東の橋が完成する
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夏の43日目。東の橋が完成した。まあ、だからどうなんだって話ではあるんだけどな。完成したから狩りに行けるって訳でもなく。もう既に行ってしまっているからな。住民が渡る訳でもないし。単純に橋が完成したよって話である。
で、ここからの問題だが、木材の確保もしなければならない。森を切るのは好きにすればいいんだが、それでも人員がな。樵の人材を確保したいんだけど、そんな手すきの人員が居ない。割と結構限界まで人材を使っている。……なので、子供たちには出て行ってもらうんじゃなくて、ここに残って貰いたいんだよな。それくらいには人材が足りない。
「かといって、移民を受け入れるのも難しいよ。食料はあるけど、移民を受け入れるには足りないものが多すぎるんだ。そりゃあ余裕はあるけど、まずは住むところからだよね。樵が欲しいのは解るけど、どうあがいても移民の受け入れは暫くできないよ」
「ですわね。移民を受け入れたいのは解ります。出来る限り住民は多い方がいいですからね。ですが、それも受け入れられる土台があってこそになりますわ。無理に住民を増やすことは出来ません。……やりたいことも解るので、何とも言えない所ではあるのですが」
「やっぱりそうですよね……。移民を少数でも受け入れられたらなとは思うんですけど。こう、住宅の問題もありますし、色々と足りてないのも解るんですよね。でも、移民を受け入れないと、この村も大きくならないじゃないですか。だから、将来的には移民を受け入れないといけないんじゃないかなって思うんですよね」
「うーん。それはそうなんだよね。将来的にはどうしても移民を受け入れないといけないとは思う。このままだと、色々と生産力が足りないからね。それらを確保するにはどうしても住民の数が問題になってくるし、そうなってくると、大規模に移民を受け入れないといけない。そういう日が来るとは思う。けど、まだ先の話かなって思うよ」
それはそうなんだけど、そろそろ受け入れの準備をしていった方が良いとは思うんだよな。堤防が完成したら、西側にも橋は作って貰うんだし、そうしたら、その後は東側の反対側にも堤防を作らなければならない。まずはそっちから移民が過ごせるようにしないといけない。
その為には、大々的に移民を、樵を動員しないといけない。樵が必要になってくる。当然だけど、その近辺は森なんだ。開拓しなければならない。森を開拓するには樵が絶対に必要になってくる。そうなると、住宅が……と、色々と足りないことになってくるんだよな。
だからこのままで良いのかって言われると、違うとしか言いようがない。このまま今の状態を維持するだけでは問題だ。これからは産業も沢山出来てくるんだし、色々と出来ることはあると思う。その為には人口が必要なんだけど、さっきも言った通り、人口を増やすにしても、足りないものが多いんだよな。
まずは家が足りない。これを何とかしない事には始まらない。でも、家なんて簡単に建てられるのかって話にもなってくる。……テント生活を1年間くらい許容できる人たちが必要になってくるんだよな。テント生活でも、食事は満足に与えられるとは思う。それ以外だよな。食事だけが満足でも、他が足りなければ意味がない。そう考える移民も多くいるだろうと思う。まあ、移民になるって時点で、覚悟が決まっている人も大勢いるんだろうが。
「移民を受け入れるにしても、色々と問題があるからなあ。何処でどうやって暮らしていくのかが問題だよね。暮らしやすい場所って訳でもないんだし、移民を募っても集まってくるのかどうかが解らないからね。ここは辺境も辺境だし、こんな所で生活をしたいって人がどの位居るのかだよね。居ないとは言わないけど、結構少ないんじゃないかとは思うよ」
「男性は良いのかもしれませんが、特に女性ですわね。森の中での生活は厳しいものがありますから。町の方が良いと考える人の方が多いでしょうし、移民を簡単に受け入れることは出来ないと思いますわ。……それでも、レイミール商会に聞いてみる必要はあるとは思いますが」
「レイミール商会に聞いてみない事には何ともならないですよね? そもそも移民としてこっちに来たいと思っているかどうかはさておいて、そもそも貴族が魔族を人間としてみなしていない人なら、移民として受け入れられると思うんですよ。まあ、そんな場所に魔族がまだ住んでいるのかどうかは解らない所ではあるんですが。出来れば、人間も来て欲しいですけど、選ぶ余裕は無いでしょうし」
「まあ、来るなら8割は魔族になるだろうからね。それだけは解るよ。嫌われている所もあるんだろうし、簡単には魔族が住めない場所もあると思う。それは貴族次第なんだろうけど、ヨナターク子爵家はそうではなさそうなんだよね。だから、移民を受け入れるにしても、別の場所からになるかな」
「でしょうね。レイミール商会の話を聞けば、ヨナターク子爵家が魔族を用いているのは解りますからね。であれば、近隣の、魔族が差別されているような場所から移民を募る方がいいでしょう。その方が移民の覚悟も決まっているでしょうから」
「ですよね。なんだかんだと覚悟が居ることだと思うので、簡単には決められないんでしょうけど、それでも、1年後には移民を受け入れたいなって思うんですよ。そうしないと、コンラート兄さんがオスカー兄さんに勝つために必要じゃないですか? 村を大きくしているって実績があった方がいい様に思うんですが」
「それはそうなんだけどね。村を大きくしたって実績があれば、かなり大きな成果になるとは思うけど、それでも人間を増やさずに、魔族を増やしたって思われる可能性もあるんだよ。この村が、一番人口が多いにも関わらず、村の中心になっていないことを考えると、父さんも魔族をそこまで重要に考えているとは思わないんだよね」
「それはあり得る話ではあるでしょうね。そもそも魔族を人として考えていない可能性も十分にあります。そんな事になれば、村は空中分解しますわよ? 住民として受け入れられていないと解れば、住民が反旗を翻す可能性も十分にあり得ますから」
「そんな事にはなって欲しくないよね……。出来れば穏便に済ませたいとは思うんだけど。何かいい方法が無いですかね?」
「うーん。難しいな。魔族を人として認めろっていうのは簡単かもしれないけど、向こうが心の底から認めるのかどうかは未知数だし。それに、父さんがそうだったように、オスカー兄さんがそうなってくると、非常に面倒な事になってくると思うんだよね」
ああ、それもあったか。オスカーが魔族嫌いって可能性もあるんだな。そんな面倒な事になって貰っては困るんだけど。
可能性としては十分にあり得る。人間と魔族で分けているような人をトップにする訳にはいかないとは思うんだけどな。この村を見ていると、そういう思いがこみあげてくる。
そもそも魔族と人間の違いなんて殆ど無いんだからな。一応だが、魔族と人間のハーフも生まれる。そういう関係なんだから、人間と魔族は近しい存在であることには変わりがないんだがなあ。まあ、そんな事を言っても無駄なんだろうけど。
でも移民は欲しい。人口を増やしたいなら、移民を受け入れるしか無い。徐々に人口を増やしていけばいいだけなら、子供が出来るのを待てばいいんだが、そんな時間はないんだよ。今すぐにでも人口が欲しい。そうなってくると、どうしても移民を受け入れざるを得ないんだよ。




