深い山の中を大型トラックで走った話
一昨日のことですが、仕事で鳥取県の南部町というところから岡山市のど真ん中をめざして大型トラックを走らせました。
これ、初めてのルートだったんです。
南部町からのスタートはいつものことなんですが、いつもならそこから下道なら岡山県倉敷市か、岡山県の和気町か、どちらかへ走ります。
岡山市のど真ん中に下道で行くのは初めてのことでした。
いつもそのルートなら岡山道〜山陽道を使うのですが、社長が『下道で行ってくれ』とのこと。
社長に道を聞いても絶対わかりません。説明があまりにわかりにくいので、時間の無駄なことがわかりきっています。
倉敷市か和気町へとりあえず降りてから岡山市のど真ん中へ向かってもよかったのですが、それだとかなりの大回りになります。
とりあえず、ナビを入れました。
万一わからなくなっても、吉備高原都市から総社へ抜ける道と、津山から山陽IC入口に抜ける道なら知っているので、心に保険もありました。
ただ、昔に乗用車でそのへんを走って、乗用車でも道がめっちゃ狭かった記憶があるので、不安はありました。
岡山県の真庭市まではすんなり行けました。
ナビの通りに走って問題ありませんでした。
しかしナビは結構バカなので、信用してはいけません。
なるべく先の予習をしながら、狭い道に入り込まないよう気をつけながら、大型トラックを走らせました。
問題は落合ICを過ぎてからでした。
途中で右に曲がれば吉備高原都市を抜けて総社に出られることは知ってる。
でも遠回りになります。道も狭めでアップダウンがきつい。
まっすぐは行ったことがない。
でもナビはまっすぐ行けと言ってる。
ここでコミュ障でなければ同僚の誰かに電話して、どう行くべきか聞くことでしょう。
私はコミュ障なので、誰にも聞かず、トラック通行困難などの標識もなかったため、ナビを信じて、岡山市のど真ん中までの最短距離の、まっすぐを行くことを選びました。
どんどん道が狭くなって行きました。
確かにトラックが通行できない道ではない。
でも、対向からトラックが来たら、かわせない。
乗用車が結構走っていて、すれ違う時にはどちらかが止まらないとすれ違えない。
トラック来るなー
トラック来るなー
そう、心の中で念じていましたが、そもそもトラックが通った形跡なし。
木の枝がバンバン飛び出していて、ミラーを擦ります。トラックが他にも通っているならトラックの形に木が避けて生えているはずです。しかし野生のままの形に生え放題。
皆さん知ってらっしゃるんですね。ここを大型トラックで走るやつはバカだということを。
狭くなったり広くなったりを繰り返す山道を、ゆっくり走りました。
途中、ナビが『300メートル先、右折です』と言いましたが、見ると大型トラックが走ったら落ちてしまいそうな弱そうな橋。スルーしました。
一応県道〜国道なのですが、そうとは思えないほどの酷道。乗用車さん、こんなでっかいのが迷い込んでしまってごめんなさい。
それでも延々ずっと『大型通行困難』の文字はなく、深い山の中を走り続けました。
ふと気づくと周りは鮮やかな紅葉。
コンクリートの防壁さえ黄色く色づいていて、天気もよくて、爽やかな風も吹いています。
これが大型トラックじゃなくて自転車で来てたなら、しばらく動きを止めて深呼吸したいところ。
止まることなどもちろんできず、狭い道を走り続けました。
崖下はどうやら美しい渓谷。見とれる暇ありません。
強風が吹いて、黄色い落ち葉で視界を塞ぎます。感動してる場合じゃありません。
集中して走り続けて、ようやく国道53号線に出ました。
ナビの到着予定時間より約20分遅れ。
もうあの道は大型トラックでは絶対に走りませんが、いつかまた自転車で行ってみたいと思いました。
予習せず、誰にも聞かなかった自分が悪いことはわかっています。
ただ、これだけは言わせてください。
あの道、絶対に『大型通行困難』の標識、いる!
たまに知らない土地で、広い道をすいすい走っていたら、いきなり道路が狭くなって、まっすぐは大型通行禁止、右へ行けば大型通行困難みたいになることもあります。
戻るのも延々と戻らなければならず、仕方なく通行困難のほうへ行ってみたら大型の車幅ギリギリの未舗装道路になって、ガードレールもなく、私の人生ここまでかと覚悟したことが一度ありました。
まぁ、まともな会社なら有料道路を走らせるのだとは思いますけどね!