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1 プロローグ



私、先日、お金に目がくらんで幼馴染みと婚約破棄しました。

やっちゃったーって、ヤツです。

だって、お金が必要だったんですの。


先日、お金が必要だった私の元へ、遊び人の息子にしっかりした嫁をとりたいトレーニ伯爵から、婚約の打診がありました。

トレーニ伯爵家の一人息子フィリップ様のあまりの遊び人ぶりに、貴族の結婚は政略とはいえ、出来れば幸せになってもらいたいのは親心というのもの。

伯爵家と釣り合う家から、相手にされなかったのでしょう。

格下の子爵家の我が家に、打診があったのです。


1学年上のフィリップ様は、確かに遊び人。チャラ男でした。

華やかな容姿、国内有数の有力貴族の跡取り、剣術に優れ成績も優秀であれば、寄ってくる女性は掃いて捨てるほどいる。

彼は来るもの拒まず、遊び歩いた。数々の女性と浮き名を流し、学園の『いつか刺されるんじゃないかと思う人』ナンバーワンと噂されていた。


――そういえば、私もちょっかいを掛けられた事があったけ。

きっと幼馴染みの婚約者に夢中で振り向かない私が物珍しかったのでしょう。



一旦いったんは婚約者が居るとお断りしたのだけど、婚約破棄の違約金も払うし、うちにもそれなりの支援を行うと言われ、いろいろ考えて婚約を了承することにしましたの。


で、「金持ちの伯爵家の跡取りに乗り換えるから、婚約破棄したい」って言って、逆上した幼馴染みの婚約者に、パチコーンと頬を叩かれました。

侍女のアンナには、泣かれましたけど、しょうがないですわね。


わたくし、お金に目がくらんで幼馴染み婚約者を紙くずのようにポイポイと捨てて、お金持ちの伯爵家の跡取りに乗り換えた悪女ですもの。叩かれても仕方ないわ。

血も涙もないのですわ。



それでも、どこかの遊び人なんて、キッチリシメて、上手く転がして、ちゃんと幸せになるつもり。

だいたい、貴族の結婚なんて家同士の政略なのよ。愛なんてないの。

お金で買われた結婚。

でも、お金を受け取ったからは、わたくしイレーヌ、婚約者としてキッチリ務めさせて頂きますわ。

おほほほ。


扇を握りしめて高笑いする私を、扉の影から父と弟が心配そうに見つめていた。


お姉ちゃん大丈夫だから。ちょっと悪女の気分よ。気分だっただけだから……

そんな目で見ないで(恥)





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