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第55話 燕返し

 セイジとジュウメイはじりじりと間合いを詰めていく。

 両者とも足をぴたりと地に付け、すり足で近づいていく。


 その両者の動きがぴたりと止まった。間合いはおよそ3m。これ以上は一触即発の間合いに入ることになる。

 セイジは正眼の構えのまま、ジュウメイも下段の構えのまま数秒見合った。


 やがてセイジが正眼の構えを解いた。いつもの刀を右手にぶら下げる……無形の構えに戻った。そしてすっと左足を一歩踏み出した。

 左足だけ相手の間合いの中に踏み入れた。それ以外の体は間合いの外に出している。

 再び見合いが始まった。




 一足一刀の間境(まざかい)でセイジは動きを止め、ジュウメイに向けて斬撃の気配を放出する。

 打つぞ! と誘いをかけていた。

 が、斬撃の気配を出しても、ジュウメイは乗ってこない。下段の構えのまま、じっと見据えている。冷たいくらいに乗ってこない。


 さてどうするか……。


 セイジと言えど、うかつに斬り込める相手では無かった。

 ジュウメイは低い下段に構えていた。小さな体を丸め込み、剣を地に付くほど低く構えている。その姿は猫科の動物を思わせる様な、しなやかな丸みを帯びた構えだった。


 斬りづらい……セイジが一目見た感想だった。


 戦いは大きい方が有利、というのは試合の話である。殺し合いになってしまえば小ささが有利だと言う事も多い。

 ジュウメイは160cmにも満たない小男だ。その小さな体を丸め込み、更に小さくなって構えている。


 剣には高きより低きの方が有利、と言う言葉がある。

 斜面に立って同時に斬り合った時、高地の者の剣が届く前に、低地の剣の方が、相手の方に早く届く。

 高地の者は上からしか狙えないのに対し、低地の者は腹でも足でも狙うことが出来る。距離に絶対的な有利が生まれる。


 ジュウメイは小さな体を利用することによって、平地で高地低地を作り出した。セイジの刀が届く前にジュウメイの剣が届く。斬り下ろせば剣で受け、薙いだら地に転がって足を狙ってくるだろう。

 試合では足を狙えば「卑怯」となるが、死合いに卑怯もへったくれもない。生き残った方が正義である。


 更にジュウメイは攻める気配を一切見せていない。セイジが動いたところを叩く……つまり後の先、または後の後を狙っていた。

 ジュウメイは体を小さく揺らし、斬撃の起こりを作り出していた。じっとしているよりも、小刻みに動いている方が動き始めが早くなる。セイジが動き出せばいつでも応じられる様に身構えている。


 普段だったら左右に動き、相手の隙を窺うのだがそれも出来ない。斬り捨てた黒装束やスケルトンの残骸を多く転がっている。足下に気をつけながら歩くのは不可能だった。

 こうなると完全にお見合い状態となる。セイジは動けず、向こうは動く気が無い。先に動くのを待っている状況となっている。


 だが……こうして何時までも見合ってはいられない……。


 状況はセイジが圧倒的に不利だった。

 セイジの回りに味方がいないのだ。やや突出しているため、レナードやロウガはもちろん、エミリーナの兵隊や傭兵達もいない。近くにいる者達も自らの戦闘に手一杯でセイジの方に回れる者はいない。

 獲物を探してうろついているスケルトンが何時襲ってくるか解らない。いかにセイジといえども、襲ってきたスケルトンとやり合いながら、ジュウメイと戦うのは不可能だ。


 この距離では魔法も使用出来ない。使うそぶりでも見せればジュウメイの剣が飛んでくる。

 数分後、数秒後にはセイジを見つけたスケルトンが向かってくるだろう。それまでに決着を付けなければならない。ならないが……、


 こりゃあ、八方塞がりだな……。


 どう考えても無理だった。斬り込むスペースも無ければ、イメージも浮かばない。

 セイジはぺろりと唇を舐めた。しかし、絶望的な状況にもかかわらずその顔はどこか笑っていた。


 

 

 ほほほ……誘っておるのお……。


 ジュウメイは目を細め、セイジを見据えていた。


 あっさりと間合いの中に足を踏み入れた。もっとも入ってきたのは左足だけで、他は間合いの外に出ている。そして、セイジは体から斬撃の気配を放っていた。

 普通の者ならば恐怖に身を引き攣らせるほどの気迫だった。相手が冷静を失い、攻めてきたところを斬るのだろう。

 だが、ジュウメイはその気迫をやり過ごす。セイジが誘いをかけてきているのが解っていた。


 ジュウメイがセイジを上回っているモノ、それは老獪さと経験だ。今まで30年近く暗殺の世界に身を(やつ)した男に、偽物の気迫など通用しない。そしてその気迫をやり過ごす術も身につけていた。

