空瓶の中身は
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そんな訳で春の27日。まずは樵の所に行って、鍛冶場に来てもらわないといけない。同時に話をしないと解らないだろうからな。何をしたいのか、しっかりと伝えないといけない。
「そんな訳で、集まって貰ったんですが、水車を改造して欲しいんです」
「水車なあ。儂もあれは大きすぎるとは思っていたんだが……」
「その話は昨日俺がしたぞ」
「いえ、小さくするんじゃくて、改造するんですよ。今、こう、丸太が屋根を突っ切っているじゃないですか。そこに新しい機構を作って欲しいんです」
「今以上に大きくするのか……」
「まあ、出来る範囲でならな。出来ないなら諦めろよ?」
「出来る範囲なので安心してください。地面に描くので覚えてください」
そうやって地面に書いていく。大型の歯車と、それが濡れないようにするための屋根、そこから最終的に小型のミキサーを動かすようにすると。まあ、いうだけなら簡単だ。もの凄い回転力になるとは思うが、そのくらいは回転してくれないと、鹸化させるには難しい。
「まあ、出来るっちゃ出来るが……」
「まあ、な。出来ないことはないわな。そこまでしないといけないのかって疑問はある訳なんだが」
「まあ、何かしらには使うので、作って貰えればとは思います。それで、どの位には出来ますかね?」
「……ここまでの奴だと、組み立てるのにも一苦労するぞ」
「鉄の部分はこことこことここで良いんだろうが、後は木材で作ることになるぞ? それは大丈夫なのか?」
「ここもだ。ここも金属の方が良い。耐久力が必要になるだろうからな」
「なるほどな。じゃあ、ここもか?」
「そうだな。出来ればそこもだな」
「ならまあ、鉄は足りるな。……予備も使っちまうが」
「鉄に関しては輸入できるように取り計らうので大丈夫です。コンラート兄さんが鉄は欲しいよねって話を昨日してましたので」
「そうか。それならまあ、何とかなるか?」
「うーむ。なんとかなるとは思うがな」
「どのくらいまでに出来そうですかね?」
「……どうだ? 金属の部品を作るにしても、まずは木材の方がどうにかならないといけないぞ?」
「それは解っている。燻製小屋は春のうちに出来るのはいいよな?」
「ああ、そっちは問題ない」
「なら、夏のうちに作っちまうか。優先順位的にはどうなんだ?」
「燻製小屋が最優先です。水車小屋はその後で。優先順位は遅いと思ってもらえれば」
「出来なくはない。夏の間でもいいか?」
「いや、耐久テストもしたいから、秋の10日くらいまでは必要じゃないか?」
「まあ、そうか。ここまで馬鹿でかいものを作るとなるとな。じゃあそのくらいだな」
「それじゃあ、秋の10日くらいを目途にで良いですか?」
「ああ、問題ないはずだ」
「何とかなるだろ」
「解りました。そのくらいまでに準備をしておきます。あ、そうだ。鍛冶屋さんはまだ余裕がありそうですか?」
「あん? まあ、樵の奴に比べればな」
「もしかしたら別件を頼みにくるかもしれないです。銅を入手してからになるとは思いますけど」
「……銅でなんか作るのか?」
「そうです。蒸留器を作って貰おうかと思いまして。出来ますか?」
「あー、蒸留器か。……一応いうが、酒を蒸留するのは違法だからな? そこは解っているのか?」
「あら? 蒸留酒は違法なんですか?」
「おう。酒造りには許可がいる。既存の酒を蒸留するにも許可が必要だ」
「へー。そうなんですね。まあ、お酒じゃないので大丈夫ですけど」
「まあ、そうか。酒じゃねえなら構わねえか。……くれぐれも酒でやらかすんじゃねえぞ?」
「解りました」
「酒って言えば、めっきり飲んでねえな。何時ぶりだ?」
「さあな。かれこれ100年くらいか? 酒の味も忘れちまった」
