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番外編2「晴れたらhappy」

奇変隊の佐倉晴喜主役の番外編です。



 夜半過ぎから雨音が鳴り出したのを覚えている。いつもは強く差し込むブラインド越しの朝の光がひどく鈍いことも、雀の囀りのかわりに落ちる雫の音も。

 そのすべてを通り過ぎ、ぼんやりと覚醒した後に、半目のまま十数分過ぎてから、これ以上寝れないとわかって佐倉三月は上半身を起こした。

 初冬に近い気温だが、全室床暖房を入れた持ち家は温かい。パジャマがわりのシャツがこすれる襟元をぼりぼりとかいて、あくびと伸びをひとつずつする。枕もとの時計を見て自身が消費した睡眠時間を確認し、起き上がった。

 階段を下りて洗面台にたどりつく頃には、家の中に客がいることは気づいていた。仕事用ではないが、完全に家用とまではいかないレベルで身支度を整え、向かった硝子戸を開いた先のダイニングで、案の定、客が二人見えた。

「おはようございます」

「はよ」

「お邪魔してます」

「ん」

「起こしてしまいましたか?」

 丁寧な問いかけに、もう一度こみあげてきたあくびをかみ殺し、違う違うと首を振った。十代半ばをようやく過ぎた年頃なのに、初めて会った頃から妙に礼儀正しく律儀な言動が目に付く少年達だ。

 ちゃぶ台の左横に座るのが、時任。座しても背が高いのがわかるし、姿勢の良さもその上背を際立たせる要因に一役買っている。テーブルの右側につくのが、半田。時任ほど目をひく姿形ではないが、癖のない髪型や物腰は総じて育ちの良さを感じる。

 娘は、二人の真ん中でのけぞって逆向きの顔を向けていた。柔らかな茶色の髪が垂れる顔は、世間一般から見ればよく人好きがする造形と言っていいだろう。

「はよー、ハハ」

 逆さの顔でにへらと笑う。真逆にも感じる娘と少年達が三位一体のようにいる理由は、磁石の作用だな、と勝手に片付けている。机の上に広がったノートや分厚い参考書をちらりと目を落として

「なにしてんだ?」

「勉強です。外が雨なんで遊べなくて」

「小学生みたいな言い方だな」

「課題片付けてたんですけど、途中から部長が隊長教え始めたんで」

 僕も付き合って復習予習です、と半田が笑顔をでつけたす。

「真面目か」

 半ば呆れて息をつき、まだ逆さだった娘、晴喜の背後に立って見下ろした。

「お前が家で勉強してる姿を見るとはなー……」

 影がかかる位置でん? と娘が笑う。

「部長、最近ちょっと燃えてるんですよ。というか、今まで薄々勘付いていたけど開けたらパンドラだったから見て見ぬふりしてきた隊長の震撼すべき学力に気づいてしまった以上、もはや引き返せない」

 ひゅー、部長おっとこまえー。雨の日に捨てられた子犬を拾ってヒロインに目撃されるタイプー! と半田がはやし立てると、空気も読まず晴喜がパチパチパチパチ盛大に手を叩く。

「時任」

「なんですか」

 ちゃぶ台から身を乗り出して半田の額にヒットさせた拳を戻していた彼の、すでに嫌そうな顔を横目に肩に手をおき

「実質婿養子でも、苗字変えなくていいからな」

「なんの話ですか!」

「ひゅー部長、マスオさーん! いけてるマスオさん、略してイケス!」

「晴喜のことは雨の日に捨てられてた子犬だと思え」

「子犬は学力危機に陥らないですよ」

「隊長部長がサザエさんマスオさんなら、僕はタラちゃんで。ですぅって語尾に効果音つきで廊下歩くんで、お二人の養子にしてくださいね」

「そんな未来は死んでも断る!」

「晴喜、明るい老後のためにワンって鳴いとけ」

「ワン!」

「人間やめないで問題解け!」

「サザエが駄目ならタマでもいいか。ニャーもつけたしとけ」

「ニャー!」

「三月さん!!」

 ふと気がつくとせっかくの娘の勉強の場は跡形もなくぶち壊れていた。あれ、と思ってから、まあいいかと対面キッチンにまわり、ドリップコーヒーを取り出すと四つのカップに入れた。

「あいかわらず、三月さん部長押しですよね」

「将来性がある」

 いやあ問答無用の一言で、とミルクと砂糖を入れたカップをすすって半田が言う。

「晴喜がひとりで食い扶持稼げんならいいんだがな。会社勤めはできんだろうし、客商売も世の中、こいつのキャラを面白がる人種ばっかりじゃないだろうし。クレームでもついたら、火に油どころかクレーマー石油タンクにつかんでぶん投げそうだろ」

