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養鶏と冒険者

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 春の56日。今日は特に何も無かったから、養鶏場を見に来たんだ。……最近は偶に卵も食卓に上がる様になってきたんだ。だから、どうなったのかなって気になってさ。敷地面積はかなり狭かったとは思うんだけど、卵がそれなりに入ってくるなら、良い事だよねって事で、様子を見に来たんだが……。


「鶏が居なくなってる。ドードー鳥だけにしたんだ?」


「そうですね。ドードー鳥だけにしました。その方が良いとは思ったので」


「そうなんですか?」


「そうなんです。養鶏と言っても、卵がメインになるじゃないですか。そうなると、毎日卵を産んでくれた方が良いんですよね。それだと、ドードー鳥の方が良いんですよ。ドードー鳥は毎日2個から5個の卵を産みます。鶏は5日に2個くらいなんですよ。だから、卵を産ませるならドードー鳥の方が良い訳ですね。毎日複数個の卵を産んでくれるんですから」


「ああ、それでなんですか。……子供を増やすことも考えてますかね?」


「考えてますよ。雄のドードー鳥も何羽か世話をしていますし、子供もちゃんと生まれてくると思いますよ。それは向こうに作ってあります。こことはまた別のところでやっていますね。そうしないと、卵を取る事と育てることが一緒になってしまいますから」


「なるほど。場所を分けたんですか。……でも、かなりの面積が必要になるんじゃないんですか? そんな広い場所がありましたかね?」


「広い場所は無いですね。でも、何とかして場所を確保しているんですよ。まあ、村の広場なんかがなくなっていっている感じですね。どんどんと新しい事をするので、場所がとにかく足りないんですよ。村が発展していくのは良い事なので、何も文句は無いんですけどね。毎日卵を食べられるというのは、本当に贅沢だと思うので。必要な事だと思いますよ?」


「生活スペースをどんどんと削っていっている訳か。何とかして村を広げないといけない様な気がしているけど、そこまで広げられるのかどうかだよな。何とかして北に広げていこうとはしているけど、まだまだ時間がかかるだろうし」


「それは仕方がないんじゃないですか? でも、今後は畑がもう少し効率的に作れるので、今以上に畑が作れるとは思うんですけどね。今の畑って、歪な形が多いですし」


「まあ、当然だけどな。早い者勝ちでやっていたらそうなる。今後は皆の畑って事で了承してもらわないといけないけど、そうやって皆で生きていくって事にしないと、厳しいとは思うからな。こんな小さな村で、助け合わないで生きていくのは不可能なんだし」


「そうですね。皆の共有資産にした方が良いと考えたのは、本当に凄いと思いますよ。今までそんな事をする人は居ませんでしたし」


「居なかったのはそうなんだけど、でも、これにもデメリットはあるからな。特に個人の財布がなくなるわけだから、欲しいものが簡単に手に入らないって事もある。必要なものは村長の屋敷に取りに来て貰わないといけない様になるからな」


 塩も村長の屋敷で保管するようになるからな。まあ、直ぐに分配はするんだけど。財布を1つにするんだから、皆が家族と思わないといけない。個人の資産が出来ないんだよな。それが大きなデメリットなんだよ。まあ、個人の資産があったところで、何も買えないんだけどな。結局は村の中で循環していくだけなんだから。


 貧富の格差は絶対に出ない。それは保証する。が、それが良い事だとは思わない方が良い。自分で自分の生活の面倒を見ることが出来ないって事だからな。自由に出来ないのは、大きなデメリットになる。仕事はあるけど、それはボランティアみたいなものだからな。どうしてもやる気が続かない可能性があるんだよ。


 皆のやる気がなくなれば、破綻する。そういう生活にしてしまったからな。やる気の問題なんだよ。やる気がなくなれば、皆が困る。皆が何もしなければ、生活に困ることになる。それを良しとするのかどうかだな。当然だが、良しとしては駄目なんだけど。何かしらの仕事はしてもらわなければならない。


「けど、お金ってそんなに必要ですかね? 塩があれば、何とかなるんですし、お金はそこまで必要ないとは思いますよ?」


「いや、村の中でならそうなんだがな? 子供が町に出て行くときには、お金の価値を知っておかないといけないだろう? 町ではお金が第一になるんだから。お金が無いと何も出来ないって事になるんだよ。まあ、出立金はこっちで準備はするんだけどな? 各家庭でお金の大切さを学ぶことも必要なんじゃないかとは思う訳で」


「うーん。まあ、確かにそれはあるんですけど、何処からお金が出ても、子供は何かしらの苦労をすると思うんですよね。結局は自分で稼いだお金ではない訳ですし。苦労をするのであれば、早くさせておいた方が良いとは思いますね。……子供たちが何の仕事をするのかまでは知らないですけど」


「町に行ったら、まずは冒険者になることが求められるだろうな。そのくらいには仕事が無いとは思う。初めから仕事が見つかるとは思えない。だから、冒険者をやりつつ、自分にあった仕事を見つけていくしかないとは思う」


「なら、子供にも冒険者の真似事をさせるのはどうなんだい? 特に魔族の子供は成長が早いんだ。この村に居られるかもしれなくなったけど、魔族の子供は冒険者の真似事をさせた方が良いんじゃないかい?」


「あれ? そっちはもういいんですか?」


「ああ、一通り終わったからね。何か話をしていたからこっちに来たんだよ」


「えっと、なんで魔族限定にしたのか教えて貰っても良いですか?」


「魔族の子供は大きくなるのが早いんだよ。特に早い種なんかは2年で大人になるからね。人間は18歳から大人として見られるけど、その他の種族はもうちょっと早いんだよ。遅いエルフなんかでも15歳で大人の仲間入りだからね」


「なるほど……。そんなに成長に差があるんですか」


「そう言う事さ。魔族の方が成長が早いんだ。だったら、人間の子供よりも、早めに訓練なんかをしておいた方が良いんじゃないかと思ってさ」


「うーん。そうですね。将来的に冒険者になる可能性がある子供たちには、積極的に冒険者の真似事をさせた方が良いのか。適正なんかもそれで解るんだろうし。……けど、出来るだけ村に残って貰いたいんですよね。それは無理なんでしょうか?」


「村に残るにしても、いったんは冒険者の真似事をさせた方が良いんじゃないかい? 色々と知っておくことは大切さ。知っておけば、後で色々と出来るからね。村に残るって選択を取ったとしても、冒険者の真似事で食っていくことは出来るだろうからね」


「それだと、人間もある程度の年齢で冒険者の真似事をさせた方が良いですね。どちらにしても、今、畑仕事をしている人たちにも、冒険者の真似事をしてもらいましょうか」


「それが良いとは思うよ。畑仕事に関しては、何か向こうも暇しているらしいからね。開墾や収穫は皆でやるんだろう? それだったら、元気の有り余っている子供たちに冒険者の真似事をさせて、将来何をしたいのかってのを学ばせるのはどうかと思ってね」


「なるほど。それはいいかもしれません。こっちでも考えてみます」


 コンラートには話をしないといけないだろうな。直ぐにでも準備はできるだろうし、狩りも現状の5班から多めに班編成が出来る様になれば、一気に出来ることが増えるしな。良い事ではある。まあ、得手不得手があるだろうけど。その辺はこれから見極めて行ったら良い事だしな。慣れてくれば、色々と出来る様になるかもしれない。

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