石鹸作りを誰にするか
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夏の61日。今日は何をしようか。ちょっと迷っていることがあるんだよな。……この庭を見て欲しい。薔薇でいっぱいになってしまったんだ。このままで良いのかって事があるんだよ。いや、綺麗だよ? 香りもいいよ? 香油にはいい事しかないよね。でもさ、薔薇って棘があるじゃん? これだけ育ってくると、後で花を集めるのも大変になってくると思うんだよね。
かといって、刈り取ってしまうのは勿体ない。まだ蒸留器が出来上がっていないんだ。それはちゃんと確認に行ったから解っている。もうちょっと時間がかかるらしい。まあ、後数日で終わるって事だったんだけどな。あと数日なんだけど、それが長く感じる。
そして、刈り取るのはいいんだけど、今後は誰かに任せないといけない訳だ。俺がずっと石鹸を作っていく訳にはいかない。誰かに任せないといけない訳なんだけど、その人材をどうするのかを決めかねているんだよな。まだ人材候補が見つかっていないんだよ。畑仕事をしている女性陣でもいいかもしれないんだけど、ちょっと力仕事になるからさ。出来れば力の強い種族の方がいいと思うんだよな。だったら魔族か? ってなるんだけど。
だけど、力の強い魔族たちはそもそも狩りに向かわせたり、樵になって貰っているからな。……どうしようかなって思っていたんだけど、そこで思い付いた。オーガの女性なら力もあるんじゃないか。それなら何とかなるんじゃないか。そう思った訳で。
交渉に出向いて、許可を得たんだけど、……畑仕事も結構な重労働で、水を持ってくるのに結構な力を使うらしいのだ。それで、今まではオーガの人たちが纏めて水を運んでいたらしい。その人材を引き抜いても良いのかって疑問も出てきたんだよな。
出来れば、力が強い方がいい。けど、そんな女性を引き抜き過ぎると、畑仕事の方が問題が出てくる。そんな状態なんだよ。まあ、石鹸作りには、そこまでの力が必要なのかと言われたら、微妙なんだけどな。多く、1度に作ろうと思うと、力が必要になるってだけなんだよ。少量を少しずつ作るのであれば、そこまでの力は必要ないんだよな。
さて、どうするか。悩みどころである。まあ、移民の力を使うって手もあるんだけどな。早ければ、次の行商の時にでも、移民がやってくるはずなのだ。それでそこから人材を引き抜けばいいんじゃないか。そう思わないでもない。けど、秋の行商までには、石鹸作りを軌道に載せておきたいのも事実なんだよな。遅れる訳にはいかない。となると、多少不便でも、オーガの女性を引き抜いた方がいいんじゃないかとも思うんだよな。
まあ、決めるのはまだ先で良い。そもそも香油を作るかかりも決めないといけないんだし、まだ焦るような時間ではない。焦るのは特によろしくない。焦っても碌な結果にならないからな。慎重に決めた方が良いのかと言われると、それもまた違うんだが。大胆に決めないといけない事もある。
決断力が無いのがいけない。何にしても迷うんだ。これがやりたいって決めたら、一直線にやり切るくらいの胆力が必要になってくるんだろうな。そういう点では、俺は貴族には向いていない。決めるべきことは決めないと行けないからな。こういう風に迷っていては駄目なんだ。貴族たるもの、皆を引っ張っていく存在で無ければならないからな。俺には向いていないんだよ。
まあ、そんな訳で庭を眺めていた訳なんだけど、眺めていても何も解決しないからな。であれば、石鹸を1つでも多く作っておいた方がいい。そう言う事で石鹸を作り始めたんだけど、石鹸を作る始めると長いんだ。知らない内に夕方になり、夜になっていた。
「そんな訳でですね。石鹸を誰に作って貰おうかって悩んでいまして。オーガの女性に作って貰う方向で固めているんですけど、本当にそれで良いのかって疑問もある訳でして。それに香油の方は誰に作って貰うのかも決まっていませんし。こっちは人間の女性でも良いかなって思っているんですが……。決めかねているんですよね」
「なるほどね。石鹸も力仕事な訳だ。それならオーガの女性の方が良いだろうね。でも、オーガの女性も畑仕事でいい仕事を当てがわれていると。そう言う事なんだね?」
「そう言う事なんですよ。どうしたらいいと思いますか?」
「うーん。そうだね。じゃあ、こうしたらどうかな? 水を持ってくるのはオーガの女性の仕事。昼まではその作業をしてもらって、昼からは石鹸作りをしてもらう。石鹸はそこまで時間がかからないって言っていたよね? それだったら昼からでもいいんじゃないかな?」
「香油もそうですわよね。昼からでもいいのではないですか? 張り付いていなければならない訳でもないのでしょう? であれば、昼からでも十分だと思いますわ」
「あ、あー、そうか。昼からにすれば良いのか。それならまあ、何とかなるとは思います。香油に関しても、火の番が1人居ればいいだけなので、準備が出来たら1人だけ置いて、後は農作業をしてもらえば良いのか」
「専業制にしたけど、1人が2つ以上の仕事をしてはいけないなんて決まりは無いしね。それでいいんじゃないかな。専属で人を割り当てるのは、移民が来てからでも遅くないんじゃない? 移民が来て、住居を作って、ちゃんと住めるようになってからでさ。それでいいんじゃないかって思うんだけど」
「そうね。移民にやって貰うって手もあるもの。人口が増えれば、やれることは多くなるわ。何でも今の住民だけでやらなくてもいいのよ。移民が来てくれるんだから、それを前提に組み立てれば良いとは思うわ。今は仮にその人選でやって貰って、問題があるようなら変えればいいじゃない」
「……確かにそうですね。その様に考えてみます」
「アーミンは色々と考えることが出来る子供だけど、僕らの事も頼ってもいいんだよ? 1人で考えていてもいい事は無いからね。迷ったら今日みたいに夜に報告してくれればいいんだよ。そうしたら、皆で考えればいいんだから」
「そうよね。考えすぎることがあるもの。他人からしたら、簡単な事もあるのよ。心配な事があれば、こうやって夜にでも報告してくれればいいのよ」
「はい。解りました。ありがとうございます」
「うん。頼りになるかどうかは解らないけど、少なくともアーミンの倍は生きているんだからね。少しは力に成れると思うよ」
「そうですわよ。自分だけで考えすぎないようにすればいいのです。周りを頼りなさい。誰かが助けになってくれるのですから」
「解りました。今度からはそうします」
割とすんなり解決したな。他人に相談しろか。確かにそうだよな。自分1人で考えていても限界はあるんだから、誰かを頼らなければならない。それはコンラートとカタリーナなんだろうな。俺だけで考えている訳ではないんだから。運営はそもそもコンラートがやっているんだし、そっちに聞けば良かったな。それならこんなに悩まなくてもすんだかもしれないのに。
思考が大人になっているからこそ抜け落ちる事もあるんだな。下手に考えるよりも相談した方が早い事もあると言う事なんだよ。特にこっちの常識については疎いからな。積極的にコンラートとカタリーナの力を借りた方がいいのかもしれない。
それでも駄目なら、樵でもいいし、鍛冶屋でも良いから、誰かに相談すればいい事なんだよな。相談しても解決できないことは、必至に考えればいいんだ。思いっきり考えるのは、そこからでも遅くはないんだろうな。今度からはそうしよう。困った事があったら相談しよう。




