内政の効率が悪い
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5日後、俺とカタリーナ、コンラートは、護衛の兵士3人に守られながら、アマシエ村へと移動した。移動には5時間程度かかり、途中フォーク村に寄ってからアマシエ村へと歩いて移動した。……健脚ではないので、途中で兵士におんぶをしてもらっての移動となった。俺が歩いていたら、8時間はかかっただろうな。6歳というのは、それだけハンデがあると言う事ではあるんだよ。
そして、村長の家が、今後の拠点になる。俺たちの世話は村長の家族がしてくれることになっている。それが伝統らしい。まあ、簡単にいえば、元ビューヘルム準男爵家の人間なので、こう言う事には理解があるって話ではあるんだよ。
で、来て早速の夜に、3人で集まって作戦会議が始まった。
「さて、こう言う事になるのは知っていたけれど、コンラートとアーミンは知っていたかしら?」
「僕は知っていましたよ。まあ、5番目の僕には選択肢が無いのも解っていました。4人が4人とも分かれるんだろうなってのは解ってましたし」
「俺は知りませんでした」
「まあ、アーミンは無理もないわね。でも、ここを仕切るのはコンラートがやりなさい。女である私が指揮を執るよりも良いでしょうし」
「あれ? カタリーナ姉さんはそれで良いの?」
「いいわよ。コンラートが仕切って頂戴。そして、ゆくゆくは、私を領地の外へと婚姻で向かわせて欲しいのよ。この領地が嫌いって訳でもないんだけど、政略結婚の駒には良いでしょう?」
「まあ、そこまで大きくできたらね。政略結婚が出来るくらいにってなると、結構発展させないと無理かなとは思うけど」
「そこは何とかして欲しいわね。正直、オスカー兄さんでは領地が纏まらないわ。ウルリケ姉さんでも同じね。クルト兄さんは纏められるんでしょうけど、ドルト村を選んだでしょう? あそこでは無理だと判断したわ」
「うーん。まあ、何とかしてみるよ。アーミンはどうする?」
「俺は貧乏が嫌なので、領地を発展させるのは賛成ですね。仕切るのはコンラート兄さんがやれば良いとは思います。まあ、思い付いたことはどんどんと言うつもりですけど」
「そう。頼んだよ?」
任せておけ、とは言えないのが辛い所だ。何もかもは調べてみないと解らない。まずは情報収集をしないといけないとは思う。そこから始めて、色々と改革案を出していかないといけない。今は春の21日目。春夏秋冬があり、90日間がその季節だ。春は麦を植える季節。もう既に植え終わっているとは思うから、収穫までは放置で良いだろうし、色々と出来ると思う。
「じゃあ、とりあえず、村を見て回ろうか。そうしないと何も思い付かないだろうし。明日1日村を見てみて、思い付くことがあったら、また夜に報告会ね。そうやって、毎日報告会をしようと思うんだけど、大丈夫かな?」
「ええ、いいわよ。護衛はどうするのかしら?」
「解りました。護衛は今日の人たちで良くないですか?」
「そうね。明日もこうやって動く事を伝えないといけないわね」
「じゃあ僕から言っておくよ。アーミンは、またおんぶかな」
「……足手まといですみません」
「子供なんだから仕方がないよ。何か気が付いたら言うんだよ?」
「解りました」
「それじゃあ、今日は寝ましょうか。コンラート、後はお願いね?」
「うん。カタリーナ姉さんもアーミンもお休み」
さて、明日になったら色々と見て回らないといけないと思う。そもそも内政が効率よく行われているのであれば、文句は無いんだけどな。効率よく回しているのであれば、そもそも貧乏なんてしていないんだろうけどな。貧乏は敵である。何としてでも回避をしなければいけない。
そして、翌朝の春の22日。
「さて、今日は村を一通り見てみたい。気が付いたら色々と情報交換をしよう。それは夜にするとして、まずは見て回らないとね」
「そうね。気が付くこともあるでしょうし」
「すみません。今日もお願いします」
「任せてください。アーミン様くらいは余裕で背負えますから」
そんな訳で、村を一通り見て回った。既に麦を植えるのは終わっているらしく、朝は畑の水やりをして、午後からは自宅で内職をやるという感じになっているらしい。……しかもそれが当たり前の様になっている。樵も、鍛冶師もだ。
「あれ? これだけなんですか? 半日で終わってしまったんですけど……」
「アーミン様、これで全部ですよ。まあ、小さな村ですからね。仕方がないとは思いますけど」
「思ったよりも時間が余ったね。村と村を繋ぐ道の管理はどうなっているのかな?」
「それは俺たちみたいな兵士で見て回っています。魔物の討伐から、植物の撤去までが仕事です」
「それじゃあ道も見ておこうかな。管理は絶対に必要だからね」
そんな訳で、道も見ておく。昨日歩いてきた道も、また見ることになるのかとも思ったんだけど、そっちはもういいらしい。なので、ドルト村との道を見て帰ってきた。
正直に言うと、道は普通だ。普通の土の道だ。整備はされている。穴も塞いであるし、邪魔な木も管理してあるのが見えた。とりあえず、道に関しては心配しなくても大丈夫だろうとは思う。まあ、まだ見て回っただけなんだけどな。商人の意見も聞いてみたい所だな。
そんな訳で、夕食も黒パンとスープ。ひもじいのはこっちも一緒だ。何とかしないといけないよな。今日村を見て回っただけでも、改善すべきところは沢山あったし。出来る事も沢山ある。効率よく内政を行うのであれば、あれらは改善必須だ。
「さて、見て回ったけど、どうだった? 僕としては、まあこんなものなのかなとは思ったけど。アタライ村に比べても、こっちの方が色々と出来る気はするけどね。こっちの方がちょっとだけ人口が多いんだし」
「そうね。悪い人は居ない様な気がしたわ。もっとも、改善策までは思い付かなかったけれど。アーミンはどうだったかしら?」
「やりたいことが沢山ありました。効率よく内政をやっていけば、発展させることも簡単だと思います。色々とヒントもありましたし」
「え? 何か案があるのかい?」
「ありますね。まずは畑からですか。なんであんなに畑の形が悪いんですか?」
「それは皆が耕すからだけど? 耕すのが早い人も居れば、遅い人も居るんだから、形が悪くなるのは仕方がないんじゃない?」
「そこです。なんで自分の畑をって考えなんですか? 皆で共用の畑にすれば良いじゃないですか。麦は皆で食べるものなんですから、家ごとに作るのを止めましょう」
はっきり言って効率が悪い。畑の形が悪いと、作付面積に関わってくる。まあ、自分の家の野菜は自分で作らないといけないのかもしれないが、こう言っては何だが、種族特性を全く活かしていない。人間もエルフもオーガもゴブリンも、皆が畑を持っているんだ。それでは効率が悪いというもの。
そもそもだ。畑は共用にしてしまった方が良いのである。こんな村で所有権がどうのこうのと言うのは馬鹿らしい。皆で育てた麦を融通するのが普通だ。……どうせ最終的にはそうするのだから、初めから分けておいた方がいい。
「うーん。まあ、出来るとは思うけれど、そこまでする必要ってあるのかしら?」
「一考の余地はあると思うよ。どうせ足りない家に分け与えたりもするんだろうし、なら初めから皆で一緒にやった方が効率的だとは思う。……問題は、それを納得してくれるかだけどね。今までとはやり方が違う訳だし」
まあ、そこについては、コンラートに頑張ってもらわないといけない所だ。交渉の余地はあると思う。ひもじい生活の脱却をしないといけないのだ。