が出てこない程度にお願いします」
「しかし、ゴミ捨て場を作るのか……。定期的に穴を掘らないと駄目か?」
「いえ? 1回で大丈夫ですね。スライムを使って処理しようと思ってますので。なので、家庭で出たゴミとか、糞尿があるじゃないですか。それらを全部処理したいなって思ってます」
「あー、スライムをなあ。なるほど。あいつらなら何でも食べるし、出来ないことはないのか。スライムを探すのが面倒かもしれないが」
「まあ、そうですね。ある程度は探さないといけないとは思います。少なすぎても処理が追いつかないって事にもなりますので」
「だが、増えたらどうするんだ?」
「増えたら処理しますよ? 魔石も手に入るじゃないですか。立派な資源にするつもりです」
「そうか。まあ、それならいいか。しっかりと管理してくれよ? スライムが脱走したってなったら困るのは俺らなんだからな。あいつらは木材も食う。穴を開けられたら面倒だ」
「そうですね。管理はちゃんとするように、コンラート兄さんに伝えておきます」
「おう、頼んだぜ。……要件はそんな所か?」
「ですね。後は積極的に森をどんどんと切り開いて貰えれば。畑の面積も増やしたいですし」
「専業になるんだから、そのくらいは頑張るつもりだ。畑が増えても損はねえしな」
「はい。色々と考えているので、出来るだけ畑を確保してもらえると助かります」
「そうか。じゃあ伐採にも力を入れねえといけねえな。村が大きくなることは歓迎するからな」
そうなんだよ。大きくなることは大歓迎なんだよ。全て樵にかかっていると言っても過言ではないからな。木の伐採はどんどんと行わなければならない。そのくらいはしないといけない。領地を拡大しようと思うと、どうしても木が邪魔だからな。
植林なんて考えなくていいのが素晴らしい。この森は気が付いたら木が生えてくるもんな。放置は出来ない。それだけ異常な場所なんだよ。植物の楽園なんだよな。まあ、ここを何とかして開拓したのは凄いとは思う。けど、こんな所を開拓しなければならないくらいに、領地が余っていないと言う事でもあるんだよな。その辺は王国が何を考えているのか解らないけど。