「いっそ思い切って芸能界デビューとかどうです? 隊長適正ありますよ」

「考えなしが無防備で入ったら骨の髄までむしゃぶられる世界だぞ。――ん? お。そうだ、時任、マネージャーならどうだ」

「俺の人生設計絡めてこんでください!」

 叫ぶ時任の横で、ぎりぎりまでミルクを入れた娘は、カップの縁で揺れる茶色の線を横向きで眺めている。ふと、三月は思い出したように

「そういや、今日は友子と宗二はいないのか?」

「我らがカツオ君とワカメちゃんですね」

「晴喜、お前、友子にふられてないだろうな」

 ないよー、と首を横にふって晴喜は顔をあげ

「篠ちゃんたち、出かけた」

「二人でお世話になっていた施設に挨拶に行くそうです」

「そうか」

 あいつらも律儀だなあ、との感想をコーヒーと共に飲み下す。

 篠原友子と国枝宗二は高校二年になって娘に出来た友人だ。娘の話に二人が登場するようになってから、あまり一貫性がなかった娘達の活動が俄然、方向性を見出して驀進するようになった。色々な出来事を経て、最近はようやく落ち着いたようなのだが。

 果てにすっとんきょうな娘が生徒会役員たるものになっているのだから、いったいどこをどうぶっ飛んだのかとも思うが、そんな着地点もいっそらしい気にもさせられる。

「あそこはいまのとこ、こじれてないのか」

「円満ですよねー。国枝先輩がちょっとブラック見せるときもありますけど」

「おい半田」

「だって、前の合宿の打ち合わせの時。廊下で篠原先輩に「風呂つきだって一緒に入ろうね」って言ったの、あれ、絶対、角に北原元会長がいるってわかってて言ったでしょ」

 持ってたノート全部ぶちまけてたからさすがに僕気の毒で拾うの手伝いましたよ、と半田。

「それがセーフなのか、あいつら」

「いや国枝先輩は、冗談だよ! って否定してましたし、実際合宿でも入ってないですけど。でもそこいら、国枝先輩より篠原先輩の方が何の問題があるのかな、って感じですよね。同部屋でも全然良さそうだったし」

「いや、ちょっと待て――えーと、キタハラ元会長ってのが」

「篠原先輩を好きみたいです」

「一応、お前らの中にもそういう艶っぽい話あったんだな」

「艶というほど光っているかどうかは微妙ですが。結城先輩はもてそうですけどそういう話は聞かないし、京免先輩は友達できた時点で人類にとってはただの一歩でも京免先輩にとっては偉大な一歩で」

「別荘をお借りする許可を貰いに電話したら、ご両親泣いたからな」

「ま、親として気持ちはわかるな。小学校くらいは一番親が気にするところって友人の有無だからな」

「京免先輩高校生ですけどね。あ。そうだ。恋ばなと言えば、いそべん先輩! あれショックでしたよ。結構お近づきになってたと思ってたのにしれっとより戻したって、全然聞いてなかったですよ! だいたいまさかあの二人がと思うじゃないですか。聞いた話じゃ先輩、真上会長ビンタしたってくらいだし。そしたら「責任とる気もねえ女の顔張るかよ」ってかっこいいんだかDV発言なんだかわかんないですよ!」