 こうされると、気迫をかけている方に焦りが生じる。攻めるぞ、攻めるぞ、と必死に訴えているのに相手が微動だにしないのだ。


 気迫をかけるにも体力と気力を必要とする。結果疲れ果ててしまったり、焦って無理に攻めるのは自分と言う事になる。

 セイジは相変わらず斬撃の気配をほとばらせている。もっとも、その表情に焦りも疲れも一切見られない。


 凄まじいモノだ……これほどの者と対峙したことなど何時以来のことか……。


 ジュウメイは下段に構えたままセイジを見上げていた。セイジの剣気が装束を抜け、肌をぴりぴりと叩いている。


 ジュウメイは戦闘が始まってから、しばらく戦闘を上から眺めていた。

 めぼしい者は3人しかいなかった。左で暴れている老戦士、右にいた槍の若い男、そして中央で刀を振るっていたセイジだ。

 左右の男達も相当の手練れだろう。しかし、セイジはその二人よりもはるかに強い。間違いなくこの場にいる者の中で一番の脅威だった。


 ジュウメイは黒装束達を集め、風車六芒陣を仕掛けさせた。ばらばらと骸骨共と共に攻めていたのでは埒があかないと判断したためだ。

 その風車陣もあえなく敗れ去った。初太刀を躱したのも見事だったが、まさか魔法を使用するなど、ジュウメイも想像だにしていなかった事だった。


 剣技だけでも超一流にもかかわらず、魔法も使用出来るというのか!?


 ジュウメイは目を見張った。物語に登場する勇者の様な男だ。間違いなく自分よりも実力は上だ。正々堂々では勝ち目はないだろう。

 だからこそ黒装束達が次々と斬り捨てられてもじっと身を潜めていた。セイジにあえて斬らせ、ほっと息をついたところを斬ろうとした。

 これも看破された。ジュウメイからあふれ出たわずかな殺気を感じ取り、セイジは身を翻したのだ。


 普段ならばこの時点で逃げる。ジュウメイの仕事は力比べではなく暗殺だ。勝てると思った時にしか仕掛けることはしない。分が悪くなったらあっさりと引く、それが鉄則だった。


 しかし、ジュウメイは引かずにセイジに戦いを挑んだ。

 今の状況が自分の方が有利だったこともある。が、理由の一番はそれではない。


 逃げてもしょうが無いからだ。


 先程セイジから「狙いは何だ?」と問われた際に「狙いなど無い」と答えた。

 それはある意味、本当の事だった。


 メルドム襲撃に確固たる狙いなど無い。法皇の始末などある意味どうでもいい。

 この戦いは死ぬための戦いだった。ただ死ぬだけでは面白くない、メルドム住民も巻き添えに散ってやろう。そういう腹だった。


 法皇の、そしてエミリーナ達の目の前で、住民を虐殺する。自分達の死に場を作ると共に、エミリーナに自分達の最後の力を見せつける。ただそれだけだった。

 その結果イーストと戦争が起ころうが知ったことではない。自分達を捨てたイーストに対する意趣(いしゅ)返しでもある。


 それら諸々のことも、今のジュウメイにとってはどうでもいいことだった。

 最後に至上とも言える男を討つ。ジュウメイの今の目的はただそれだけだった。


 さあ、どうする若いの。何時までもそうしてはおれまい……。


 ジュウメイは下段に構えたまま、じっくりとセイジを見つめていた。






「ガアッ……!!」


 セイジの後方にいた兵士が悲鳴を上げた。目の前のスケルトンに集中して、背後から迫ってきたもう一体に気が付かなかった。気が付いた時には既に遅く、首に強烈な一撃をもらってしまった。


「ライ! おい、ライ!」


 近くに居た仲間の兵士が呼びかける。だがライと呼ばれた兵士は既に返事をすることは出来なかった。

 ライの手から剣がこぼれ落ちた。首根から黒い血を噴出し、崩れ落ちる。


「ライ! ライ! くそっ、ライがやられた!」


 兵士が喚く。その兵士も別のスケルトンと戦っている。その場にいる他の兵士も同じだ。


 ライを仕留めた2体のスケルトンが激しく歯を噛み合わせていた。声は出ていないが、笑っているのが解る。獲物を仕留めた歓喜の咆吼だ。

 やがてスケルトンは辺りをきょろきょろと見回し始めた。次の獲物を探している。

 その動きがぴたりと止まった。2体のスケルトンは肩を並ばせ歩き始める。

 空洞となっている眼窩(がんか)がセイジをじっと捉えていた。

 

 


 来たな!


