冬場の売り物について考える
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秋の44日。今日も今日とて麦の刈り取りだ。今回は移民の力も借りているので、かなり早く終わっている方だ。勿論だが、麦を刈り取った後は1度耕さなければならない。放置してはいけないのだ。本当は焼いてしまいたい所ではあるんだけど、それでは火事になる可能性もあるからな。焼くのは無しだ。焼けば肥料にもなるし、色々といい事が多いんだけどな。まあ、出来ないものは仕方がない。今まで通り、刈り取った後を土に戻してやる作業が必要になる。
圧倒的な速度で終わったので、今年は皆、楽だとは言っていた。直ぐに自分の仕事に戻っていったからな。色々と仕事を頼んであるから、皆、この冬が来るまでに、出来ることをしていて貰うって事になるんだよ。今からの時期が、一番暇になるからな。家庭菜園くらいしかやることがなくなる。流石にベリーも採れなくなるだろうし、ジャム作りも止まるだろう。……何とかしてベリーを年中採れるようにしたいなとは思うんだけど、それをするにはビニールハウスが必要になってくる。流石にこんな所で石油なんて採れるわけもなく。採れたとして、それをビニールにするには技術が必要。そんな技術がある訳もないんだよな。
その辺は何か考えよう。ガラスハウスなんかも作れはするんだろうが、今度は板ガラスを用意するのが難しい。多分ではあるが、板ガラスは相当な技術が必要だったはずだ。まあ、そもそも大量の板ガラスを輸入するだけの金額があるのかって話でもあるんだけどな。ガラスで何とかするって事も出来なくないとは思う。けど、流石に板ガラスを作るのは不可能じゃないか? そもそも珪砂が手に入るのか。そこからの問題になってくるし。
ビニールハウス。素材の変化もあって、プラスチックハウスと言われていたこともあった。ビニールよりも、板のプラスチックの方が丈夫だからだな。熱に強く、気候にも耐えられるようなプラスチックが使われるのが主流になってから、その様に言われる事となるんだけど。ただ、プラスチックも結局は石油を使う訳で。幸運にも掘り当てたとしても、そもそも使う事が出来るのかって問題はあるんだよな。石油製品はかなり欲しい所ではあるんだけど、近代技術を使って、石油を加工している訳だ。流石にその様な方法は知らない。いくら転生者だからと言って、プラスチックの生成方法なんて知る訳もない。石油会社で働いているならともかく、そんな仕事でも無かったからな。
それよりもだ。石鹸作りが落ち着いてきたこともあるので、紙を作りたいんだけどな。今は皮紙を使って居るんだが、植物から出来た紙の方が軽いし保存がしやすい。束ねてもそこまでの厚さにならないからな。植物紙を使いたいんだけど、紙を漉く場所が無いからな。それを作って貰うのは、東の堤防が出来てから。疎水を作るのと一緒に作って貰うんだ。だから完成は冬頃になる。どちらにしても、紙を漉いてから、乾燥させないといけないし、時間はかかるんだがな。真っ白な紙を作るには、石灰などの材料が必要になってくる訳なんだけど、真っ白である必要はない。ただ、紙として使えればいいのである。
「色々と冬の為の準備が始まっているね。今年は食料も潤沢にあるし、凍死する様な事にはならないとは思う。薪も十分な量が集まっているし、言う事はないかな。後は個人で野菜を作るのと、冬の内職をしてもらう事になるかな。麦わらで色々と作るものがあるだろうし、1年間はそれで過ごしてもらわないといけなくなるからね。住民の多くは麦わら製品を使っているし、今後もそれは変わらないとは思うけど」
「革細工にもしていますが、それでも数は限られますからね。皮は沢山用意できますが、加工するにも時間がかかりますし。それに、何と言っても、麦わらで作るのは素人でも良い訳です。素人でも作れるというのが大きいですからね。……移民たちでも作れるように、日中は教えてもらうというのも有りかもしれませんね」
「確かにね。冬の間はやれることが少なくなるし、どうしてもやらないといけないことがある訳でもない。樵や鍛冶師には頑張って貰わないといけないし、冒険者の真似事をしてもらっている人たちにも頑張って貰わないといけないんだけど、それ以外の人たちは暇になるからね。畑も自家用のものを作るだけになるし、ベリー類の採取も出来なくなるだろうからね。それに、オリーブも採れなるなるんだから、石鹸も作れなくなるんだよね」
「石鹸が作れなくなるのは大きいですわよ? 貴重な収入源ですもの。ですが、相当量の石鹸が出来上がっていることも事実。入れ物に関しても、作って貰わなければなりませんからね。石鹸ばかりを作る訳にもいかないのは確かなのですが……。それにしても、収入源を失うのは痛いですわね」
「どうしても季節に頼ることになるからね。そこは仕方がないんじゃないかな。それよりも出来ることを考えないとね。今から何が出来るのか。商人が来るまでには時間があるし、何かしらを持ってきてもらう事も可能だと思うけど。商人が帰ってから、船便がやって来るまでには時間があるとは思うし、こっちが欲しいものを考えておく方がいいんじゃないかな」
「あ、それなら漁の道具を買ってください。前回言い忘れたので。漁が出来れば、冬の間でも魚が食べられるとは思います。なので、魚の養殖もするんですが、まずはどの魚が美味しいのかを調べてからでいいんじゃないかなとは思うんですが」
「ああ、そういえばそうだったね。漁の道具の事をすっかり忘れていたね。手配しておいてもらおうか。それで魚が食べられるのであれば、十分な成果だと思うし」
「後は特段必要になるものは無いのかしら? 冬の間に揃えておきたいものがあれば、船便で購入するのも有りだとは思いますけれど」
「まずは金属だよね。どうしても金属は必要になってくる。鉄がメインになるとは思うけど、それらは必要かな。何処まで運べるのかは気にしないといけないとは思うけど、少々の事であれば、何とかなるとは思うんだよね」
「後は追加の塩も欲しいです。移民の分の塩が足りないとは思うので。現状の陸路の商売だと、塩の数が決まってしまうので、何とか船便で塩を運んでもらわないといけないとは思います」
「それはそうだね。塩も必須って事にしておかないと。燻製を作るにも塩は使うからね。出来れば大量に欲しいかな。予備も含めると、結構な量になるとは思うけど、必要なんだから、購入しないって事は出来ないよね」
「他に何かあるかしら? でも、輸出できるものが少ないのは、どうにかしたいですわね」
「冬になると、どうしてもね。この森でも冬は流石にベリーも採れなくなると思うし。果物が採れれば大きいけど、それは無理だと考えて、魔物や動物を多めに狩ってもらう事で何とかしてもらわないといけないかな。肉類も輸出できるって話だったしね」
「そうね。冬場は肉類が主力になるのかしら? それでもまだまだ積み荷は載せられそうですわよね。何か他にもあればいいのですが……」
「空瓶をストックするしか無いのではないですか? ジャムを作るにしても、どうしても空瓶は必要になってきますし。春から一気に頑張るという形にした方がいいんじゃないですかね?」
「それしかないよね。とりあえずはその方針で行こうか」
冬場に仕事がなくなるのは痛い。何とか出来ればいいんだがな。そうなってくるとビニールハウスが欲しくなってくる。でも、ビニールなんて作れたものではないしな。