 きいい、と架空のハンカチを噛み裂く真似をする半田に、なんか色々あんだな、と適当に相槌をなげて。

「親の方はどんなだ?」

 時任が肩をすくめた。

「そこまではなんとも。今日、一緒に出かけた件や、合宿にも特に悶着なく来れてたところを見ても、早々目立った反発はないと思うんですが」

「と思ってたら突然噴き出すのが大人のこじれだからな。また飲み会開いてちょっと様子見てみるか」

「三月さん、本気だったんですか」

「前の時に全員の連絡先とメルアド押さえて親の会連絡網作ったぞ」

「きゃー男前フネさん!」

「ついでに誰か家建てねえかな」

「仕事も出来るー!」

 そこでつとリビングの壁時計を見上げた。「ぼちぼち昼飯どきだな、何が食べたい?」

「にく!」

「時代は肉食系ですね隊長」

「悪いですよ、三月さん」

 即答した娘と迎合する半田の横で、ひとり真顔でいさめる相手に目を細め

「時任、お前それだけ無償で晴喜の面倒見てるのに飯食わせてもらうのも遠慮って、だんだん不憫になってきたぞ」

「それより将来背負わせる不憫さ感じ取ってください」

「特上ステーキにしようか」

「ステーキで人生売りませんよ!」

 吼える言葉を聞き流して腕を組み

「ともかく対人能力がなあ…。勉学はもしかしたらなんとかなるかもしれんが。あたしもなんとかなったし、向こうに似てたらもうちょいなんとかなるだろ」

 その言葉に、部長エアーハンカチ貸しましょうか? いらんわ! とやりとりしていた半田と時任が真顔になって横目で視線をかわし、ちょっと間をおいて。

「隊長のお父さん、ですか」

「そうだな」

「三月さんの夫だから波平さんですか」

「いや籍入れてねえ。だいたい間違ってもあの頑固親父タイプじゃなかったな」

 時任と半田はまたちらりと視線をかわした。「別に聞いてもいいぞ」と言うとまた視線をかわしてからそろって向いた。

「どんな方だったんですか」

 んー、と腕を組んで考える、三月の横顔は少しだけ娘を思わせる。

「明るく楽しい磯野家にはいないタイプ」




 古ぼけたアパートの二階の踊り場にあがると、その部屋の前に彼は立っていた。ノブに触れようともせずに、だらりと手をたらした姿はどこか途方に暮れたように見えた。

 足音で気づいたのか、こちらに向く。とても青ざめた顔をしている。必死に平静を装うとして、でも緊張で見開いた目の端はぴくぴく痙攣していた。こんにちは、と強張った少年は小さな声で言った。消え入りそうな語尾が終わると、少しの間、時間が流れたがうつむきがちの彼は躊躇いながら「初めまして」と口にした。

「引っ越してきたんだ、この……部屋に」

「あっそう」

 その返答は彼の元からたいして大きくもない気を盛大にくじいたらしい。三月にもそれがわかって、面倒くせえなあと見返した。あまり接点がなさそうな相手だし、青ざめた意気地がなさそうな顔は好きになれるとも思わない。それでも同じ棟に住んでいる以上、いくらかの関わりはいやでもしなければならないとわかっていた。

「あたし、三月。みつきはさんがつって書く」

「……僕は、明夫。……あかるい、おっとって書く」

 なんでそんな名前をつけたんだ、とまず思って、あっそう、とまた答えてしまった。あっそう、はダメなんだな、と少年の様子を見て思う。

「三月って呼べよ」

「う。うん、僕も」

 答えて少し躊躇いを見せた後、彼は口にした。

「三月に生まれたの?」

「そうだよ。ほんとてきとーだろ」

 それは否定できなかったのか、彼は黙る。意気地も覇気もなさそうだが、妙なところで素直でその素直さが失礼な奴だ、と思う。




「面白いくらい名前負けしてる男だったな」

 キッチン台の米櫃から透明の一合カップでざらざら炊飯器に移すその姿を、好奇心を剥き出しにしては悪いと思いながらも耳を傾けずにはいられないという顔をした時任、じっと食いつく半田、無邪気で無頓着な表情をのせる晴喜が見守る。

「ガキの頃に同じ安アパートに住んでた縁だ。まあ、向こうは中学、いや小学五、六年くらいの頃か、に転校してきたんで、幼馴染ってのも微妙だな。ただのお隣さんが近いな。別に根掘り葉掘り聞いたわけじゃねえけど、ちらほら流れてくる情報総合すると、これがまた転落人生一直線って感じで、うちのアパートに越してきたのも親が破産して母親だけと別の場所で、ってらしかった。それまで結構いい暮らししてたらしいから、余計悲惨な感じで。高校くらいで父親と連絡がとれなくなったらしくて、母親もなんかめそめそタイプで、身体を壊して実家に帰ったとかなんとかで、気づいたらひとりになってたな」

「気の毒……というか薄幸な方ですね」

 五合入れ終えたところで、よいしょと炊飯器を持ち上げながら三月は「そうかねえ」と独り言のように呟く。

「どうしてですか」

「いい暮らしじゃなかったにしろ、食うに困ることはなかった。貧乏な奴らならその界隈にいくらでもいたし、バイトとかも別にしなくて、それでもそこまで不自由してねえならあたしらの中じゃ上等じゃね、って感じだ。勉強も出来た。それで、晴喜の顔見たらだいたい予想つくだろ、顔形も。その気になりゃ、胸のでかい姉ちゃん引っ掛けていくらでもいい思いが出来た。最後の一事だけで高校大学男子からすりゃ十分すぎるだろ?」

「そんなハードル高い同意求めないでくださいよ」

 僕達お年頃なんですから! と訴えたが、米を研ぎながら「お前、胸ないほうが好み?」と返されて、半田は綺麗に沈黙した。

「そのうちのいっこもねえ奴だってざらにいる。それでも明るく生きてる奴だってたくさんいる。悲劇な自分に酔うタイプなら、ひとつの人生の楽しみ方なんだろうが、それも一向になくてただただ淡々と湿っぽい」

