商人さんは何を持ってくるのか
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春の45日。とりあえず、自分の中では色々と纏まったので、報告会で報告する事にした。魚の養殖に手を出してみよう。食べられるのであれば食べてみよう。そんな感じである。
「そんな訳で、樵さんとも話をしていたんですが、堤防が必要になります。なので、堤防で水が取れなくなることが懸念されるので、疎水を村の中心部に引っ張ってくる事をお願いしました」
「そっか。水位を上げるって話だったからね。堤防が必要になってくるのか……。確かに必要だよね。それでも東側だけで良い様な気もするけど? 疎水を引っ張るって事は、西側も堤防で囲むんだよね? 勿論、南側も」
「はい。そうした方が今後は良いかなって思いまして。川が溢れれば大変なことになりますし」
「それはそうよね。でも、なんで今まで堤防が無かったのかしら?」
「必要なかったというよりは、作る余裕が無かったって言った方が正しいのかもね。今は専業制にしたから、樵の人も余裕があるんだろうし。今までは木材を貯めておくことばかりしてきただろうからね。まだ木材には余裕があるんじゃないかな」
「作ろうとしていた土地はありましたから、多分作る余裕が無かったんでしょうね。今回の事で水位が上がるって聞いて、必要なんじゃないかって思いました」
「必要だろうね」
絶対に必要なので、それはもう任せるしかないんだけどな? 任せておいて大丈夫だとは思うし。……本当は堤防を作ってから水位を上げた方が良いんだろうけど、まあ、大丈夫なんじゃないかな。多分だけど。安全を考えるのであれば、先に堤防だよな、どう考えても。
とはいえ、船着き場も早く作って欲しいので、俺も強くは言えなかったんだけど。早く船が解禁される方が勝ってしまった。何も起きなければ問題ないんだが、これで洪水被害を出したら戦犯級のやらかしではある。
「それで、堤防で土を使うじゃないですか。それを集めるためにも河川沿いに池を作ろうかなって思いまして」
「池を? 作ってどうするのかしら?」
「疎水を引くなら池までは必要ないんじゃないかな?」
「そこで魚の養殖をしてみようかなって思いまして」
「魚か……。昔は食べて居たって聞いた事はあるね」
「美味しいらしいですが、釣り具が必要だと聞いた事があるわ。今は釣り具は殆どないと思いますけど……」
「と言う事は、釣り具が欲しいって事になるのかな?」
「いえ、底引き網が欲しいですね。その規模でやらないといけないとは思います」
「……大規模にやるんだね。養殖なんでしょ?」
「最初からある程度は入れるのと、どうせなら食べてみたいので。養殖と漁を兼ねようかと」
「……水生系の魔族の人も居たか。その人たちに任せるんだね?」
「その方が良いと思います。溺れられても困りますし」
「でも、魚もいいわね。……どうやって食べるのかは知らないけれど」
「美味しいらしいからね。興味はあるかな」
そうなんだよな。川魚って当たりハズレが大きい気がするが、美味しいって話だしな。それなら良いんじゃないかとは思う訳で。不味ければ考えれば良いからな。その時はその時である。多分だけど、上流では普通に漁をしていると思うから、漁の道具くらいはあるとは思うんだよ。
そんな訳で、堤防の話と池の話をした訳だ。絶対に必要になる堤防は話しておかないといけないし、魚の養殖についてもまあ、必要かと言われれば微妙と言わないといけないけど、食生活の事を考えると、どうしてもという訳ではないが欲しくなる。
興味はあるしな。不味ければ不味いで、家畜の餌にすれば良いんだし、育てるのにもそこまで手間暇かけるわけではないからな。基本的にはオリーブの搾りかすなんかを与える予定だ。
それと後は商人について話をしておかないといけないことがあるから、一応聞いておこうかなって事を聞いてみる。
「それと、商人さんなんですけど、いつもどんなものを持ってきてくれるんですか?」
「いつもかい? いつもはまず塩だよね。塩は絶対に必要なものだから、最優先で持ってくるよ」
「それが無ければ生きられませんからね。塩は最優先で持ってきてもらいます」
「それと、夏は金属を持ってきてくれるかな。秋は塩を多めに持ってくるから、他のものって殆ど乗せてこないんだけどね。でも、布なんかは秋かな。比較的軽いものは秋の方で持ってきてくれる。そうじゃないと金属が運べないってのもあるんだけどね」
「布は毎年購入していますね。基本的には服を仕立てるのに必要ですから。特にアーミンなんかは成長期ですからね。今年も纏まった布は必要だとは思いますわ」
「夏に金属が来るんですか。それには銅も載っていますか?」
「基本的には鉄と銅だね。使い道が多いのがこの2種類だから。他の金属は知らないなあ。持ってきているんだろうか。そもそも使わないからね。殆どが鉄で、銅も少しはって感じかな」
「今回の銅は全部買っても良いですか?」
「良いけど、何に使うの?」
「前にも言いましたけど、蒸留器です。鉄で作るよりも、銅で作った方が良いので」
「ああ、石鹸に使うって言っていたね。必要なものだから買っても良いよ。鉄も結構な量を買うつもりではいるけど」
「石鹸の価値を高めるんですから、必要ですわね」
「そうだね。結局は船が買えなければ、付加価値で勝負していくしかないからね。石鹸としての価値を高めるためには必要なんでしょ? 優先的に買うから大丈夫だよ」
「それなら、とりあえずは大丈夫だとは思います。適当に小物なんかも持ってきてくれるんですか?」
「小物? まあ、一応ね。とは言っても、基本的にはこっちの村で作れるものは作るかな。買うのは緊急で必要になるものが多いんじゃないかな」
「今まではとにかく塩が最優先でしたからね。売るものも小麦以外はありませんし、そこまでお金が入ってくる訳でもありませんでしたから」
まあ、だろうな。小麦以外が売れるかどうかなんて解らないだろうし、そもそも畑仕事しかさせていないんだから問題なんだよ。畑なんて耕せれば、後は水をやるだけで良いんだから、そんな所に人員を割いても良い事は何も無いんだよ。
勿論だが、冒険者の真似事をしている人たちも、樵も、畑を耕すことはしてもらう。そうじゃないと面積が確保できないからな。皆で耕してもらうんだ。そこからは専業でやって貰う。麦の管理の人は麦の管理。樵なら樵。専門でやって貰う。その方が効率的なんだよな。
「そういえば、養蜂って誰がやることになったんですか?」
「養蜂なら昆虫系の魔族の人だよ。なんとなくだけど、何がしたいのかが解るらしいからね。もう半分専門家みたいなものなんじゃないかな」
「ああ、その人選なんですね。まあ、見た目からしたらそうなりますよね」
「ですわね。魔族の方々は得意不得意が解りやすくて良いですわ。人間は特に特徴も無いので、得意不得意が解りにくいですし」
「やってみないと解らない事もあるしね。そこは臨機応変にいくつもりではいるけど。でも、基本的には見た目で何とかなるかな。そういう特徴があるのも、魔族の人たちは良いよね」
まあ、はっきりとしている分、仕事は割り当てやすいのはそうだろうな。養蜂は昆虫系の魔族の人か。妥当だよな。俺でもそうする。来年には色々と出来ることが多くなりそうで良いな。来年は期待できる年になりそうだ。
後は、聞くことは無かったよな? 聞いておきたいことは聞いておくべきだし。こういう場を設けているんだから、聞けることはどんどんと聞いておいた方が良い。解らないままに放置しておくよりは、聞いておいた方が余程いいからな。




