十五話
次の日の朝は寒くて布団から出れなかった…。
「……ん…」
雄が起きたのが分かった。
「雄?」
「……」
雄に声を掛けるも何の反応もしない…でも起きてる…だって無意識に私を抱き締めてる腕が強まって私をもっと雄の方へ引き寄せてる。
そんな雄の仕草にドキドキしてくる。
あともう少しだけこうしてたい…そう思ってる時間が幸せに感じる。
でもその幸せな時間を終わらせる電話が鳴る…。
「…はい…」
起きあがると電話に出た雄。
真剣になる雄の表情がカッコいい…。そんな顔の雄を見つめてると、赤めらた雄がいて、シーツを私の頭に被せられられた。
そして雄の会話に耳を傾けた。
「離婚弁護を…」
離婚…。雄って離婚弁護もやるのね…
大変そう…雄はやるのよね…
「はい、分かりました」
戸惑いなく雄は返事した。
電話を切ると私に身体を向ける。
「明日、行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい」
笑顔で返事をすると、雄も笑顔で頷いた…そして私達は甘い時間を過ごした…。
そして次の日の朝になり、雄は仕事に出掛けた。
雄が帰ってくるまでに、掃除、洗濯を始める。
そして、家事を終わらせると、夕飯の買い出しに出掛ける。
ドアの鍵をかけた時。
「あら、お出掛け?」
「あっ明美。夕飯の買い物に出掛ける所」
「奇遇ね。私もなの」
私と明美は、一緒に買い物に行った。
買い物が終わり、明美と近くのコーヒーショップに寄り、話題は雄の事になった。
明美には、私達の事を伝えていなかったから、丁度いい機会になった。
明美も良かったと言ってくれた。
明美に色々相談して良かったと思う。まさに持つべきものは友達ね。
私は明美と別れて家に帰った。
帰って夕飯の支度する。
すると…電話が掛かってくる。
出ると、雄の声だった。
「どうしたの?」
「…今日、遅くなるから先に寝てていいから…」
「そっか…ご飯は食べて来るの?」
たぶん食べて来るとは思ってたけど…。
「あぁ…ごめん…」
「あ、謝らないでいいよ…仕方ないもん…仕事だから…」
せっかく作ったのになぁ…
そんな事言えるわけない…。
「もしかして…ご飯作ってたか?」
「ううん!今、作ろうと思ってたけど、ちょうど雄から電話掛かって来たから…良かった…」
「………」
うん…作っちゃったんだけどさぁ……。
「そっか…じゃ仕事に戻るから、鍵掛けておけよ。夜は危ないから…」
「うん…分かった。雄も無理しないでね…おやすみ」
「おやすみ…」
私は電話を切った。
どうしよう…二人分作っちゃった…。
私、1人で食べれなさそう…。
……いっか…明日に取って置こう…。
私は作りすぎたおかずを取っておき、1人で夕飯を食べる事にした。
その頃…雄は…弁護の資料に目を通していた。
「雄。奥さんに連絡した?」
「したよ…夕飯、作ってたみたい…」
「そうだよな…急に残業だもんなぁ…」
雄は知っていた。
由梨が夕飯を作っていたという事。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
早く帰って、ご飯を一緒に食べたいと思うのであった。
雄が仕事が終わって、家に帰って来たのは、日付が替わった1時だった。