 ジュウメイの位置から2体のスケルトンがセイジを狙って歩いてくるのが見えた。これでスケルトンと挟み撃ちにすることが出来る。セイジは動かざる得ない。

 セイジもまた背後からスケルトンが迫ってきているのを感じていた。距離まではっきりと感じ取っていた。


 スケルトンは急ぐことなくゆっくりと歩み寄ってくる。セイジは振り向くことなくジュウメイをじっと見据えている。ジュウメイもセイジをじっと見据え離さない。

 二人の間に緊張が走る。気迫の質が変わり、鋭く肌をつつく様な殺気に変わった。二人の間の空気が、触れれば斬れるほどの鋭敏なモノへと変質していく。

 スケルトンとセイジの距離が詰まっていく。セイジとジュウメイは動かない。


 そしてその距離が10mほどに達した時、戦いの幕は下りた。




 先に動いたのは、やはりセイジだった。

 空いていた左手が閃いた。素早くダガーを抜き、そのままジュウメイめがけ投げつけた。


 早い!!!


 まさに神速の動きだった。

 ダガーはまっすぐの軌道ではなく、上から打ち下ろされる軌道を描いている。ジュウメイの頭部ではなく胴体を狙っていた。急所を無理に狙うのではなく、どこでもいいから当たれ、という狙いだ。


 ジュウメイはダガーを躱すことは無理と判断した。だが、十分なスピードを持った刃渡り30cmのダガーを食らえば致命傷になる。

 ジュウメイが下段の構えから剣を上げ、飛んできたダガーを弾く。その間にセイジは高い八相に構え、一気に詰めてきた。


 ダガーを投げ、下段に構えていた相手の体を起こさせる。そして上段から斬りつける。これがセイジの策だった。

 セイジは間合いを深く詰め、上段から斬り下ろした。例え剣で受けられようが、相手が反撃してこようがかまわなかった。剛刀胴田貫ならば、受けた剣も斬れる。もちろん胴田貫もただでは済まないだろうが、それでもかまわない。


 反撃を食らっても、受けようとも、かまわず斬断して見せる。

 怒濤(どとう)の寄り身、反撃を恐れない相打ち覚悟の上段斬りだ。

 だが……。


 外したわ!!


 ジュウメイはダガーを受けつつ、セイジから一時たりとも目を離さなかった。そしてセイジの斬撃の瞬間、素早く下がった。一瞬で間合いを外したのだ。

 見てからでは遅い。考えてからでも遅い。セイジの斬撃の起こりを察知し、斬り下ろしと同時に下がって見せた。

 それは30年間、修羅場を潜り続けてきた本能の動き。セイジの寄り身も尋常ではなかったが、ジュウメイの躱しも尋常ではなかった。


 勝った!!


 ジュウメイの目が勝利を確信し、歓喜に歪んだ。

 拳一つ分の間合いを外した。セイジの唸りを上げるほどの鋭い斬撃が目の前を通過する。途中で止めようとも止めることは出来ない。刀は確実に地を咬む。

 ジュウメイは剣を振り上げようとした。その時、セイジの動きが変わった。


 刀の斬り下ろしに合わせる様に、セイジの体が前傾した。そのまま片膝を地に突く。

 何だ? とジュウメイが思った次の瞬間、驚きで目を大きく見開いた。

 まっすぐ振り下ろされた刀が地を咬むことなく、地表すれすれに真横に流れていた。だがそれは一瞬だけのこと、


「おおおおおおっっっっ!!!」


 地を揺るがす雄叫びと共に、セイジの体が爆発した。前傾した体が、刀と共に跳ね上がってきた。斬り上げとは思えないほどの剣速を持って、剛刀胴田貫が昇ってくる。


 剣先がジュウメイの胸を(えぐ)る様に斬り裂き、そのまま天に抜けた。小柄なジュウメイの体が衝撃でふわりと後方に浮き、そのまま仰向けに倒れた。それほどの勢いを持った斬撃だった。

 セイジは刀を引き寄せ反転すると、後方のスケルトンに斬りかかった。




 ……何故だ? 


