いきなりの成果
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春の25日。今日もまた兵士たちを連れて見回りだ。昨日の今日だから、上手くいかない事もあるかもしれない。そんな訳で、3人で見回っていたんだけど、思った以上に上手くやっているみたいなんだよな。そこまで混乱しているようには見えなかった。
「皆、順調に仕事が出来ているみたいで良かった」
「そうですわね。いきなりの方針転換でしたから。戸惑うかもしれないとは思いましたが、そんな事も無く、皆が活動できていますね」
「そうだね。このまま狩りの方も上手くいってくれるといいんだけど」
「流石に昨日の今日では結果は出ないのではないかしら? 出たら出たで、魔物がそのくらい近くに居ると言う事になりますし」
「それもそうなんだけどね。でも、結果が出た方がやる気は出るだろうし」
そうだよな。空振りよりも、結果が出た方がやる気にはなるだろうな。ただ、結構難しいとは思うが。近接武器だけで、動物が狩れるとは思わないんだよ。魔物は狩れるかもしれないが、動物は難しいだろうな。
最初から成果を求めては駄目なんだよ。長い目で見ないと。簡単に成果が出るなら苦労はしない。まずは魔物の目撃情報から集めないといけない。どんな魔物が居るのかは知らないが、危険な魔物もいるかもしれないからな。
ただ、他の内政に関しては上手くいっているような感じがするので、良しとすることにした。見回ってみたが、混乱しているような事は無かった。それはまず嬉しい事だな。そして、夕方にも嬉しい知らせが来るとは思わなかった。
「まさか、5組中2組が動物の狩りに成功しただなんてね……」
「ですわね。お土産にお肉を貰えたのは嬉しいですわね」
「……なんで逃げないんだろうか。野生動物なんて逃げるのが当たり前だと思っていたんですが」
「さあ? なんで逃げないんだろうね? でも、猪が3頭も狩れるなんてね。これは大きなことだよ。食卓も彩が出ていいよね。肉なんて本当に久しぶりに食べたから」
「兵士が偶に狩ったものが食卓に上がる程度ですからね。それに魔物の討伐も何体か行われたみたいですし、情報が集まってきていますわ」
そうなんだよな。何故か狩りに成功したのはいいとしても、魔物だよ、魔物。こっちは5組全部が狩ってきたんだ。魔石は鍛冶師に渡したんだけど、魔物が色々と出てきたらしい。
「えっと、まずはゴブリンだよね。何処にでもいる魔物だから、これはいいよね。一目で解るし。それと、コボルトも居たって言ってたよね?」
「ですわね。魔族と同種では無いにしても、魔物が居るのは脅威です。やはり、狩りは必要でしょうね。それと、情報に寄れば、4種類の植物型の魔物が確認されたと言う事ですし」
「体が溶けそうな液体を貯め込んでいた魔物に、大型の花みたいな魔物、挟んできて溶かしてくる魔物、蔓で掴みかかってくる魔物、色々と居るね」
「それよりも、スライムが居たのは僥倖ですよ。これで色んな問題が解決します!」
「ん? スライム? なんでまた?」
スライム。魔物としてはほぼ最弱の位置にいる。何処にでもいるが、弱い。作品によっては、物理無効とか言うやばい魔物なんだけど、この世界のスライムはそうではない。何でも食べるので、色んな用途に使える筈だ。これで糞尿処理にも困らないだろう。スライムのゴミ捨て場を作らせよう。穴を掘って、スライムを飼うのだ。そこにゴミを捨てる様にすればいい。
「スライムにゴミを処理してもらうんです。特に糞尿の処理をさせたいですね。あいつらは何でも食べますし、ゴミや糞尿を食べて貰いましょう。増えたら魔石にしてしまえばいいんですから、何匹か捕まえて、ゴミ捨て場を何か所か作りませんか?」
