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ベリーで色々と作ります

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 春の33日。今日はカタリーナと一緒にジャムづくりの見学にきている。……流石の生命力で、ベリーの収穫が凄い事になっている。なんでこんなに採れるんだろうか。


「カタリーナ姉さん、ベリーの収穫量が多すぎない?」


「そんな事はありませんわ。既に空き瓶はなくなってしまったのです。ですから、私たちが食べる分を作っているのですわ。本当に美味しいのかの試食も大事ですので」


「そうそう。ベリーも色々とあるからね。試食は大事なのよ」


「それに作り方に慣れておかないとね。商品にするんだろう? 品質は一定の方がいいじゃないのさ。それなら美味しい作り方を研究した方が良いのよ」


「ほら、これを食べてみなよ。黒パンが美味しくなるわよ」


 とまあ、そんな感じで、慣れるために作りまくっているという訳だ。なお、ベリーの木については、追加では持ってきていないはずなんだけどな。1日に何度も実がなるという、グロドツギの森の特徴を生かしている。……なんで急激に実が育つんだろう。なんで熟すんだろう。本当にこの森は訳が解らない。もうちょっと説明出来て欲しいんだけどな。


 しかし、ジャムはどれも美味しい。特にクイーンベリーの甘さが凄い。野生種なのに、ここまでの糖度になるのか。確かに高級品としても売れそうだな。……果糖を砂糖に分離できないのかな。そんな事が出来るなんて知らないんだよな。そもそも果糖と砂糖が同じものなのかも知らない。


 こういう時に科学の知識があれば、もっと活かせるんだろうな。中途半端にしか知らないからな。所詮は中学レベルの科学。詳しい事は専門家に聞いてくれと言いたくはなるな。ただ、これだけ美味しい果物を捨てるのも勿体ない。収穫できるんだから、どんどんと収穫してしまう方が良いんだろうけど……。


 保存食にしたいな。何かしらいい方法が無いものか。……ドライフルーツは結構難易度が高いんだよなあ。干すだけって事なのかもしれないけど、カビが生えない様にちゃんと管理をしないといけないし、そうなってくると、出来そうなものは……。あ。


「あ、カタリーナ姉さん。お酒を買うって事にしたじゃないですか。それって蒸留酒も買えますか?」


「買えると思うけど、どうして?」


「果物をお酒に漬けようかなって。そうしたら甘いお酒が出来るんじゃないですかね?」


「甘いお酒ねえ。……いいんじゃないかしら?」


「そうねえ。甘いお酒なら飲んでみたいわね」


「どんな味がするのかしら?」


「きっと美味しくなるわね」


 ルムトププ、だったような気がする。お酒の種類も決まっていたような気がしないでもないが、アルコール度数が高ければ問題ないとは思う。まあ、捨てるよりはマシかなって思ったんだよな。それにこれならお酒を作っている訳ではないからセーフ、だと思う。


 ただ、輸出品にはならないだろうけどな。自分たちで楽しむ用になるとは思う。お酒造りの許可が取れれば売ってしまうのも良いとは思うが、許可が採れるかどうかは金次第だろうしな。結局金なんだよなあ。資格ってそういう感じで厳しいと思うし。


 これもコンラートに聞いてみるしかないな。酒が作れるようになれば、話は変わってくる。果物からお酒を作ることは、そう難しい事ではない。昔からワインとして飲まれているように、果物からお酒を造るなんてわけないんだよ。酵母菌さえ見つけてしまえばこっちのものだ。


 後はその酵母菌を大切に大切に扱っていけば、問題なくお酒は造れるわけで。……許可取りが大変そうだな。長期計画になるかもしれない。まあ、一応商人に見せてみて、売れそうなら売ってしまえば良いかな。作り方は難しくないんだし。度数の高いお酒に漬けるだけだ。


