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ウンチのウン子

作者: Rice field
掲載日:2025/12/05

これは、便所でお弁当を食っていたときの話だ。

別に、一人が好きなだけで、いじめられてたとかじゃないけど。ここなら誰とも目をあわさずに済むから。

三階の男子トイレには滅多に人が来ないし、心地よい。まして大便器のある個室、もっと言うと二つある個室の奥の方が僕のお気に入りで、狭くて、暗くて、それは僕だけの絶対安全地帯だった。

僕はよくここで静かな昼休みを過ごしていた。けど、その日は静かじゃなかった。


突如として僕は、耐えがたい腹痛に教われた。そういえばココのトイレは使ったことなかったな、とか思いながら、ベルトをはずして、ズボンを下ろし、便座に腰かける。

それはすごい快便だった。さっきまでのキリキリとした痛みはどこかに飛んでいった。

このウンコは大物だ、と確信した僕は、股の隙間からそれをチラリと覗き込んだ。目があったのはそのときだった。そのウンコには顔があった。それを顔だと認識し終えると、それはゆっくりと口を開いた。

「僕を殺すのは、君なんだね。」

そのときの感情を表す言葉を、僕は知らない。驚きでも恐怖でもあったし、嬉しさと興奮があった。

「君は誰?」

「さぁね、僕はウンコだと思う。まぁ、知らんけど。」

そう返されたとき、僕の中の「人間」の定義が曖昧だったことに気付いた。

「殺すってったって、殺しようがないよ。」

「流せば死ぬよ。」

「いや、どういう仕組み?」

「知らない、ただ、君が今僕を流せば僕は死ぬ。それはなぜか知ってる。」

「殺していいの?」

「僕が生きてる理由が無いからかな、君と違って生に対する執着が無いんだ。」

「僕も生きてる理由がないけど、死ぬのは怖いよ。」

「それは君に生きるべき理由があるからだよ。今はそれに気付けていないだけで。さぁ、僕を殺してよ。ウンコを流すだけだよ。いつもやってるでしょ。」

「君は死にたいの?」

「べつに死にたい訳じゃないけど、死ぬしかもう残ってないからね。」

彼の目には光も闇もなかった。

「僕の友達になってよ。僕友達いないんだ。」

気付いたら、僕はそう口にだしていた。彼は驚いていた。僕は続けた。

「僕は君を殺さない。」

「そっか。」

とだけ彼は答えた。

「じゃあ、また明日。」

僕はトイレを後にした。


どうやら隣の人は出ていったらしい。まったく。僕のお弁当タイムを騒がしくしやがって。ていうか、トイレで誰かと電話でもしてたのかよ、気持ち悪い口調で一人でブツブツ言いやがって。

もう昼休みが終わりそうだったので、僕はトイレを後にした。そのとき、例の個室の大便器の中のウンチが流されていないことに気付いた。

「まじかよ、アイツ流してないじゃん」

親切な僕はそれを流してやった。

この作品を読んでくれた方、本当にありがとうございます。

小説を書いたのはこれが初めてなので、読みにくかったりする箇所もあったかもしれませんごめんなさい。

あわよくば小説の執筆を趣味にしたいなー(だってカッコいいじゃん??)とか思ってるので、これからも投稿するかもしれません。そんなときは、ぜひまた手に取ってくれると嬉しいです。

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