「ああ、そういう使い方もあるのか。アーミンはよく考えるね」
「でも、いいかもしれませんわね。ゴミ処理問題はどうしても出てきます。今後は魔物や動物のゴミも出てきますから。それを処理するには丁度いいかとは思いますわ」
そうなんだよ。今後は動物の要らない部分も多く出てくると思うんだ。その時に処分するのに苦労していては話にならない。まあ、骨は使うんだけど、その他内臓とか、要らない部分はあるからな。内臓も美味しく食べようと思えば必要なんだけど……。ソーセージとかな。
ソーセージ、腸詰なんかは保存が利くし、いいかもしれない。茹でた後に燻製にしないといけないだろうけど、長期保存も出来るし、冬場には欲しいよな。猪の腸では厳しいので、鹿の腸の方が良いとは思うけど……。雑食の腸ではちょっとなあ。多分だけど。大丈夫なのかね? ……豚と考えれば行けるのかもしれない。
「出来れば、保存の利く腸詰なんかも作りたいですね。色々と下処理が大変だとは思いますけど」
「腸詰か。いいかもしれない。冬場には欲しいよね。貴重な肉を使う事になるけど、茹でて燻製にしておけば、日持ちもするし」
「いいですわね。それも出来る事ではあるので、腸の加工を頼みましょうか。……いえ、それはまだですか。流石に今はまだ早いですわね」
「そうだね。食肉が余って来てからの話になるかな。今は家庭に肉が行き渡ることを考えよう。それでも余るようであれば、腸詰を作って、燻製小屋も作らないといけないかな?」
「準備は早い方がいいんじゃないですかね? 燻製小屋も作るには時間がかかるでしょうし」
「そうだね。早速だけど燻製小屋を作って貰おうか」
腸詰はいいぞ。美味しいしな。保存も出来るから、ある程度は役に立つとは思う。このペースで狩りが出来れば、案外腸詰も簡単に作れるかもしれない。まあ、腸を洗うのが面倒なんだけどな。それは器用な種族にやって貰わないといけないかな。どの種がいいんだろうか。
出来ることはどんどんとやっていこう。肉が手に入るのは大きいし、魔石も十分に利益になるはずだ。魔道具はまだ必要ないとは思うが、必要なければ貯めておけばいいんだし。魔石は腐らないんだから問題ないよな。腐るのであれば、商人に売ってしまえばいいんだし。多少の利益にはなるとは思うんだよ。
問題はそこまで労働力が余っているのかどうかだよな。ちょっとその辺は様子見かな。暫くは無理かもしれないし。弓が本格的に使える様になって来てからって事になるかもしれない。まあ、そのくらいは待つけどな。
「後は、木の実や果物が幾つかあったんだよね。こっちでもメモをしているけど、木の実や果物の名前なんて解らないしね」
「それも商人か冒険者に聞くしかありませんわね」
「でも、もし良ければ、その木を育てておきたいですね。瓶さえあれば、ジャムが作れるかもしれません。……毒が無ければ、の話にはなりますけど」
「そうか。ジャムか。確かにいいかもしれないね」
「出来れば甘いものがいいですわ。毒が無い事を祈りましょう」
見た感じ、ラズベリーやブラックベリーに見えたんだがな。こっちの世界では何って言われているのかが解らないけど。ジャムはいいぞ。黒パンが美味しくなるからな。売り物にもなるだろうし、確保はしておきたいと思う。
まあ、この森だから季節感はまるでないんだけどな。季節に関係なく実が付くのはいいよね。普通は季節限定なんだけどな。ラズベリーなんかは、前世ではよく食べたな。その辺の山に生えていたし。
売り物が出来るかもしれない。それは大きな事だった。売り物があれば、塩が買える。塩が買えれば人口は増やせる。移民を募ってもいいよな。まあ、こんな所に住みたいって思う人がどれだけ居るのかって話もあるんだけど、言うだけならタダだからな。