「でも、数が必要よね? 結構ベリーは余るわよ?」


「そうなんだよなあ。ベリーがここまで収穫できるとは思っていなかったし。というか、他に保存方法って無いのかな?」


 ベリーを乾燥させられれば、色々と保存が出来るんだろうけどな。……待てよ、乾燥させるだけならオーブンでも良かったよな? と言う事は、パン窯で乾燥できるんじゃないか? いや、乾燥させたからって、カビが生える心配があるのは変わらないか。


 いやいやいや。あるじゃん。たっぷりとあるじゃん。オリーブオイルが。油漬けにしておけば、保存食としてもいけるし、売り物にもなるんじゃないか? まあ、美味しいかどうかの確認はしないといけないとは思うけど、早速実験だ。何処の家庭にもパン窯はあるんだし。……採れる木材が多いからな。パン窯は何処にでもあるんだよ。


「そんな訳で、パンの代わりにベリーを窯に入れます。そして、乾燥させます。……上手くいけば、甘味が増すとは思うんですが」


「焼くのかい? ベリーを?」


「いえ、焼くんじゃなくて乾燥させるんです。水分を飛ばすだけですね」


「なら温度はそこまで上げない方が良いね。試してみようじゃないか」


「火はこっちから持っていきなよ。着けるのは面倒だろう?」


「それもそうね。ささっと準備しちゃいましょ」


「ついでだから、パンも焼いちゃえば?」


「そうね。どうせ明後日には焼かないといけないし、そうしましょう」


 あれよあれよと言う間に、パンをコネ始める。……生地は時間をおいた方が発酵して柔らかくなるんだけどな。あれも酵母が必要だったっけ。酵母は……あれ? ベリーは酵母を作れたよな? 綺麗な水に果物を漬けておくだけ。1週間くらいで酵母になったはず。


「すみません。パンを焼くのであれば、今度から酵母を作ると良いですよ。瓶に水を入れて、ベリーを入れて、1週間くらい放置しておくんです。日の当たらない涼しい場所で。そうすれば、パンをこねる時に入れると、パンが柔らかくなるんですよ。しかも、パンをこねて、種を作っておけば、無制限に作れますね。まあ、焼き切った方が良いとは思いますけど」


「パンが柔らかくなるのかい? 試してもいいわね」


「水とベリーで良いんだったら簡単だね。作ってみようかしら?」


「それと、パンなんですけど、こねたら3時間くらい放置しておく方が良いですよ? その方が酵母が仕事をしてくれて柔らかくなりますから」


「あらあらそうなのかい? ……寝る前にこねておけば、朝に焼けるって事で良いのかい?」


「そういう認識で大丈夫のはずです」


 天然酵母を使ってパンを作るくらいは簡単だよな。結局、お酒を作るためには酵母菌が必要になる訳で。それを作るくらいは何ともないさ。……大丈夫だよな? お酒を作っている訳ではないんだから。まあ、その酵母を使って、アルコール発酵をさせれば、お酒が出来るんだけど。そうなると、結局許可が必要になるんだよな。


 許可については、本格的に商人から許可を取れないか聞いた方が良いな。お酒が作れれば、大量の果物の消費が簡単になる。……まあ、その分樽が大量に必要になるけど、樽なんて作れば問題ない。金属も必要にはなるけど、問題はない。ただ、時間がかかるだけだ。


 お酒に関してはマジで時間がかかるからな。まあ、リキュールだし、そこまで時間をかけなくても大丈夫か。ビンテージものってなると、何年も何十年も樽で放置するんだけど、そこまでの物を作る訳ではないからな。即座に金になる方が良い。


 さて、出来ることが増えたな。果物の活用法なんて沢山あるんじゃないか。連想ゲームと同じだ。こうやって偶には現場に来ないといけないな。机上ではどうしても発想の転換が出てこないし、話しながらの方が面白い案が出てくる。そういうコミュニケーションも大切なんだなって、改めて確認した次第だ。

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