第4.5話:《ミルク日誌|学園生活記録Vol.1》
《ミルク日誌|学園生活記録 Vol.1|4/1|天気:くもりのち晴れ》
入学して、環境は一気に変わった。
それでもミルク日誌だけは、節目ごとに変わらず続けようと思う。
これがなくなると、自分がどこに立っているのか分からなくなりそうだから。
ワクワクするようなミルクやチーズ作りができることを、今はまだ素直に期待している。ていうか、期待させてほしい。
世界は目まぐるしく変わるけど、僕は僕らしくあれたらいいな。
さて、まずは初日。どうだったか。
端的に言えば——「最悪」だった。
波乱といってもいい。
いや、やっぱり最悪って言いたい。
適性テストで英雄たちは暴走するし、その流れで自爆騒ぎまで起きて、最終的に僕は闇属性の烙印を押されることになった。
ほんと、さんざんだよ。
唯一、良かったこと……いや、マシだったことがあるとすれば、テンションのやたら高い男子生徒に声をかけられたことだ。
馴れ馴れしいし、うるさかったけど。
でも、ああいう雑音があるだけで、人は少し救われるらしい。
少なくとも、僕はそうだった。
学園生活、波乱の予感しかしない。
あー、牛さんに会いたい。あの、胸の奥に響くみたいな低い鳴き声が、もう恋しい。今のこの気持ちを、ミルクに溶かして保存できたらいいのに。
これからどうなるかわからないけど、どうか牛神さまの導きがありますように。
無事に何事もなく卒業できますように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《ミルク日誌ログ》
■成果(酪農)
・特になし。
■学園(環境)
・校長は寝坊して遅刻。新学年への挨拶はスキップ。やばい学園の匂いがする。
・入学初日の適性テストで自爆騒ぎ。結果、闇属性の烙印。やめてほしい。
■人(関係)
・絡んできた橘橙馬は、相棒呼びで馴れ馴れしいが、悪いヤツではなさそう。
・ヴィオレッタさんだっけ。むせるとセイセイセイの人。たぶんこの人も悪い人じゃないと思う。綺麗で変な人。
・こっちを観察してきたあの女の子、何か聞きたいことがあるのかな。
・もうひとり声をかけてきた人がいたけど、名前なんだっけ。脳みそツルツルの人。どんな顔をしてたのかも忘れそう。まあいっか。
■異常(兆候)
・鏡で見たアレは何だったんだろう。疲れていただけなのかな……。まあいっか。考えてもわかんないし。
■食(関心)
・セントルファープレミアムミルクが気になる(要:入手。絶対入手!)
・値段は200mlで4銅貨。普通のミルクの3倍くらいで、少し高めなのが逆に期待できる。
・街中か学園の食堂で買えるらしいが、昼には大体売り切れるらしい。どんだけおいしいのよ。期待が膨らみすぎる!
■資金
・所持:金貨4枚、大銀貨2枚、大銅貨2枚、銅貨4枚
(=最小ソル換算 42,024ソル)
・家賃:10銀貨(=1,000ソル、都会の家賃高っ!)引き落とし:毎月末
・せっかく10金貨貯金したのに、学費で合計6金貨飛んだの痛すぎる。
・牧場が欲しい。お金の許す限り購入する。
■次の一手(ToDo)
・牧場の相場を調べる。
・プレミアムミルクを入手する。




