表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

あなたにはこれから傾国の聖女をやってもらいます

 ・「傾国の聖女」というスキルで暴れてもらうためにTS転生させられる男

 ・性格がねじ曲がってそうな美女(神っぽい何か)

「傾国の聖女」について

 ・獲得条件が厳しすぎる

 >魔力を持つ

 >神殿関係者の血を持つ

 >善性・慈愛を根幹に持ち得る

 >祈祷・洗礼など神への信仰を一度でも行う

 >世界ないしは神への反逆あるいは破壊の意思を持つ

 以上の条件を満たしたうえで、命の危機に瀕しながらも死に抗う激情を持つことによりスキルを得る。

 スキル取得直後、生命に危険を及ぼすものをすべて除去、強制的に肉体を年齢に応じた健康体に変ずる。

 ・聖女のスキルに傾国の性質が付与された性能を持つ

 >回復スキルに微量の魅了効果有。同一人物に使用するごとに深度が深まる

 >闇属性特攻のせい属性攻撃を使用可能・・・はたして特攻なのは闇だけか

 >獲得条件故、神への信仰は不要、というより信仰拒否・神罰を受ける。しかし主人公は上記美女のみ対価と引き換えに奇跡を使用することが可能(対価が異常すぎるため、可能というだけ)

 >異性、さらには同性をも魅了する美貌へと成長補正


 ーーーーーーーーーーーーーーーー

「あなたにはこれから傾国の聖女をやってもらいます。」


「は?」


 唐突に目の前に性格がねじ曲がってそうな美女が現れ、開口一番、言われた言葉に俺は唖然とした。


 というか、どこだここ?


 女の背後どころか見渡す限り全面が真っ白なんだが


「ふふふ、突然言われて驚くのも仕方ないでしょう。でもこういうのはインパクトが大事。わかるでしょう?」


「いやわからんが」


 明らかに説明不足な言葉についツッコミを入れてしまった。

 だが、何となく状況が分かってきた。


 これは異世界転生というやつだろう。

 この女は神っぽい何かで、俺は死んだか呼び出されたかでこの場にいるという感じか。


「うんうん、理解が早くて助かりますわ。」


(こいつ、心の中を……)


 女の言葉で読心されていることを察する。

 まあ、神っぽいのだ、そういう能力は当然あるだろう。


「色々と疑問があるとは思いますが、私から答えることは1つだけ」


「『傾国の聖女』というスキルを取得するための環境は整えてありますわ。あとはご自由に。」


「大変だとは思いますが、頑張ってくださいませ」


 そうして、俺の意識は落ちていく。

 というより体ごと落ちてるなこれ。

 世界に落ちるというやつか。


 そしてもう一つわかったことがある。

 あの女は碌でもないやつだ。


 ーーーーーー


(あー、死にそう。ていうかまじで死ぬ。

 体動かんしどうしようもないぞこれ。)


 気が付くと齢10を超えたくらいの少女に転生していた俺は、劣悪環境、飢餓、病気のコンボを食らい、死の瀬戸際に立たされていた。

 いや、地面に横たわっているので、ほぼ死にかけと言ったほうが正しいか。


 なぜこうなってしまったのか。

 それは、転生時の状況のせいだ。


 転生直後、眠りから覚めたかのように意識が戻ったら、周囲は瓦礫の山だった。

 転生体である少女の体も土埃にまみれ、服は破れボロボロ、しかし、怪我は無かった。いや、転生直後ということで治されたのかもしれない。


「一体何が、っ!?」


 頭に痛みが走る。

 どうやら記憶が蘇った(インストールされた)ようだ。

 状況が分かってきた。


 まず、俺が転生した少女はこの瓦礫となった神殿の1人のシスターの娘のようだ。

 貴族の手籠めだとか無理矢理とか私が生まれた経緯はあまり良くない、というか悪いがそこは今は置いておこう。

 何やかんや無事に産まれた少女はこの神殿で不自由なく過ごしていたようだ。

 優しいシスターたちや神父に助けられたね。

 多少の忌避感はあったようだが、それは生い立ち故仕方ない。


 それが急転直下、このような瓦礫の山となってしまったのは、帝国の侵略だ。

 神殿だけではなく、村全体がこの状態だ。

 モンスターでもあるまいし、徹底的過ぎる。


 国境から少し離れたこの村、味方の軍もおらず、おそらくは奇襲だろう。

 戦略的に優位とか、あるいは……見捨てられたか…


 まあ、そこも今は重要じゃない。

 問題はこれから。どうやって生きていこうという話だ。

 奇跡的に生きていた人たちに付いて、近くの街に行く。正直希望が持てないが……


 予想通り、そこには防壁さえも瓦礫となった街の姿があった。

 いや、ここまでやるか普通?

 魔王や四天王が攻めてきたってレベルだぞ。


 とりあえず難民として入れてもら…えなかった。

 どうやら周囲の村あちこちがこんな状況で、街で受け入れる余裕が無くなってしまったようだ。まじかよ




「ふざ、けるな・・・!」


 か細いというのもはばかられるくらい小さい声が口から漏れる。

 しかし、その内面は激情に渦巻いている。


 何の説明もなく理不尽にこの世界・この少女に転生させられ、理不尽にすべてを失い、暴力に晒され、見捨てられる。


 前世のことはよく覚えていないが、ここまで酷い状況は無かったはずだ・・・無かったと思う。


 あの女の助けは来ない。

 いや、環境は整えた、あとはご自由にと言っていたから、そもそも助けなどあるはずがない。


 つまりはこのまま死・・・死ぬのだ。


 なぜ、なぜ、なぜ


 ・・・


 ・・・死にたくない。


 ・・・死にたくない。


 ・・・死にたくない!


 せめて死ぬとしてもあの女に一矢報いてからだ!


 だから、死ぬわけにはいかないのだ!!!


「条件達成。スキル『傾国の聖女』を獲得しました。」

「これよりスキル取得者への報酬を付与します」

「報酬付与による世界最適化中・・・」

「・・・最適化が完了しました。世界を再起動します」


 がばりと体が跳ね起きる。

 何か、声が聞こえた。

 スキル・・・の所得?報酬の付与?

 なんか、体が元気になったような・・・


 手を動かす(なんか手も普通に動くな)

 そこには先ほどまでの骨のようになった腕はなく、年相応の健康的な腕があった。


「!?」


 腕の変化に驚き、体が跳ねる。


「もしかして・・・」


 手で顔から体、足と全身をぺたぺた触る。


 普通だ。

 普通の少女だ。


 嘘だろ。何があったらこんな風に・・・


 いや、一つ思い当たる。

 先ほど空耳だと思ったスキルの取得だ。


 聞き違いじゃなければ『傾国の聖女』と言っていた。

 あの女が言っていた例のスキルだ。


 まさか、と思ったが、そういえば条件達成とも言っていた。

 そして、取得報酬。

 飢餓も病気もなく、健康的な肉体に急に変じたのが取得報酬だと・・・思う。

 そして、条件。はっきりしないが、この報酬から逆算すると、あのような状況にならないと達成できない条件ということだろう。

 死にかけという状況・・・ついでに死にたくないという意思か、あの女、いや、神への反逆の意思を持つといったところか。

 なんだこの条件は。鬼畜すぎるぞ。


 くそっ、あの女に踊らされた感が半端ないが、取得した以上は生きるしかない。

 目指すはあの女を一発ぶん殴ること。

 そのために世界を巻き込んだとしても俺はやってやる。

続かない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