 水加減を見たあと、二人暮しにしては大きな炊飯器に米釜を据え付けて。

「あいつは結局、元の家で元の暮らしをしてても、変わらなかったと思う」

 濡れた指先からぴっぴと水滴を飛ばし、蓋を落とす。

「いるんだよな。徹底的に気力がなくて、蜻蛉みたいに生きてて、でもそれを是ともできない人間が」

 ――三月。

 弱々しくでしか、誰かを呼べない人間が。 




 大学を落ちた時も、母親が消えた時も、妥協だけの就職を決めたときも、彼は同じ顔をしていた。

 いつまでも続く六月のような、雨ばかりで祝日がない月の顔。それでも六月には六月の良さがある。紫陽花は咲くし、持っている傘は役に立つ。かたつむりも嫌いではない。仕事を始めてからは、梅雨を想定に入れて組まれた竣工の予定は緩やかになり、少し気が楽になるメリットも出た。だけどその顔の良さは、見つけがたいものだ。

 肌理細やかな肌に繊細なパーツ、俗に言う不細工とは程遠いそれだろう。けれど見るたびに、その顔で三月と呼ぶたびに、不景気がうつりそうだと思った物だ。

 病いが発覚したのも六月だった。アパートの階段で突然、立てなくなった相手を見つけて、相手の家から生涯初の119番をかけた。

 検査入院にと入った日当たりだけはいい大部屋の窓際ベッドで身を起こした相手の膝に、適当につっこんできた紙袋を投げ渡す。

「着替え」

「ありがとう。世話をかけるね」

「はあ」

 と生返事を漏らす。

「長くなんの」

 問いかけに返事はなかった。視線はさり気なさを装って膝の上の紙袋に向く。かさかさと開いて苦笑した。

「下着まで持ってこなくていいのに」

「むしろ一番いるのがパンツだろ」

 だから三月は、と苦笑しかけてその笑みが不意に消える。

「汚れたら、また同じ紙袋に包んどけよ」

「ありがとう。でも、病院にもコインランドリーがあるから大丈夫だよ」

「あっそう」

 少し間があいた。ちらりと見回してみるが、大部屋に他に人の姿はない。

「三月」

 呼び声に引き戻されて目をむけ、ふとボロアパートの廊下で立ちすくんでいた子どもを思い出した。

「――長くは、ならないと思うよ」

 必死に平静を装うとして、でも目の端を痙攣させていた子どもは病院のパジャマをまとって半身だけを起こす姿に重なった。その時にわかった。

 六月は明けない。




 ボウルからスプーンでひとすくいタネを円形の皮に落とす。ぱたんと二つに折って襞を作りながら閉じ、出来上がった餃子は大皿に順に並べられていく。大皿を囲むようにダイニングテーブルに腰掛け地道な作業を続ける四人の中で

「我慢はしたんだよ」

 よりよりと餃子の皮を指の腹であわせながら三月は続ける。

「あたしも自分が不治の病になったわけじゃねえって一度か二度は」

 呟いてふと三月は時任と半田の指先に目をやった。

「お前ら、うまいな」

「まあ、具を無理に詰めなければそこまで難しくないので」

「ぼろぼろ落ちる」

「隊長は具を詰めすぎですって」

「晴喜に作らせると水餃子にするしかなくなる。――それで食う量半端ねえからな。食い扶持って言っても、常人の倍はかかる。そんなわけだから時任頼むぞ」

「今日はしつこいですよ、三月さん」

「百回言ったらそのうち一回くらいうっかり「うん」と言うかもしれないだろ」

「九十九回のNOを無視してなんでそれで成立するんですか」

「百一回目のプロポーズの武田鉄也はそれでゴールインしたんだ」

「貴重な一回を録音しとけばばっちり言質ですね!」

 すみやかに半田に肘鉄をいれた後、百一回目のプロポーズってなんだと思ったが話がそれるのを察知して時任は

「それで、我慢したんですか?」

「出来うるだけはな」

 その言葉に答えを見つけて、半田と時任は肩をすくめる。

「仕方ねえだろ。ほら、前になんかあったろ、文学賞で、蹴りたい背中っつーの。読んでねえけど、あれ、よくわかる。それでも三回に一回くらいで衝動おさえたんだから立派なもんだろ」

「衝動の頻度がよくわからないのでなんとも言えませんが……。それでそのお父さんですが、えーと。三月さんが結局入院中は面倒を見ていたんですか?」

「他にいなかったからな」

「三月さん面倒見いいですよね」

 あっさり切り捨てそうな性格を裏切り、試験勉強中の自分達の食事を用意したり、頼まれてもいない大人たちの軋轢解消をサポートしたりと、その性質は行動で示されている。三月自身も否定はせずに

