第7話:KAIフェスへの逆襲
佐藤ハルトは、アパートの部屋でノートパソコンを前に緊張していた。StreamStarでの登録者数は950人に達し、目標の1000人まであと一歩。だが、ライバルKAIの「KAIフェス」が今夜開催される。
大手スポンサー付きの豪華イベントで、ゲストライバー、限定グッズ、プロの演出と、ハルトの小さな「ファン感謝祭」とは比べ物にならない規模だ。
KAIのXポスト「@HaltStreamの感謝祭?ダサすぎw 本物のエンタメ見せるぜ」が頭をよぎるが、ハルトは拳を握った。
ハルト「規模じゃ負けるけど、熱量なら負けねえ!」
「視聴者総力戦」トーナメントは大成功だった。
視聴者数400人、登録者950人と、ハルトの「史上最低」な魅力は視聴者の心を掴みつつあった。
ユナの助言「金じゃなく、アイデアと熱量で勝負しなよ」を胸に、ハルトはKAIフェス当日にぶつける対抗配信を企画。
「史上最低ライバーの逆襲フェス!視聴者と一緒にKAIをぶっ倒せ!」
企画は三部構成:
①視聴者がハルトの配信をリアルタイムで「演出」する「視聴者プロデュースショー」
②「バトルクロニクル」の視聴者参加型乱闘バトル
③ハルトが視聴者と作った「逆襲のテーマソング」を初披露。サムネイルは、視聴者投稿の「ハルトがKAIの王冠を奪う」イラスト。
拙いが、闘志が溢れるデザインだ。
夜7時、KAIフェスと同時刻に配信開始。ハルトはミナミに選んでもらった白シャツとキャップ、100円ショップのLEDライトで簡易照明をセット。カメラに向かって叫んだ。
ハルト「よお、みんな!史上最低ライバーの佐藤ハルトだ!今夜はKAIフェスにガチンコ勝負!俺たちの熱量で、KAIをぶっ倒すぜ!視聴者のみんな、コメントで一緒に盛り上げてくれ!」
視聴者数は開始10分で300人。コメント欄は「ハルト、KAIに勝て!」「逆襲フェス、最高!」「視聴者パワーでいこう!」と熱狂。KAIフェスの公式配信は視聴者5万人だが、ハルトの配信にも注目が集まり始めた。
ハルト「まず、みんなに俺の配信をプロデュースしてもらうぜ!演出、トーク、なんでもいいからコメントで指示して!」コメントが殺到。
「BGM変えろ!」「ハルト、ダンスして!」「背景にハルトストームのロゴ!」
ハルトは視聴者の指示に従い、100円ショップの紙で作った「ハルトストーム」ロゴを背景に貼り、フリー音源のアップテンポなBGMを流す。ダンスリクエストには「マジか!w」と笑いつつ、ぎこちない動きで挑戦。コメント欄は「ハルトのダンス、流石史上最低w」「でもクセになる!」「ロゴ、ダサカッコいい!」と大盛り上がり。視聴者数は350人に増加。
次に、「バトルクロニクル」の乱闘モードで視聴者10人を招待。
ユナがボイスチャットで参加し、戦略を助言。
ユナ「ハルト、視聴者と連携してKAIの動きを真似てみて。挑発しつつ、隙を突くの」
ハルトは「よっしゃ、KAIの高速コンボ、俺もやってやる!」と叫び、視聴者の「左にダッシュ!」「ハルトストーム発動!」という指示で奮闘。
ユナの「KAIのコンボはリズムが命。タイミングずらせ!」という助言で、敵チームを翻弄。結果は3位だったが、コメントは「ハルト、めっちゃ成長してる!」「ユナ、頭良すぎ!」「KAI、ビビっただろ!」と熱いムードに。視聴者数は400人に。
最後に、ハルトが視聴者と作ったテーマソング「ハルトストーム・アンセム」を披露。歌詞は視聴者投稿の「ダメでも諦めねえ」「みんなで世界一へ」を基に、ハルトが音痴なりに歌う。「♪史上最低、でも熱量No.1! ハルトストームで突き進め!♪」音程はズレまくりだが、コメント欄は「ハルト、泣ける!」「アンセム、最高!」「KAIフェスより心ある!」と感動の声。
視聴者数は450人に達し、登録者は1000人を突破。コメントは300件超。
配信後、ハルトは興奮で震えていた。「登録者1000人…マジか!みんな、ありがとう!」Xでは「#ハルトストーム」が再びトレンド入り。KAIフェスの視聴者5万人には及ばなかったが、ハルトの配信は「心がこもってる」と話題に。一方、KAIのXポスト「@HaltStream 1000人?可愛いな。俺のフェス、10万いいねだぞ」が届く。ハルトは悔しさを噛み締めつつ、視聴者の「ハルトの方が100倍熱い!」というリプライに救われた。
翌日、コンビニのバイト中、ミナミが興奮気味に話しかけた。
ミナミ「ハルト、1000人おめでとう!Xでめっちゃバズってる!KAIフェス、豪華だったけど、なんか冷たかったって声も多いよ!」
ハルト「マジ?でも、KAIの10万いいね…やっぱすげえよな…」
ハルトは複雑な表情。
そこへ、ユナが店に現れた。
ユナ「ハルト、逆襲フェス、良かったよ。KAIフェスは派手だけど、視聴者との距離が遠い。あなたの配信、視聴者が主役だった。そこが強み」
ハルトは目を輝かせた。
ハルト「ユナ、ありがとな!じゃあ、次はもっと視聴者を主役にすんぞ!」
すると、タクがバックヤードから飛び込んできた。
タク「ハルト、ユナ!俺の視聴者も増えたぜ!50人から100人に!ハルトのフェスのおかげ!次、もっとデカいことやろう!」
その夜、StreamStarから通知が届いた
「次世代ライバーランキングバトル」開催の告知だ。登録者1000人以上のライバーが対象で、KAIも参加予定。ハルトはギリギリ条件を満たし、エントリーを決意。だが、問題が一つ。ランキングバトルは個人戦で、視聴者投票と配信クオリティで順位が決まる。
ハルトのゲームスキルやトーク力では、KAIに太刀打ちできない可能性が高い。
ハルトはユナに相談。
ハルト「ユナ、個人戦って…俺、ゲームもトークもまだダメじゃん…」
ユナはクールに答えた。
ユナ「ハルト、視聴者との絆を信じなよ。KAIは一人で戦ってるけど、あなたには視聴者がいる。次は、視聴者が主人公の配信を考えてみて」
ハルトは閃いた。
ハルト「視聴者が主人公…!じゃあ、視聴者が俺の配信を丸ごと作る企画はどう?」
翌日の配信で、ハルトは新企画を発表。
「史上最低ライバーの視聴者主役バトル!ランキングバトルへの挑戦!」
視聴者が配信のテーマ、ゲーム、トーク内容を決め、ハルトが実行。サムネイルは視聴者投稿の「ハルトと視聴者が手をつなぐ」イラスト。配信開始時、視聴者数は500人。
コメントは「ハルト、ランキングバトル優勝だ!」「視聴者パワーでKAI倒せ!」と熱狂。
ハルトは「みんな、俺の配信、全部任せるぜ!KAIに勝つために、最高の企画作ってくれ!」と叫んだ。
登録者は1100人に。
ハルトはノートに新たな目標を書き加えた。
「ランキングバトルでKAIを倒す。登録者2000人」
史上最低ライバーの逆襲は、視聴者と共に新たな頂点を目指していた。