 仰臥(ぎょうが)し天を仰いだまま、ジュウメイはぼんやりと考えていた。

 胸から肩までざっくりと斬り上げられていた。傷口から血が噴出しているのを感じていた。深く斬られているため逆に痛みはない。

 致命傷だ、と感じていた。もはや体を動かすことすら出来ない。このまま死を待つだけだった。


 何が起きたというのだ……。


 血を失い、朦朧(もうろう)とする意識の中、ジュウメイはその事を考えていた。


 確かに間合いを外した。ものすごい勢いで目の前を通過していった刀が地表すれすれで横に流れ、すぐさま跳ね上がってきた。

 出来るわけがない、と思う。だが実際自分はこうして斬られている。何が起きたのか全く解らない。


 ふと自分の近くに誰がが立ったのを感じた。目だけを向けるとそこにセイジが立っていた。自分の方を注意深く伺っている。スケルトンはもう斬られたのだろう。

 やがてセイジが近くに落ちていたダガーを拾い上げた。そのまま鞘に戻し、去ろうとする。


「い……今……のは」


 ジュウメイが呟いた。もう目の前はぼんやりとしてる。声が出ているのか自分にも解らない。

 セイジがぴたりと動きを止めた。視線をジュウメイに向け、動かなかった。やがて、


「……ヒエン」


 とだけ呟くと歩き去って行った。


 ひえん……そうか、飛燕か。


 飛燕とは剣の斬り方だ。斬っている最中に手首を返し、斬る方向を変える。達人ともなれば斬る角度ですら自由自在に変えることが出来るという。斬る方向がかくん、と急に変わるため、ツバメの飛ぶ様に見立てて飛燕と呼ばれている


 刀の鋭い刃先は空気すら裂く。そのため斬っている途中で少しでも手首を捻ると刀はとんでもない方向にすっ飛んでいく。刃が空気に乗ってしまうためだ。

 セイジは斬り下げながら刀を水平に返した。空気抵抗で斬り下がる力が弱まる。その状態で横方向に力を加えてやれば、刀の斬る力が横方向へと変わる。


 セイジはわずかだけ横に流し、それを上方向に変えた。横に流した力を今度は斬り上げに利用したのだ。結果、凄まじい剣速を持った刀が跳ね上がってきた。

 斬り下げた刀をそのまま斬り上げるのは不可能だ。一度止める必要がある。セイジは力の方向を次々とずらす事によって、止まることなく斬り下げから斬り上げまで持って行ったのだ。


 更にセイジは斬り下げながら前方に体を倒した。拳一個外した間合いがそれで詰まり、ジュウメイの胸を深々と抉ることになった。


 原理は解った。だが出来るのかそんなことが? と思う。


 斬り上げてから横に流し、更に斬り上げる。この間1秒足らず。

 力は当然必要だ。手首も尋常ではない強さが要求される。筋肉も固くては出来ない。

 到底出来るものでは無い。それを実戦で使って見せた。そして自分は斬られ、倒れている。信じる、信じられないと言う話ではない。結果が全てだった。

 

 それにしても……ツバメの軌道どころの話ではないな。


 天高くにいたツバメが急降下し、地表すれすれの獲物を捕らえ反転し、再び天高くに飛翔していく。そんな軌道を描いた斬り方だった。


 さながら燕返りと言ったところか……。


 ジュウメイは笑った。もう目の前は暗い闇に覆われ、何も見えなくなっている。


 いい土産話が出来たわ……。


 がくりとジュウメイの首が倒れた。そのままぴくりとも動かなくなった。




 セイジはクレア達の所に戻った。先頭で守りを指揮していたクラウスの隣に立つ。


「状況はどうだ」


「戦闘不能者が3割と言ったところです。今のところ状況はこちらに有利です」


 上出来だ、とセイジは呟いた。半数残っていれば第2陣も抜けられるかも知れない。

 全てはクレアの魔法次第だ。残っているスケルトンさえ排除出来れば勝機も見える。


 セイジは再び前に出た。その時、妙なことに気が付いた。

 スケルトン達がじりじりと後退していた。何かに怯える様に後ろへと下がっていく。


 闘争本能のみの化け物であるスケルトンが下がっている?


 セイジが考えていると、ふと足下の影が伸びていることに気が付いた。止まることなく、今も伸び続けている。

 後方から強い光が発せられている。回りが昼間の様に明るくなっている。


 セイジは振り返った。

 クレアとリムの居る所から、光の柱が立ち上り、漆黒の闇を貫いていた。

ただいま絶賛めまい中(薬のため)で文章校正が激甘です。

なるべく早く誤字脱字は直します。少々お待ち下さい。

回復のため、来週はお休みかも……

落としたらごめんなさい。

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