ベリーで色々と作ります
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春の33日。今日はカタリーナと一緒にジャムづくりの見学にきている。……流石の生命力で、ベリーの収穫が凄い事になっている。なんでこんなに採れるんだろうか。
「カタリーナ姉さん、ベリーの収穫量が多すぎない?」
「そんな事はありませんわ。既に空き瓶はなくなってしまったのです。ですから、私たちが食べる分を作っているのですわ。本当に美味しいのかの試食も大事ですので」
「そうそう。ベリーも色々とあるからね。試食は大事なのよ」
「それに作り方に慣れておかないとね。商品にするんだろう? 品質は一定の方がいいじゃないのさ。それなら美味しい作り方を研究した方が良いのよ」
「ほら、これを食べてみなよ。黒パンが美味しくなるわよ」
とまあ、そんな感じで、慣れるために作りまくっているという訳だ。なお、ベリーの木については、追加では持ってきていないはずなんだけどな。1日に何度も実がなるという、グロドツギの森の特徴を生かしている。……なんで急激に実が育つんだろう。なんで熟すんだろう。本当にこの森は訳が解らない。もうちょっと説明出来て欲しいんだけどな。
しかし、ジャムはどれも美味しい。特にクイーンベリーの甘さが凄い。野生種なのに、ここまでの糖度になるのか。確かに高級品としても売れそうだな。……果糖を砂糖に分離できないのかな。そんな事が出来るなんて知らないんだよな。そもそも果糖と砂糖が同じものなのかも知らない。
こういう時に科学の知識があれば、もっと活かせるんだろうな。中途半端にしか知らないからな。所詮は中学レベルの科学。詳しい事は専門家に聞いてくれと言いたくはなるな。ただ、これだけ美味しい果物を捨てるのも勿体ない。収穫できるんだから、どんどんと収穫してしまう方が良いんだろうけど……。
保存食にしたいな。何かしらいい方法が無いものか。……ドライフルーツは結構難易度が高いんだよなあ。干すだけって事なのかもしれないけど、カビが生えない様にちゃんと管理をしないといけないし、そうなってくると、出来そうなものは……。あ。
「あ、カタリーナ姉さん。お酒を買うって事にしたじゃないですか。それって蒸留酒も買えますか?」
「買えると思うけど、どうして?」
「果物をお酒に漬けようかなって。そうしたら甘いお酒が出来るんじゃないですかね?」
「甘いお酒ねえ。……いいんじゃないかしら?」
「そうねえ。甘いお酒なら飲んでみたいわね」
「どんな味がするのかしら?」
「きっと美味しくなるわね」
ルムトププ、だったような気がする。お酒の種類も決まっていたような気がしないでもないが、アルコール度数が高ければ問題ないとは思う。まあ、捨てるよりはマシかなって思ったんだよな。それにこれならお酒を作っている訳ではないからセーフ、だと思う。
ただ、輸出品にはならないだろうけどな。自分たちで楽しむ用になるとは思う。お酒造りの許可が取れれば売ってしまうのも良いとは思うが、許可が採れるかどうかは金次第だろうしな。結局金なんだよなあ。資格ってそういう感じで厳しいと思うし。
これもコンラートに聞いてみるしかないな。酒が作れるようになれば、話は変わってくる。果物からお酒を作ることは、そう難しい事ではない。昔からワインとして飲まれているように、果物からお酒を造るなんてわけないんだよ。酵母菌さえ見つけてしまえばこっちのものだ。
後はその酵母菌を大切に大切に扱っていけば、問題なくお酒は造れるわけで。……許可取りが大変そうだな。長期計画になるかもしれない。まあ、一応商人に見せてみて、売れそうなら売ってしまえば良いかな。作り方は難しくないんだし。度数の高いお酒に漬けるだけだ。
「でも、数が必要よね? 結構ベリーは余るわよ?」
「そうなんだよなあ。ベリーがここまで収穫できるとは思っていなかったし。というか、他に保存方法って無いのかな?」
ベリーを乾燥させられれば、色々と保存が出来るんだろうけどな。……待てよ、乾燥させるだけならオーブンでも良かったよな? と言う事は、パン窯で乾燥できるんじゃないか? いや、乾燥させたからって、カビが生える心配があるのは変わらないか。
いやいやいや。あるじゃん。たっぷりとあるじゃん。オリーブオイルが。油漬けにしておけば、保存食としてもいけるし、売り物にもなるんじゃないか? まあ、美味しいかどうかの確認はしないといけないとは思うけど、早速実験だ。何処の家庭にもパン窯はあるんだし。……採れる木材が多いからな。パン窯は何処にでもあるんだよ。
「そんな訳で、パンの代わりにベリーを窯に入れます。そして、乾燥させます。……上手くいけば、甘味が増すとは思うんですが」
「焼くのかい? ベリーを?」
「いえ、焼くんじゃなくて乾燥させるんです。水分を飛ばすだけですね」
「なら温度はそこまで上げない方が良いね。試してみようじゃないか」
「火はこっちから持っていきなよ。着けるのは面倒だろう?」
「それもそうね。ささっと準備しちゃいましょ」
「ついでだから、パンも焼いちゃえば?」
「そうね。どうせ明後日には焼かないといけないし、そうしましょう」
あれよあれよと言う間に、パンをコネ始める。……生地は時間をおいた方が発酵して柔らかくなるんだけどな。あれも酵母が必要だったっけ。酵母は……あれ? ベリーは酵母を作れたよな? 綺麗な水に果物を漬けておくだけ。1週間くらいで酵母になったはず。
「すみません。パンを焼くのであれば、今度から酵母を作ると良いですよ。瓶に水を入れて、ベリーを入れて、1週間くらい放置しておくんです。日の当たらない涼しい場所で。そうすれば、パンをこねる時に入れると、パンが柔らかくなるんですよ。しかも、パンをこねて、種を作っておけば、無制限に作れますね。まあ、焼き切った方が良いとは思いますけど」
「パンが柔らかくなるのかい? 試してもいいわね」
「水とベリーで良いんだったら簡単だね。作ってみようかしら?」
「それと、パンなんですけど、こねたら3時間くらい放置しておく方が良いですよ? その方が酵母が仕事をしてくれて柔らかくなりますから」
「あらあらそうなのかい? ……寝る前にこねておけば、朝に焼けるって事で良いのかい?」
「そういう認識で大丈夫のはずです」
天然酵母を使ってパンを作るくらいは簡単だよな。結局、お酒を作るためには酵母菌が必要になる訳で。それを作るくらいは何ともないさ。……大丈夫だよな? お酒を作っている訳ではないんだから。まあ、その酵母を使って、アルコール発酵をさせれば、お酒が出来るんだけど。そうなると、結局許可が必要になるんだよな。
許可については、本格的に商人から許可を取れないか聞いた方が良いな。お酒が作れれば、大量の果物の消費が簡単になる。……まあ、その分樽が大量に必要になるけど、樽なんて作れば問題ない。金属も必要にはなるけど、問題はない。ただ、時間がかかるだけだ。
お酒に関してはマジで時間がかかるからな。まあ、リキュールだし、そこまで時間をかけなくても大丈夫か。ビンテージものってなると、何年も何十年も樽で放置するんだけど、そこまでの物を作る訳ではないからな。即座に金になる方が良い。
さて、出来ることが増えたな。果物の活用法なんて沢山あるんじゃないか。連想ゲームと同じだ。こうやって偶には現場に来ないといけないな。机上ではどうしても発想の転換が出てこないし、話しながらの方が面白い案が出てくる。そういうコミュニケーションも大切なんだなって、改めて確認した次第だ。