「仕方ねえからと腹はくくったが、しっかし、あんまりにも辛気臭くてな」

「まあ、その境遇ではなかなか明るくはなれないですよ。普段から別段暗い人でなくたって」

「それにしても限度がある。ほら、あれだ。この壁のツタが全部散ったら私も死んでしまうの~みたいな。ツタが散る前に頭からきのこ生えるぜ。あんまり辛気臭くて一時帰宅の時だったが三回目に殴ったときくらいにあいつもちょっときれてきたんで「おめーがどこまでうじうじ貫けるか試してやる!」って売り言葉買い言葉でなんやかんやあって」

「は、はあ」

「その末に、こうして今、お前達の前で水餃子にしかならない物が生産されてるわけだ」

「はしょりすぎ!」

 ひょいと何気なく晴喜を示された手に半田が叫ぶ。「完成品がこちらにの三分クッキングじゃないんですから、せめて餃子が全部できあがるまでは続けてくださいよ!」

「つってもなー。そこいら克明に未成年に語るって児相に知られたらアウトじゃね」

 きゃーっ! と黄色く叫んだ半田が何故か晴喜の目隠しをして、時任がため息をつきながら

「お子さんが出来たことで、病床のお父さんに変化はあったんですか」

「あー……。できたぞーって言ったら凄い顔したな。リアル「叫び」みたいな顔で一二時間くらい固まってたな」

「……」

「もうちょっと猶予があったら、生まれてから「こちらに完成品の子どもがー」の三分クッキング形式で報告してもよかったんだが、それをするにはもたなかったし」

「……もっててもその時点で心臓が心配ですよ」

「叫びが終わったら次はすげえ怒ってきたな」

「結構怒るんですね、お父さん」

「こっちにだけ。他の連中には達観やろーだよ。まあ今考えるととりつくろってすかしてたんだろうな。怒った後は放心してた」

 16、17のうら若い身としては突然父親になってしまった男の心境など到底推し量れるものではないが、とにかく気の毒だということだけはしみじみと感じる。

「で放心がしばらく続いたけど、ある日、固い面して誰に頼んだのか書類出してきてな。「籍を入れよう」って」

「おお!」ぐっときたように半田が声をしぼらせる。

「嫌だよ面倒臭いって答えて」

「おお!」餃子を掲げて半田がうめく。

「そこは受けてあげましょうよ」

「やだよ。あいつはあいつで「少ないけれど籍を入れれば貯金を全部合法的に渡せる」とか「シングルマザーより未亡人の方が今後の三月のためにもいい」とかぐちゃぐちゃうるさいし」

「精一杯責任とろうとしてたんじゃないですか」

「そこが暗いんだよ。死んだ後のことをしっかりしとかないときりっする前にまずまともに生きてみろってんだ。しつこいからそれ言い出した日は、名前はお前につけさせてやるからそれ考えてから他のことうだうだ言えって出て行った」

