表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/56

蒸留器完成

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 夏の65日。遂に蒸留器が完成した。……思ったよりも大きくなったが、まあ良いだろう。大きい分には問題ない。大きくて問題があるとすれば、火力の維持だけなんだよ。


 まあ、そんな事は置いておくとして、まずはこっちで実験をしなければならない。この間選んでおいた人を連れてきて、蒸留器の使い方を教えていた。……俺では扱いきれない可能性があるからな。特に水で冷やす部分については、頻繁に水を交換しなければならない。水を交換する場所は、俺の身長くらいもある。そんな事をやっていたら、水をぶちまける可能性があるんだよな。


 そんな訳で、蒸留器の使い方を説明した後は、薔薇を摘んで、蒸留器にかける。そうしたら、数時間後には多少の香油が採れるはずだ。……まあ、殆どは水なんだろうけど、それは問題にならない。香油だけ欲しいだけなんだ。ちょっとずつでも良いから、量を用意してもらいたい。


 まあ、石鹸作りがこれに加わるんだけどな。結局はオーガの女性から選ぶことになったし、人間の女性も選ぶことになった。多少は器用さも必要だからな。特に薔薇を摘むときには、多少の器用さが欲しい。水の管理は大雑把でいいんだけど、花を摘むときは、ね?


 そんな訳で、その夜には香油がある程度出来上がっていた。まあ、少量だけどな。ある程度と言っても、この程度かってレベルの量である。石鹸に換算すると、30個から50個にはなるだろうけどな。そのくらいの量である。


「これが香油ですね。匂いを抽出した感じになるので、結構凄い匂いだとは思いますけど」


「確かに香りが強いね。薔薇なんだけど、本当に凝縮された匂いだね」


「いい匂いではありますわね。これを石鹸に混ぜるのですか?」


「そう言う事になります。そうすれば、石鹸を使えば、この香りが体からするようになる訳ですね」


「それはいいわね! 花の香りがするようになれば、確かに石鹸としての価値が上がりますわ!」


「うーん。僕はどうでもいいかなって思うんだけど、カタリーナ姉さんがこう言うんだから、価値は上がるんだろうね。でも、値段はどうするんだろう? 今でも十分に高いと思うんだけど」


「それは商人側が決める事ですわ。幾らなら売れるのかを調査するのは向こうの仕事ですもの。まずは試供品として渡す方が良いとは思います。こちらで値段を決めることは、止めておいた方が良いとは思いますわ。安すぎる可能性もありますから」


「値段設定は本当に解らないので、レイミール商会に判断してもらえばいいんじゃないですかね? 安く買い叩くような真似をする商会には見えなかったんですけど」


「それは僕もそう思うよ。それなりの値段で買ってくれるとは思うね。……まあ、こっちはそれでも言い値で売るしかないんだけどさ。専売にする予定だからね」


 まあ、そうなるよな。だけど、大きな商会だからこそ、こういうのはきちんとしてくるとは思うんだよ。中規模くらいの商会だと、価値を誤魔化されたりするんだろうけど、大手も大手、大商会であれば、ある程度の価値を見出して、こちらに相応の値段で交渉してくると思う。そうしなければ、専売を解除されたら困るだろうからな。その辺はしっかりと見極めてくるとは思う。


 まあ、多少安くてもそれで売るしかないとは思うが。こんな所まで買いに来る商人は少ないだろうしな。居ないとは言わない。物好きはどうやっても買いにくる。そうなった場合は、お土産に売る程度の事はしても良いとは思うけどな。


 まあ、その辺は何とかすればいいとしてだな。対抗商人が現れたら、価格交渉をすればいいだけの話。レイミール商会とは良好な関係で居たいとは思うけどな。それだけの利益を考えれば、こっちから切るという選択肢は無いんだよ。


「でも、香油って色んなものから作れるんじゃないかな? 薔薇が嫌いな貴族も居るかもしれないし。色んな物で作った方がいいんじゃない?」


「それはそうだと思いますわ。何も1種類だけしか作らないって訳ではないのでしょう?」


「まあ、銅があればって感じかな。銅があるだけ蒸留器は作って貰うけど、花をどうするのかなんだよね。花が無ければ、香油って作れないからさ」


 まあ、花以外にも作れるんだけど、花から作った方が楽ではある。木の皮とか、色々と匂いのあるものはあるんだけど、花が一番手頃だとは思うんだよね。季節感は関係ないから、花なら何でもいいんだけど。ベリーの花でもいいんだよな。それも考えておく必要があるかもしれない。


「ベリーの花でもいいけど、それだとベリーの果実が採れなくなるからね。まあ、色々とあるとは思うけど、カタリーナ姉さんが好きな花を中心に集めてくれれば良いかな。狩りをしている人たちに指示を出して、花を根ごと持ってきてもらう方が良いとは思うよ。そうすれば、増えてくれるんだし」


「そうね。そうしようかしら? 何種類でもいいのよね?」


「何種類でもいいけど、蒸留器には限りがあるんだから、程々でお願いね?」


「任せなさいな」


「それじゃあ、香油に関しては、カタリーナ姉さんも参加するって事でいいのかな? まあ、メインは任せてもいい様な気がするけどね。後は何があったっけ?」


「後は移民が来た時の対応ですわね。何処に拠点を構えるのかを決めないといけないですわ」


「拠点ならアマシエ村の東の森の入り口でいいんじゃないですかね? そこを開拓していく訳なんですし」


「そうだね。その近辺を拠点にするつもりだよ。狩りもそっちを中心に行ってもらって、出来るだけ安全にしてもらうつもりでは居るし、新たに移民からも狩りの班を組むからね。6人1パーティーで考えれば良いかなとは思うんだけど、どうかな?」


「それで良いとは思いますわね。今までもそうしてきたのでしょう?」


「前例通りでいいと思います」


「解った。まあ、端数が出たら考えようか。後は基本的には皆で木を切って貰うことになるんだけど、斧が必要だよね。アーミンは鍛冶師に言ってあるかな?」


「言ってあります。1つ目の蒸留器を作ったら、斧を増産してくれるらしいです」


「言ってくれてあってほっとしたよ。これなら何時来ても大丈夫そうだね」


「ん? 早く来る可能性もあるんですか?」


「うん。手紙には出来るだけ早くって書いたからね。何処まで急いでくれるのかは解らないけど、もしかしたら次の行商の前に来る可能性もあるからさ」


「あ、そうなんですね。それじゃあ、この秋にでも大規模に伐採できるんですか」


「そうなる予定だね。まあ、あくまでも予定ではあるけど。


「しかし、何処まで急いでくるのかは未知数ですわ。出来るだけ早くの準備をしておく方がいいですわね。こちらの予想を超えてくる可能性も十分にありますから」


「だね。だから、一生懸命に準備をしよう。それでこの土地を気に入って貰わないといけないからね。気に入って貰って、徐々に人口が増えていくといいんだけど」


 なるほどな。移民を出来るだけ早くって言ってあったのか。それならどうなんだろう? どのくらい集まるのかにもよるんだろうけど、色々と準備を急がないといけないかな。今のままだと遅れるかもしれない。それは不味い。


 出来る限りの準備をしておかなければならない。木剣や弓矢も増産してもらわないといけないかな。それだけ狩りに出て行く人も増えるんだろうしね。出来る限りの事はやっておいた方が良いだろう。後は何が出来るんだ? 住宅は無理でも、テントくらいは……。いや、テントは自分たちが持っているか。スラムで使っていたものがあるだろうし、後はなんだろうな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