三話
どれだけの時間が経ったのか、部屋は真っ暗になっていて、リビングからは声が聞こえない…
ベットから降り、鏡を見ると泣いたせいで、メイクが落ちてパンダになってる…
しかも髪もボサボサ。
これじゃ人前に出れない…ていうか雄の前に出れない…。
私はメイクと髪型を直し部屋を出た。
するとソファーに雄の背中が見えた…
少し頭を上げている…まだビールを飲んでいるらしい。
私が居なくなってからも飲み続けてるのかな?
酔わないのかな?
そう言えば、雄の事まだ知らない事だらけ…
ちょっとずつ知りたいけど、どうしたらいいのか分からない。
「…何?」
「…えっ!」
いつの間にか雄はこちらを見ていた。
「何か…話があるでしょ?」
私と目が合ってすぐ反らされる。
「ううん…何でもない…」
「…あっそ…」
「うん…お休みなさい…」
「………」
うん、返事ないのは分かってた。
いつもの事だし…気にしない…
「あっ!ビール飲み過ぎないように」
私はそれだけを言ってお風呂に入りに行った。
そう言えば湯いれてなかったんだっけ…何やってんだろう…私のバカ…
お湯をいれてなかった私はお湯をいれて入る事にした。
「お湯が沸きました」と機械の声が聞こえ私は服を脱いだ。
お風呂に入ると疲れがとれる。
だけど今日は疲れがとれない、ちょっとダメ…
私は頭がクラクラして意識を飛ばした…
「………あれ?私……どうして部屋に?」
目を覚ますとそこは見慣れた天井が私の目に映る。
あれ?私お風呂にいたはずなのになんで?
服も着てるし…誰が着替えさせ…
雄!?どうしよう!裸見られたかもしれない!?
落ち着け私!夫婦なんだから裸見られたって恥ずかしくなんかないよ…
って恥ずかしいに決まってんじゃん!
どうしよう!顔合わせられない…
するとドアが少し開き…顔を覗かせる雄。
私は恥ずかしくなって私は布団を被って寝たふりをした。
どんどん雄の足跡が近づいてくると私の近くに止まった。
どうか寝たふりがバレませんように!
そんな願いも悲しく…
「寝たふり…」
完全にバレてしまって、私は仕方なく顔を出した。
雄を見上げると、怒ってるように見えてどこか安心したような顔を浮かべていた。
「あの…その…」
ありがとうが言いたいのに、さっきの事が恥ずかしくて、言い出せないでいると、急にベットがギシッと軋み雄が私の目線に合わせてきた。
ドキッと胸が高鳴る。
こんなに近くで雄を見たことがないから、ドキドキが止まらない…
雄って顔のパーツが整ってるんだ…
鼻筋が通ってて、唇も薄くて、目も奥ぶたえ…
こんなにカッコいいんだ…
「……おい」
はっ!雄の声で我に返ると、私は目を反らし小さく呟く。
「何ですか?」
「なに、恥ずかしがってるか分かんないけど…具合が悪いのに長風呂入るなよ……それだけだから…」
それだけを言うと部屋を出てく雄…を見送ると、溜め息を吐きベットに横になる。
雄が心配してくれる事が嬉しくてにやけてくる。
嬉しかった…何よりも私の事を心配してくれるなんて…一生忘れない。
そんな思いを胸にしまい就寝した。
明日もいい日になりますように…