移民がやってきた
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夏の81日。とにかく住民台帳を新しく作り直していた。今いる人、もういない人をしっかりと分けて見た結果、人口が間違っていた。父さんからはアマシエ村は528人と聞いていたんだが、現実は551人も居たことになる。塩の数で管理をしていたら、解りやすかったのかもしれない。けど、仕方がないだろう? 間違っていたんだから。
そんな訳で、必死になって修正をした訳なんだが、修正が出来たと思ったら、移民が押し寄せてきた。……もう到着したのか。思ったよりも早いじゃないか。時刻は夕方。これは明日にでも人口管理をしないといけないだろうな。名前を聞いて、台帳に記載していかないといけない。しかも、やっぱり数が多い。300人近く居るんじゃないか?
そんな訳で、その300人近くを森の中に配置して、とりあえず食事だけでもまともに採って貰う事になった。皆、痩せぎすで、見るに堪えないって恰好をしていた。……確かに、これなら移民としてこっちに来た方がマシなのかもしれない。そのくらいには酷い格好だった。
「とりあえず、移民の皆には、まともな食事を作って貰って、テントやらを作って貰った。……正直、もう少しまともな人たちが来ると思っていた。この村の昔よりも悪い。どんな生活をすれば、ああなるのかが見当もつかない」
「……そうね。でも、やれることはあるでしょう? 直ぐにでも出来ることはあるはず。明日である程度の仕事を決めましょう。アーミンも住民台帳の整理をお願い」
「了解です。多分ですけど、300人くらいは居ましたよ? あれだけの移民をよくも集めてきたなとは思う訳なんですけど、町には本当に仕事が無いんじゃないですかね?」
「その可能性はあるね。出来ても冒険者なんだろうね。しかも武器も持てないだろうから、討伐では食っていけない。そうなってくると、採取になるんだろうけど、知らないと採取も出来ないしね」
本当にそれなんだよ。種族的には、体格に恵まれている人たちも多くいた。にもかかわらず、冒険者になっていないのは、お金が無いから武器も買えないって事なんだろう。武器さえあれば、稼げそうな人は沢山居た。それなら武器を持ってもらおう。今はこっちには冒険者の真似事をしている班が20ある。それに追随してもらい、戦闘に慣れて貰う。
適性が無ければ、別の仕事をしてもらうが、まずは慣れるところから始めないといけないとは思う。あれだけの移民が居るんだ。適性が無い人も出てくるだろう。そういう人は別の仕事をすればいい。最終的には樵に帰結するんだけど、樵にも適性はあるからな。まあ、その辺は何とかしてもらうとしてだな。
そして次の日。移民の名前を1人1人記載していく。そして、その時に何の職業をやって貰うかの配分をカタリーナにお願いした形だ。大半は樵と農民。それ以外にも適性がありそうな人たちを色々な仕事に割り振っていった。
それでも無理だって人は、別の仕事についてもらう。そうして何度もそれを繰り返して、最終的には仕事を定着させる。麦や肉に関しては、移民にも配分しなければならない。野菜に関してもそうだ。が、来年からは自分たちで作って貰わなければならない。
流石にライ麦は無理にしても、野菜は自分たちで育ててもらう必要が出てくるとは思う。肉は狩人たちに期待するしかない。そうやって住民台帳を付けて行った結果、今回の移民は308人も居ることが解った。100人しか募集していないはずなんだがな。まあ、それは仕方が無いか。
住民台帳を付け終わった俺は、真っ先に向かったのが訓練所だ。狩人候補が居る所にやってきた。狩人候補は90人。丁度15組作れるだけの人数が集められていた。
弓を試す者、棍棒を振り回す者、色々とカオスな状態ではあるが、これが普通なんだよな。適性が無さそうな人は弾いているが、弓矢をまともに扱えたのは10人程度。後はどうやって使えばいいのかも見当が付いていなかった。
それらを教え、何とか班を組んで、明日からは狩りをしてもらう。そういう約束で動いてもらう事になった。そして、それが終わったら次の場所へ。
今度は農家だ。まずは農地は共同所有物だと言う事を教え込む。皆のものであり、盗むのは厳禁。盗むくらいなら頼み込んで貰えばいい。それくらいの事は出来るんだから。因みに、秋からは自分たちで野菜を育てて貰う事になる。森の中でも平気で野菜が育つからな。自分たちでも育てて貰うんだ。
そうすれば、食料の供給も少しはマシになるし、自分たちで食べ物を作れることはいい事だからな。後は村が出来るだけの広場を作れれば、大分マシになるんだよ。麦さえ育てられれば、後は申し分ないんだよな。
最後に樵。ここが現状一番多い。適当に班を作り、手当たり次第に伐採をしていく。それを延々と繰り返す。そして、最終目的は、そこに村を作ることなんだ。それまでは他の仕事を任せる訳にもいかない。自分たちの生活が出来る様に住む場所を広げて貰わないといけない。
明日から直ぐに樵の作業に入る。ちゃんと間隔は開けて、安全第一で行ってもらう。伐採した木は、将来的には自分たちの家の材料になる。だから頑張って伐採をしてもらいたい。まあ、枝を払う人や、根を掘り返す人なんかも必要になってくるんだけど、それは適材適所でやって貰う。
皆が何かしらの仕事に着いた。何も仕事をしていない人は居ない。まあ、最低限の仕事は出来るだろう。初めは怪我が多いかもしれない。けど、それは仕方がない。怪我は付き物だ。無傷で何もかも上手くやる人なんて居ないんだから。まずは慣れて貰わないといけない。色々と環境の変化もあるんだろうが、第一に慣れること。まずはそこからだろうな。
「いやー、厳しいよね。来て早々に仕事を決められて、明日から頑張れって言われるんだからさ。でも、今までの生活よりはマシだって思ってもらわないといけない訳だ。それくらいの事は出来ないといけない。村を大きくしていかないといけないからね。僕らも出来ることをやらないと」
「ですわね。とりあえずでもいいので、仕事をしてもらえればとは思いますわ。仕事が終われば食事。食事が終われば睡眠と、1日1日を過ごしてもらうしかありませんわね」
「大分痩せているのが気になります。オーガなんてもっと体格が良くてもいいはずなんですけどね……。あんなにほっそりとしたオーガを初めて見ました」
「うん。皆痩せてたよね。今まで碌に食べられなかったんだろうとは思う。けど、今日からは違うって事を学んでほしいかな。まずは働いて食べ物を食べる。それを覚えて貰って、最終的には村を作って貰うんだ。そのくらいはしないと駄目かな」
だよな。最終的には村にしないといけないだろう。隣に大きな村が出来る訳なんだけど、それはいいと思うんだよな。隣でも何でも良いとは思う。水も豊富だし、食べ物も豊富だ。ライ麦だけは少し心配ではあるが、まあ、大丈夫だとは思う。来年は小麦の量を減らして、ライ麦を多めに作らないといけないだろうな。効率は良くなっているはず。だから、収穫量は期待できると思う。
問題があるとすれば、馴染めない人が出てくる事だが、それに関しては仕方がない。馴染めなければ、元の生活に戻って貰うだけなんだから。残酷かもしれないが、この村の在り方を否定するなら出て行ってもらう。強制的にでもな。そうじゃないと纏まらない。纏められない。この村は全員が運命共同体なんだから。それが理解できないのであれば、何と言おうとも、出て行ってもらう。




