商人との交渉の想定
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春の72日。狩りの成果は日に日に増加している。……どんどんと慣れてきている様なんだよな。それでも、初期の5班が一番成果が出ているのは当然ではあるんだけど、大人と子供では、ある程度能力の差があっても仕方がないからな。特に魔族で編成されている初期組は、成果を求められても当然なんだから。
まあ、かなりの成果を出しているので、燻製が間に合わないって事もあるみたいなんだけど。腸詰にするだけの腸が洗い終わる前に、どんどんと肉が追加されて行くんだから。肉を潰すのも大変なんだと聞くし、そっちにも人員を割きたいとは思った。
そんな訳で、コンラートとも相談して、手先の器用な住民を、腸詰作りに参加させることにした。色々とあるとは思うけど、一気に生産量を増やさないといけない。それだけ肉が飽和してきていると言う事もあるんだよ。良い傾向ではあるんだけどな。燻製小屋が間に合っていないことを除けば。
燻製小屋ももう少しで出来るとは聞いている。後10日もすれば完成するとは聞いているんだ。それが出来れば、一気に燻製づくりが楽になる。鹿の足なんかも枝のまま燻製にしてしまえば良いしな。今は全部腸詰にしているけど、腸詰にしないでも燻製には出来るんだよ。
長期の保存が出来れば良いんだからな。肉なんてなんぼあっても良いからな。最終的には輸出してしまえば良いんだし。この村で全部消費しないといけない訳でもないんだから。流石に量が多すぎれば、どうしても余る。それは輸出に使ってしまえば良いんだよ。商人との交渉が面倒な事になるかもしれないけどな。向こうも肉は余っている可能性が十分にある。
なんせ冒険者が居るからな。冒険者が魔物を倒して肉を獲得する可能性は十分にあるんだよ。流石にこの近辺で出てくるゴブリンやコボルトは食べられないが、食べられる魔物も居るだろうし。肉は輸出できない可能性も十分にある。
でも、町には2万人も居るんだ。もしかしたら肉も足りていない可能性もあるんだよ。肉を得るには、冒険者が肉になる動物か魔物を討伐するか、農村で育てている豚や牛から得るしか無い可能性も十分にあり得るんだよ。だから、足りない。その可能性を追う方が良いとは思う。
燻製にすれば、保存は出来るんだし、肉が余っている可能性も高いんだがな。その辺は商人に聞いてみない事には何とも判断が出来ない。全ては商人との話が出来ないと何も始まらないんだよ。商売にしても、こっちから出来ることは少ないんだ。商人との取引しか駄目なんだから。
船が手に入れば、自由に交易できるようになるとは思うんだけどな。……船が手に入らない場合はどうすれば良いのかだよな。その時は馬車を手に入れないといけないだろう。そうなってくると、色々とこちらが何をやっているのかがバレるんだけど、嫉妬してくれるならしてくれても構わないって思うようにしないと、面倒な事になる可能性もあるんだよな。
まあ、燻製についてはそんな所だな。とにかく商人と話をしてみない事には始まらない訳で。全てはそこにかかってくると思うんだよな。もうちょっと商人が早く来てくれると助かるんだけど、そんな訳にはいかないからな。麦の刈り取りの後に来ないと、麦の入手が出来ないんだから。商人は小麦を所望しているんだ。それ以外は交渉になるんだよな。
「早急に必要なものは、特に無いよね? 今のところは順調に来ているとは思うんだけど、どう思う? もうちょっと何かしないといけないかな?」
「今のところはこれが限界なのではないかしら? もう少し何かやれそうな気もしないでもないですが、無駄になる可能性も考えなければなりませんからね。とにかく、商人がやってくる夏の20日前後までには、色々と話を詰めておく必要があるとは思います」
「ですよね。商人が来てから何を話そうかってしていては遅いので、ある程度はこちらの要望を纏めておいて、同時に借金が出来るのかどうかも考えないといけないとは思います。船を買うのであれば、どうしても借金はしなければなりません。それを何年で返すのか、計画を立てないといけないでしょうし、その為には、少しでも良い値段でこちらのものを買ってもらう必要があるとは思います」
「それも解るんだけどね。……向こうがどのような手札を持っているのかが解らないのが痛いよね。こっちの手札はある程度用意できたとは思うけど、向こうが何の手札を持っているのかが解らないんだから。特に、何が足りないのかが解らないのは痛いよね。1度でも商人と話が出来ていたら変わっていたのかもしれないけど……」
「それを今言っても無駄ですからね……。どうしても後手後手になるのは仕方がないとは思います。そうなってくる以上は、向こうだって足元を見てくる訳ですから。ある程度の強気の交渉をしなければなりませんよ? コンラートはこの村の代表なのですから。商人にやりこめられてはいけません。押し通すことは押し通さなければ」
「向こうは当然足元を見てきますからね。それは当然の事で、商人としては、利益を最大化させたいわけですし。最初は吹っ掛けてくるとは思いますね。それをそのまま呑むのではなく、交渉して譲歩を引き出した方が良いとは思います。……勿論、商人がいい人の可能性もあります。ありますが、そんな人が大きな商会を作れるのかって疑問は持たないといけないとは思うんですよね。ヨナターク子爵家が送り込んでくれているんですから、大きな商会なのには変わりが無いでしょう。しかし、出てくるのは商人です。中堅どころが出てくると思います。なので、交渉の余地はあると思います」
商人としては中堅どころが選ばれているだろうとは思う。何せこっちは準男爵家だからな。一応は貴族なのだ。そんな所に下っ端の商人を向かわせるわけにはいかない。そう考えるのが当然だ。立場は向こうの方が上かもしれない。けれど、地位はこちらの方が上なのだ。腐っても準男爵と言う事である。だから、ある程度の権限を持った商人が来るはずなのだ。
だからこそ交渉の余地がある。これで下っ端の商人を向かわせているのであれば、こちらを余程下に見ていることになるんだけど、流石にそれは無いとは思うんだよなあ。いくら貧乏貴族とは言っても、貴族は貴族だ。それなりの立場の人間を寄こすと思う。俺なら一応そうするからな。貴族側から要求があった時に、何も決められない商人を寄こしていれば、面倒な事になるからな。話が出来る人選をしているとは思うのだ。
こちらが何か要求する事は少ないかもしれない。けど、何か要求があった時に、対応できる人材を送り込んでおく方が無難だろう? 大規模にやっている商人であればある程、そうするとは思う。話が出来るとは思うんだ。出来なければ、色々と遅れる事にはなるんだけどな。大きく得をするには、ある程度の権限を持っている人材を送り込む必要があると思っている。そうやって人選をしていることに賭けるしかないのは、こちらの立場が弱いからなんだよな。苦しい所ではあるんだけど。
どんな商人が来るのか。こちらも利益が欲しいんだ。強かに交渉をしなければならない。向こうの利益も考えないといけないのはそうなんだよな。向こうにお土産が無い状態での交渉は無理だ。だから、交渉の難易度は高いと思う。それでも、何とかしてもらわないといけないんだよな。そうじゃないとこの村の未来が無い。コンラートの次代の芽が摘まれてしまう。交渉で何を得られるのか、考えておかないといけない。