「隊長の名前、お父さんがつけたんですか」

 時任と半田が佐倉を見やると、少し目を離した隙に、こぼれた具をねじって何かよくわからない物体を作っている。

「しばらくぐだぐだ言ってたけど、ようやく名前つけに意識がチェンジして。それからは結構本を読み漁ってたな」

「姓名判断とか言う奴ですか」

「それもあったけど、本当に色々だな。もともと本好きで、特に歴史が好きなんだよ。偉人にあやかるのもいいとか言い出して」

「え? 隊長の名前って誰かモデルがいたんですか」

「まあ。聞け」




「先人のことを調べているんだ。名前付けのいいエピソードになるかと思って」

 その膝にあるのも厚い単行本。傍らの小机に積み上げられているのも本だ。表紙にラベルが張っているのに気づくと移動図書館が来てくれるんだ、と補足した。

「幕末なんか面白いよ。みんな思った以上に若くして大事を成し遂げている。吉田松陰や坂本竜馬は二十代三十代で亡くなっているのに」

「んなら、男ならりょーまで女ならりょーこな」

「いや、そうじゃなくて」

「しょーいんは古めかしくないか? しょーこならありか」

 一瞬なんとも言えないように口元をひくつかせた後、相手はため息をつき

「三月はどうしてそう短絡的なんだ」

「三月に生まれたから三月って名前をつけられた奴に洒落たセンスなんか期待するな」

「僕も人のことは言えないけれど」

「お前は見事に名前負けだよな」

「こうなった以上、三月に言われるといっそうくるね」

 ため息混じりの一言を吐いた後、

「だからこそ、しっかり考えてあげようよ」

 そう言う相手を、こういうところが相容れないんだろうな、と思いながら三月が口にせずいると、気を取り直したように机の上の本を取り上げて付箋が張ったページを開いた。

「ほら、高杉晋作なんかは二十七で亡くなってる。ぼくらとそう離れていないのに、教科書にも載るんだね」

「よっぽどパワフルな奴だったんだろうな」

「彼も病気で早世したんだけれどね。――でも。前向きなのは確かだったみたいだよ。「おもしろき こともなき世を おもしろく」って時世の句を残してる」

 三月と気が合ったかも、とかすかだが笑みを向けた相手は、顎に指をあててなにやら考え込んでいる様子に首をかしげた。どうしたの、と問う前に三月は眉を寄せて

「しんこはちょっとな…」

 一拍置いて。

「だからね!」

 思わずあらげてしまった口元を押さえ、その手をすべり落として深々とため息を吐いた。



「しょーこかりょーこかしんこだったんですか?」

「しんこ……」

 時任が呟いてちらりと晴喜を見た。飽きたのか今は餃子を横一列に並び替えている。それを見ながら時任は妙に納得したように

「初めて会ったときは失礼ながら、維新志士の時世の句なんてこいつがよく知ってるな、と思っていたんですが、お父さん譲りだったんですね」

「いやそれは面白いから勝手にあいつの時世の句だってことにして教えたんだけど」

「なにしてるんですか!」

「ちゃんと原典も教えといてお前のとーちゃんぱくってたってのも入れといたから恥かくことはねえよ」

「え、でも違うんですよね。言ってないんですよね」

「うん」

 悪気ひとつない顔でうなずいた三月を前に、まだ見ぬ父への同情だけがつのり

「うかうか三月さんより先に死ねない……」

「なんでそんなことしたんですか」

「だいたいはノリとなんとなくだけど。んー、まあ、晴喜に語る父親エピソードがろくなのがないってのもあったかもな。お前の父親はじめじめ六月みたいな奴だったって言うのもどうかだろう?」

「いい面見ましょうよう。頭が良くてイケメンなパパだったって言えばいいじゃないですか」

「そこは本人の圧倒的なネガティブさがうつったかもな。お前らみたいにポジディブならそこが落としどころだろうが」

「俺はポジティブですかね」

「お前は割り切りって感じだな。理性的に考えて落ち込んでも仕方ないだろ、って判断するから落ち込まない。ポジティブってのはあれだ。コップに半分牛乳がある。それを見て「まだ半分ある」と思えるのか「もう半分しかない」と思うのか」

「僕は「まだ」ですね」

「……ただ半分あるな、と」

「あいつは満杯でもこれを飲んだらなくなってしまうんだ、ってため息つくタイプだった」

 そこで三月が立ち上がって冷蔵庫をあけた。パックを取り出してコップに注ぐ。「ほら、晴喜」

「ありがとー」

 白い波が揺れるコップを娘は受け取ってくいっと一息で干した。

「おかわり!」

「次は自分で入れろ」

 素直に席を立った晴喜にたいし、特にコメントはなく座りなおし、

「で、名前は結局のところなんで晴喜になったんですか?」




 半年が短いのか長いのかはわからない。余生として考えれば圧倒的な前者だろうし、病に持ちこたえた期間としては後者にもなろう。

 六月はとうに過ぎ去ったが、からりとした夏も実りの秋も通り過ぎて、抜けきれぬ冬の寒さに天気もぱっとしない。けれど、その時は雨上がりの空に日が差していた。容態が悪いと連絡があったのでやってきた病室で、病人は静かに横たわっていた。

 パジャマの襟元からわずかにのぞく、さらに薄くなった胸がかすかに上下するのを見て、眠っているのがわかる。傍らの丸椅子にすとんと腰掛けた。

 周囲に看護士や医師の姿はないので、呼びつけていてなんだかな、と軽く思った時、不意にむくりと腹部が蠢く感覚がした。皮膚の一枚下で白魚が動いているような感覚の後に、内側から外側にむかってぐ、と強めの圧迫がきた。元々が細身だったせいか、少し大きな服を着ればまだ膨らみは人に気づかれるほどではない。だが、動きは活発だ。服の上から腹に手をあてると、感じ取ったのかもこもこと動いた。

「――三月?」

「ん」

 呼ばれて反射的に返事をした。閉じられた眦が瞬く。やがてゆっくりと目を開いた相手は

「大丈夫?」

 その言葉につかの間、きょとんとしてから。

「お前が言うなよ」

「お腹、押さえてたから。座ってなきゃダメだよ」

「中で動いてただけだ」

「よく動くね」

 やっぱり男の子だね、いやでも三月のこと考えると女の子もありかな、と呟いて彼は口を閉じた。

 その手を伸ばして初めて触れたときも、目前で横たわる相手は男の子だと言った。そのときは特に感慨もなく受けたが、いまふと、頭をよぎったのはボロアパートの廊下で立ちすくんでいた姿だ。青い顔をしてノブに触れようともせずに、立ちすくんでいた男の子。

