転生喪女は悟る。生まれ変わってもゴリマッチョLOVE。
皆様の心が少しでも落ち着きますように。
「シーリー・ターリアー侯爵令嬢。貴様との婚約を破棄する。貴様は──」
「はい、喜んでー」
婚約者である公爵令息の言葉に間髪入れずに返す。
私は前世でたくさん読んだ異世界転生をした元喪女だ。
男の好みはモリモリの筋肉質な男性。
柔道選手、消防士、格闘家。
細マッチョ? いいえ、乗りに乗ったゴリマッチョ。そんな筋肉こそ正義! という感じの男性が好みだ。
だが、目の前で見苦しくも喚く公爵令息はガリガリのひょろひょろ君。
記憶が戻って最初に会った時、ショボーンとしてしまって、お帰り頂いた後寝込んでしまった。
そんな訳で婚約破棄されるのは大歓迎なのだ。しかも、相手が言ってくれたから円満解消か、相手有責にできるかもしれない。隣に令嬢がくっついてるからね!
「聞いているのか」
「はいもちろん。婚約破棄後はそちらの令嬢と婚約されるのですか?」
「そうだ。貴様がいじめ──」
「それは、ようございますね! 私はぜひ応援したいと思っておりますわ。とってもお似合いですわね。可愛らしいカップルですわ、うふふ。それで……お付き合いはいつからです? まさか付き合いもなく婚約破棄しようなんて思いませんものね? もう愛し合われているのですか?」
「そうだ、私たちは愛し合っている」
「まあ、素敵。皆様、愛し合うお二人に拍手を〜」
私が拍手をすると周囲から拍手が起こる。
これで、ここにいる人達が証人になってくれるだろう。
「愛らしい一つのカップルが誕生しました事に、心よりお祝い申し上げますわ。ですが……」
「なんだ?」
「時期がよろしくありませんわね。まだ婚約中でしたのにすでに愛し合っておられるとのこと。不貞、ですわね? 貴方様の有責での婚約破棄となりますので、慰謝料を請求いたしますね?」
「違う、貴様が彼女をいじめたから」
私はキョトンと婚約者を見る。
「本気ですの? こんなにもお祝いしておりますのに。未練なんかさっぱりこれっぽっちもありませんのに。わが侯爵家はこの婚約が無くなったとしてもな〜んの不都合もありませんもの。そちらと違ってね」
「あ……」
「今まで援助しました資金に慰謝料を追加して請求いたしますのでよろしくお願いしますわね」
婚約者がすっと顔面蒼白になるがどうにもならない。
「皆様、お騒がせして申し訳ありません。余興はここまでとなります。もしかしましたら、本日のことをお伺いすることもあるかと思いますのでご協力くださいませ。では、わたくしは婚約破棄の手続きがありますので失礼しますわね」
「まっ、待ってくれ」
「お二人の幸せを陰ながら応援しておりますわ。それではごきげんよう」
私はルンルン気分で会場を後にした。
その後婚約破棄はサクッと終わった。
相手の令嬢に興味もないからどこの誰かも知らないけれど、そちらにもちゃんと慰謝料請求した。
そして、私は少なくないお金を手にした。
婚約破棄をされた私には瑕疵がなくても傷がついた。
私にとってこれは何の問題もなかった。
「私、冒険者になるわ」
そう決めたから。
筋肉ムキムキマンは社交界にはいない。
騎士ですら細マッチョ。
私が求めているのはムキムキゴリマッチョだ。
だから、ゴリマッチョを求めて冒険者になる!
家族の反対を押し切り、私はゴリマッチョを求めて冒険の旅に出る!
「待ってなさい、ゴリマッチョ!」
そして、私が出会ったのは北の侯爵家次男の筋肉全振りゴリマッチョだった。
強い方々と優しい旦那様に出会って私は幸せになりましたとさ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
北の侯爵家のお話です。次男です。
思いつきで書いたので、いろいろ不備があるかと思いますが、お許しください。
侯爵令嬢ですが、じゃあ冒険してくるねーって出掛けて行ってゴリマッチョ次男と出会って、理想のゴリマッチョー!って結婚するので爵位問題なく婚約→結婚になります。
婚約破棄した公爵令息はその後公爵家の家名に泥を塗るし、家が立ち行かなくなって爵位落とすしかなくなるし、で家から追い出されると思います。浮気相手の令嬢も爵位無くなって働きに出されるんじゃないかな。
以上、楽しんでいただけましたら幸いです。
またお会いできますように。
ありがとうございました。




