表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

七話

飛行機の中では雄はアイマスクをして寝ていて、私は会話がないだろうと思って本を持ってきていた。

本は恋愛もので…二人は愛し合っていた…だけど互いの両親は二人の事を反対していた。

でも二人は両親から反対されても付き合い続けて結婚までしたお話…。

私達と正反対の二人に憧れて買ってしまった…

後で後悔した。だって読んでる途中で哀しくなってくる…。私は雄の横顔を見てそんな事を思っていた…。

3時間後にハワイに無事着くと出迎えしてくれたのは外人の綺麗な女性二人だった。

その人達から泊まるホテルまで案内してくれた。

ホテルに着き雄と私はチェックインして部屋にいく。


「凄い…スイートルームだぁ…」


部屋がいっぱいあって二人だけじゃ広すぎ。


「二人だけじゃ広すぎだね…」

「……別に…」


雄はそれだけを言うとどっかに行ってしまう。

どこに行くか声をかけたけど、なにも言わなかった。

きっと寝室かもしれない…ずっと飛行機の中だったから疲れたのかもしれない、そう思った。

ちょっと私も眠くなってきてしまい、寝室を探し見つけ、ドアを開けて私の目に映ったのはシングルベットだった。

もしかして一緒に寝なくちゃいけない?

家では別々なのに…ここでは二人で寝なくちゃいけないのね…

だけど、寝室に行ったであろう雄の姿がない。寝室じゃなかったら何処に行ったんだろう?

テラスとかかな?

私はテラスに行ってみたいけど、断られたらどうしょうと思う。

なんで来るんだよ…とか言いそう…でも雄がテラスにいるか確かめたい…雄の居場所を知りたいと思い、テラスに行くとやっぱり雄は居た。

声をかけたかったけど、雄の居場所が分かった事で良くなった私は寝室に戻った。

一時間程眠って隣を見ると雄は居なくて、もう一度テラスに行っても雄は居なかった…

雄が何処で何をしているのか分からないと不安になってくる…。

他の所を探してみる。トイレ、リビング、キッチン…いろんな所を探したけど、見当たらない…

何処に行ったの?寂しいよ…雄…。

すると、外に行っていたらしい雄が何か手にビニール袋を持って帰ってきた。


「ど、何処に行ってたの?」

「…ビール買いに…」


なんだそうなのね…そう分かった途端に足に力が入らなくなり、床に座ってしまった…


「おい!」


雄は私の傍に寄ってきて、身体を支えた。


「…ゴメン…なんか雄の顔見たら安心しちゃって…」

「………」


雄は何か言いたそうにしてたけど、私はなにも聞かなかった…


「…そうだ♪一緒に海辺に行かない?」


私は断られる覚悟で雄に言った。

雄は一瞬目を丸くしたけど、安心したように…


「…あぁ…」と呟いた。


えっ!今のって返事だよね?行くって意味だよね?


「待ってて!今着替えて来るから!」


私はそう言い残して水着に着替えに行った。

嬉しくなってガッツポーズをした。

水着に着替えて水着の上からパーカーを羽織り、ズボンを履いて雄の所に向かい、海辺に行く。

楽しみ♪でも雄は水着とか持って来たのかな?

雄は海で泳ぐのかな?そんな事を思いながら雄を隣で見ていた…


海辺に着くと、家族や友達、カップルが多くいた。

外人は凄く美人で身体が細い、日本の男性は外人の水着姿を鼻の下を伸ばして見ている…

もしかしら雄も…なんて雄を見たら、雄と目が合い

私は俯いた…もう一度雄を見たら、やっぱり外人の水着を見ていた…外人と私を見比べてた!?

ショックだなぁ…私も水着なんだけど…可愛いとか言ってくれないかな?

言うわけないか…こんな醜い私の水着なんて…


やっぱり雄は海に入らず、パラソルの下に居た…

もう女の子なんじゃないんだから…

こうなったら、1人で遊んでやる!

私は海でいっぱい泳いだ。そして少し休憩しようと海から出ようとしたら…


「あれ?もしかして日本人?」


若い男性が私に声を掛けてきた。

海でもナンパは付き物だから仕方ないのかもしれない…


「なんかオレ1人でハワイに来たから、今1人なんだよね♪もしかして君も1人でハワイに来たのかな?」

「まぁ…旦那とかな?」

「かな?って曖昧じゃん♪てか君可愛いね♪今からオレと一緒に泳がない?」

「私今さっきいっぱい泳いで疲れたから、もう帰ろかな?なんて思ってるから、じゃあね♪」


早くナンパ男から逃げたくてその場から離れようとしたけど、男は私の腕を掴んで止めた。


「だったら、一緒に疲れを取りにスパに行こうよ♪」


はぁ…この人ナンパの常習犯ね…盛っていきかたが上手いもん。

そんな男に私は落ちるわけないじゃない。


「ごめんなさい…」と口から出そうになった時に誰かに腕を掴まれ、フワリと誰かに抱き締められた…

私は首を動かし後ろを見ると…


「雄!」


ナンパ男をギロッと睨むと…


「うちの妻に何か用事でもあんの?あるんだったら俺が聞くけど?」


私の頭の上から雄の怖そうな声が聞こえてくる…

その言葉を録音したいぐらい雄の言葉にドキドキしてくる。

ナンパ男は舌打ちをすると居なくなった…

雄は私から離れ私の手を握りしめ歩きだした。

雄…もしかして怒ってる?

私がナンパ男と一緒に居たから…

嫉妬…なのかな?そう信じちゃっても良いのかな?

雄の後を着けながらそんな事を思った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