 少しの沈黙を三月はそう思い返して待った。相手がたったそれだけの会話で切れた息を整えるのを。

「――三月」

「ん」

「カーテンを開けてくれないかな」

 うなずいて、三月は立ち上がった。もう歩くどころか上半身も起こせない、この状態ならさすがに悲観主義では片付けられないだろう、と諦めもつくのかもしれない。

 一気にカーテンを開くと光がこぼれおちてくる。白い床とシーツに落ちた日差しは強い。病人の弱さもまた照らすだろう、と思った。けれど背後でかすかな声が漏れて三月は振り向いた。窓の外を見ていると思った視線が、いつの間にかこちらを見ていた。

「晴れていると、なんだか嬉しいね」

 強い光は白い顔にあたり、予想通り憔悴そして終わりが迫る影をもすべて照らし出していたけれど、顔には微笑があった。

「――明夫」

 呼んだ名は、知らず強く響いた。驚いたように目を瞬かせる相手に

「ガキの頃にお前に会ってから今までで、一番いい発言だったぞ」

「……?」

「晴れて嬉しい、結構じゃん。いやでもいつか晴れんだから、尽きないネタだろ。それなら年中喜んでられっぜ。なんにも嬉しくない楽しくないって面してたお前にとっては上等だ」

 六月だって晴れの日はあるしな。明るく笑う三月をしばらく真顔で眺めていたが、小さな息を漏らし相手は目を伏せた。

「三月の子どもはきっと幸せになるよ」

「そうかあ? そうとう適当な親だぜ」何気なく呟いてふと思いついたように「そうだ。子どもの名前はそれにしようぜ。晴れて喜ぶで晴喜でいいだろ。男でも女でもいけそうだし」

 一瞬きょとんとして、そして意味がゆっくりと浸透してきたように、じわじわと仕方なさとどうしようもないおかしさを覚えたように彼は笑った。笑いが咳になってもその咳の中で繰り返した。

「きっと、子どもは幸せになる」




「結局お父さんが名前つけてないじゃないですか!」

「まあ些細なことだ」

 腕を組む三月に、自身が言う『適当な親』の手本を見たような顔をして時任は顎をひく。

「ま。そんなわけで晴喜が生まれて名前も晴喜になったってわけだ。おしまい」

「え?」

 半田が思わず声をあげた。

「後は死んで終わりだよ。死に際もあたし、いなかったからな」

「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ」

「旦那さんは娘を見れたんですか?」

「ちょっと間に合わなかったな。胎動は始まってたから腹越しに蹴ったことはあるぞ。父親」

「きっくー」

 晴喜が勢いよく右足を突き出す。

「こんなに強いなら男の子だね、って言ってたな。それも外れたな。あいつ勘も悪い奴だったよ」

「最後まできてもなに一つとしてお父さんのいいところを聞いてないんですけど……」

「ねえもん。顔ぐらいしか」

「容赦ない!」

 からから笑う三月に、とことん希望を折られ続けながらも半田は未練がましく

「もうちょっといい話だなーとか甘酸っぱい話も聞きたいですよ。いい話オチかと思った名前は結局三月さんが決めてて、甘酸っぱ話は単に三月さんがダメンズウォーカーだった、じゃ……」

「人聞きわりいな。別にダメな奴を好んでたなんて悪趣味ねえって」

「じゃあ、なんなんですか。まさかの「ただしイケメンに限る」ですか」

「いやあいつの顔そんなに好きじゃなかったしな」

「余計わからないですよ」

 すると少しだけ考え込み鼻をこすって

「ん。まあ。押しに弱かったって奴だな」

「お相手が?」

「あたしがさ」

 そこで三月はテーブルに手をついて立ち上がった。

「雨もやんだみたいだし、肉仕入れてくる。待ってろ、餓鬼ども」

 財布を持ってきびすをかえす。唐突な話の終了に咄嗟に引き止められない半田と時任の間で、ふとテーブルに頬をつけたままの晴喜が

「ハハはチチが、好きだったのかー?」

 娘の問いに、佐倉三月は目をぱちくりとさせてからにや、と唇の端をつりあげた。

 そのまま廊下の向こうに消えた三月を見送ってから、残された高校生三人はしばし沈黙して。

「なんかはぐらかされたような」

「三月さんは三月さんの言葉で全部喋ったが、俺たちがそれを翻訳できるかは別という感じだな」

「えー、ちょっとわかんなくなってきたんで整理させて欲しいんですけど」

 出来るか? 整理、とすでに諦めモードな時任の横で、うー、あー、と半田がちょっとうなった後。

「隊長はこれでいいんですか」

 並んだ餃子にラップをかけて、二人そろって見つめると机にほっぺをつけていた佐倉がにいと笑う。もう少しあくどさをつければ、先ほど母親が残したものと極めて性質の近いものだ。

