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プロローグ

 あたり一面暗い闇に覆われている。――いや、広い広い宇宙が広がっているというべきか。いつからか当たり前のように存在しているその空間に、一人の男が立っている。

「上出来だ。……おや、これだけでは命は続かないか。少々骨が折れるが仕方ない」

 長い一枚の白い布をまとった男は両手を勢いよく合わせ、ゆっくりと開いていく。その手の間には、米粒程度の小さい青と緑の球体が出来ていた。ソレ(・・)はどんどん大きくなっていき、次第に見覚えのある球体――、地球へと姿を変えた。男はその球体の上部に広い土地を作り、2体の樹と草、食べ物、それから男の人間と女の人間を一人ずつ作った。

 男はその人間に言った。

「私の姿に似せた作った命よ。男、お前をアダムとし、女、お前をイヴとする。お前たちにはひとつ守らなければいけないことがある。あの2体を命をはってでも守りなさい」

 男は丘の上にある2体の樹を指す。ちょうど太陽の眩しい光が当たっていてその樹はよく見えなかったが、二人の人間は大きく頷いた。

「それより二人共……恥ずかしいから服を着なさい!」

 男は恥ずかしげに顔を赤らめる。その発言で人間二人も恥ずかしそうに服を着た。

「アダム、しゃべれるかい?」

「うん」

「こら。分るだろう?私には敬語を使うんだよ」

「……はい」

 アダムは嬉しそうに笑った。その容貌はとても穏やかで、とても可愛らしい。

「イヴも言葉がしゃべれるね?」

「はぁ~いっ!」

「元気だね。イヴは」

「へへ~」

 おてんばな性格のイヴは性格とは違い、容姿はとても美しく「大和撫子」という言葉が合いそうだった。

「二人とも、よく聞くんだ。私の名はヤハウェ。ヤハウェ・エロヒム。この世界は私が作った。ここにあるものは、私、アダム、イヴ、私たち三人で好きにしていいんだ。あと、もし私に何かあったら……全力で助けてくれ」

 そう言って男は仕切りなおすように咳払いをすると、妖しい笑みを浮かべる。

「それでは私の世界を作ろうか――――」

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