「あれ? お酒ってそんなに入って来ていないんですか?」
「まあ、ちんまいのは知らねえよな。昔は小麦を作って売るだけで、結構な金になってたそうなんだよな。今はそうでもないらしい。昔は多少でも飲めたんだがな」
「酒がねえと生きていけねえって訳でもないが、やっぱり飲みてえよな」
……酒か。空瓶を持ってくるよりは、酒を持ってきてもらった方がいいよな? 酒を輸入して、ジャムや石鹸を輸出する。それは有りだ。何よりも消耗品って所が良い。別に瓶で所有しなくても大丈夫だし、まあ、この人たちなら飲むだろう。ドワーフが酒を断っていたってだけでも偉業だと思うくらいには酒好きってイメージがあるんだよな。
「それならお酒を輸入しますか? ちょっと困ったことがあったんですよね」
「ほんとか!? ……んで? 困った事ってなんだ?」
「場合によっちゃあ力になるぞ?」
「いえまあ、お酒を輸入できるなら解決するんですよ。これからジャムを輸出していこうと思ってまして。それて、積極的にジャムになる木の実や果物を育てようってなっているんですよ。それなのに、空瓶を商人に運ばせるわけにはいかないでしょ? 向こうも商売なんですから、空の荷物なんて持ってきてもお金にならないんですし」
「……それで酒か。いいんじゃないか? 酒が嫌いな奴なんて殆どいないだろうからな」
「酒が苦手な種族って居たか? 記憶に無いんだが」
「酒で失敗した奴らなら沢山知っているが、酒が苦手ってなると、聞かねえな」
「じゃあ、お酒を輸入する方向で考えます。それで良いですか?」
「俺たちにも回ってくるのか?」
「というか、金は何処から出るんだ?」
「えっと、畑を共有したじゃないですか。なので、基本的には村で1つの財布って思ってもらえれば良いとは思います。なので、お金は村長持ちになるんじゃないですか? だって、そうしないと村が発展しないという理由で、専業にしてもらった訳ですし」
まあ、そう言う事になるよな。基本的には物資は村長が買って、皆に分配するって形になるとは思う。だから、財布は村長が握っている。そういう政策にしたからな。……簡単に言えば社会主義国家と同じようにした訳だ。大規模にやると失敗するのが目に見えているが、村規模でやる分には案外なんとかなるんだよな、社会主義。
だから、酒を何とか輸入して、空き瓶を作って貰って、そこにジャムを詰めると。そう言う事になるとは思う。だから、問題があるとすれば、酒が来たら速攻で飲んでもらわないといけない訳なんだけど……。
「酒がなくならない心配だあ? そんな事する必要ねえよ。飲めばいいだけの話だろう?」
「母ちゃんがさっさと飲めって言うのか……。昔とは変わるなあ。長生きはするもんだぜ」
「村長の金で酒が飲めるんなら悪い事じゃないよな!」
「おうよ! ただ酒程良い事はない!」
「いや、一応は皆が働いてくれるからお金が稼げているのであって、村長の奢りって訳でもないんですけど……」
「なに? そうなのか?」
「だが、俺たちはお金を出さないんだろう?」
「お金は出しませんね。代わりに労働力を提供してもらう事になるんですけど……」
「なんだ、今までと変わらねえじゃねえか。働けば酒が飲めるんだろう?」
「母ちゃんが金を持つか、村長が金を持つかの違いなんだろう?」
「えっと、まあ、そうなんですけどね?」
「嫁さんから酒を買うのがどれだけ難しいと思っているんだ!」
「そうだそうだ! 母ちゃんを説得するのが男の甲斐性だ!」
「あ、はい。まあ、村長の奢りと言う事で」
そこまで言われてしまうと、な? まあ、働けば飲めるんだから、いいか。お嫁さんに交渉する手間が省けたと思えば。でも、結構な量の酒を輸入する事になると思うんだけど、大丈夫なんだろうか。のん兵衛には足りないなんてこともあるかもしれないのかね?