「……いいらしいです」

「晴れて喜ぶ娘だからな」

「雨も好きー」

 また笑った晴喜に半田もちょっと諦めたように

「名付けも一周まわって名は体を現す感じになったんでしょうね。なんだかんだ言って隊長らしい、いい名前だとは思います」自分にもよく言い聞かせるように呟いてふと半田は思いついたように「隊長は三月さんがお父さん好きだったと思いますか?」

「うん」

 屈託ない即答に、半田もあれと呟いて時任も少し意外そうに眉をあげた。

「なんでそう思うんですか?」

「ハハはー、チチと似てるって言ってた」

「どなたがですか?」

 ん、と自分を指した晴喜に、半田と時任が顔を見合わせて首をひねる。

「三月さんが隊長を好きだから、いやえーとそうじゃなくて。三月さんはお父さんと似てるから隊長が好きってことですか」

「んーん」

 首を横にふって「ぎゃく」と晴喜が告げる。半田は完全に首をひねった。時任はため息をつく。

「三月さんの言葉というより、佐倉家語が難解なんだな」

「部長……今後ともがんばってくださいね」

 僕は「ですぅ」でしのぎますから、と囁く半田に、時任は肩に置かれた手をひねって無言で寝技に持ち込んだ。




 慌しい足音と掛け声を耳にして目をあける。人工呼吸器が外される感覚をわずかに覚えた。そばにいる誰かが口早に「急いで奥さんを呼びますから」と言った言葉が妙にはっきりと聞き取れて、は、と笑いのつもりで息を吐いた。

「奥さんじゃ、ないんです。なってくれなかった。ひどいですよね。自分の我は通すくせに、僕のはほとんど却下して。ひどい人です。僕の生き方もぼろくそ言うし」

 咳は少しおさまった。けれどその小休止は、これから激しくなっていくだろう前ふりだとわかっている。そしてどんなに急いで連絡したとしても間に合わない、それもわかっている。ぐるぐる酩酊する世界で天井を見上げて口を開き続ける。

「もともと僕にとって三月って不吉なんです。父が事業に失敗したのも三月で、母が消えたのもその月でした。受験に失敗したり就職が決まったのは、みんなそうかもしれないけど。今だってこの通り。本当に三月は散々です」

 辛気臭いと六月を言うなら、こちらにだって言い分があったのだ。始まりを控えた三月はいつも新しい不幸しかもたらさない。

「でも」

 死の間際に思い出がまわるというなら、それを選択できてもいいと思う。お互いの背が小さくなって顔もまたあどけなくなって、そしてアパートの廊下に戻る。十年以上住んでいた、まだ住んでいる、あの廊下に。

 新しい部屋のたたずまいも、新しい街の様相も、何もかもが受け入れられずに青い顔をして佇んでいた。不意に相対した、ぶっきらぼうな子どもはいかにも怖くて。これから続く暗い日々の象徴のように思えた。見るもの何もかもが絶望しか感じないそこで。でも、友好的なものを見つけられないその子に相対して何かをしなければ、と小さく思ったのだ。一直線に沈んでいく中で。踏ん張ったのだ。これから長い時間をすごすのだからと。

 実際にそれは長かった。想像したよりずっと。春夏秋冬。一月二月三月四月。誰が消えても、あのボロアパートでぶっきらぼうな子どもはそのまま大きくなって。唐突に悲しみが噴き出した。暗いあの廊下から始まりこの時まで細々とでも続いてきた日々。もうそれは続かない、そのことがずんと迫る。胸の痛みを逃そうと意識を他のことに向けた。

 手をあてるとふっくらしたことがわかる腹の中から蹴ってきた感触は、それらしいことを言ってはみたが正直なところピンとこなかった。彼女は腹部に手をあてて、あの意味不明な理論でこれでも辛気臭い面をしてんのかよ、と啖呵をきっていたけれど。仕方ない。父親の実感など生まれてみるまでない、と本でも語られていた。だから結局、ボロアパートに佇むのはひとりだ。いつもひとりだ。ぶっきらぼうな子ども。ぶっきらぼうな大人。

 遠いどこかに沈む瞬間。最後に訪れたのはおかしさだった。充足にも近い、おかしさだ。咳と共に血の味が溢れ、それを吐き出し笑う。暗いと罵られた、冷めた目を向けられた、だからダメだと言葉で態度で百万回は食らった。でも。満杯のコップにため息をついても、六月がいつまでも続いても、それがある限り自分の底に横たわるものは決して変質しない。

「三月が一番好きだ」

 晴れた日差しが照らす彼の三月は、しょうがねえなと腕を組んで笑う。







 完


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