神様のお仕事
「じゃあまず前に10歩歩いて」
裸足で真っ直ぐ歩く。目隠しをしているので前が分からない。
「次に右に3歩」
「左斜め前に7歩」
「うーん、あと半歩後ろに下がって」
どこからともなく声が聞こえてくる。いったい誰なのだろう?
「よし、そこだ。そこで指示があるまで待っておいて」
ゆっくりと座ると紙がカサカサと動いた。どこからともなく紙の上を歩く音が聞こえる。
それは近付いてきたかと思うと鳴り止んだ。
しばらくすると、上の方から誰かが言った。
「2016年11月29日21時15分。今君たちが座っている場所が生まれる故郷です。その座標を心の座標として、大切に生きてくださいね」
そして僕たちは世の中へ落とされた。
神様って意外に堅実的な仕事してるんですね。