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怪盗物語  作者: キッピー
2/11

<パートナーは幼なじみ⁉>

翌朝。あまり眠れなかったせいで、体が重い。

ベッドの上でごろごろしていたら、私の部屋…一応、寮の部屋のチャイムが鳴った。

ピーンポーン

だれからだろう。

だるい体を無理に起こして、制服に着替える。

怪盗も、一応怪盗学園があるんだよね。

「ちょっと待ってもらえますか~。」

そうドアの向こうの人に向かって叫んで、身だしなみを整える。ブラシで髪をといて、顔を洗って。

あっ部屋も整理しなきゃ。でも、部屋は綺麗な方だし、ま、いっか。

あわててドアに駆けつけて、ガチャリとドアノブをまわす。

「おまたせいたしまし…たあ⁉」

ドアの向こうにいた人を見て、あっけにとられる。

そこにいた人が…私の幼なじみの、明だったから。

「いきなり来ちゃってごめん、嬉々。エレナ様から、嬉々のパートナーになってくれって言われてね…。」

「パートナーって明のことなんだ。」

「うん…。」

この状況って、整理しにくいけど…明が私のパートナーってことだよね。

ジリリリッジリリリッ

1限目が始まる合図が響く。

とっさに明が私の腕をひっつかんで、引っ張った。

「ええっ」

私は明に引っ張られながら、部屋を後にした。


「え~、では、二人はパートナーとして話し合っていたために、遅れたと…」

「はい。僕が、いきなり訪ねたのが悪いんです。」

明が担任の先生の花野先生に言う。

「えっ。明のせいじゃないよ!」

私が言うと、花野先生の眉毛が上がった。

「とにかく二人とも、廊下に…」

「わたくしの責任ですわ!」

バンッと教室のドアを開けて入ってきたのは…エレナ様!

「エ、エレナ様…。」

花野先生はその場で硬直する。

「わたくしが、今日の朝に行きなさいといったからなの。いい?さあ、明、嬉々。席に着きなさい。」

「「あ、ありがとうございます!」」

私と明は同時にお礼を言って、席に着いた。


学園後、明はきちんと説明してくれた。

「エレナ様は、寮にいる人たち全員を、ペアにしたんだ。理由は、教えてくれなかったけどね。そして、嬉々と明は幼なじみだから、ペアにしたら好都合だと考えて、パートナーにしたんだ。

 そして、試しに今日の夜、田原駅にある、超高層マンションの41階4010号室に巻物を取りに行けって…」

「えっ…」

行く以外、ないよね。

「わ、わかった。今日の夜、明の部屋に行くね。」

「うん、ありがと。じゃあ、今日の夜九時…僕の部屋に来てね。あ、ちなみに僕の部屋、2階の一番奥だから。」

その後、明とは別れた。

「はあ…」

急に疲れがどっと出てきて、ベッドの上に寝転がる。

超高層マンションだなんて…しかも、41階。私のニュースからの情報の記憶からして

最上階だ。

あっ…!

たしか、田原駅の超高層マンションの41階って…ニュースでやってた…!

私はがばっと飛び起きて、机の上にあるタブレット端末を開く。

パスワードを入力して、「田原駅 超高層マンション 41階」

と、検索。でてきたのは…やつらの一員…ラビット!

やつらとは、理由は知らないけれど、私達の巻物集めを邪魔する集団。今までにも何回も

邪魔されてきたんだ。ラビットは、変装上手の女性。

そして、やつらはなんと、超人気芸能人ばかりなの。だから、住んでいるところは大抵わ

かるので助かるんだけど…。やつらが住んでいるところに侵入だなんて…!

すぐに明に電話をかける。

トゥルル…トゥルル…ブツッ

「あ、明…!知ってる?今から私たちが侵入する場所、やつらの場所だってこと。」

電話の向こうから、ちょっぴり焦ったような声が返ってくる。

「今、そこについて調べていたところ。ラビットが住んでいるなんて…今回は手ごわそうだね。」

「うん…どちらかが変装されるリスクもあるの。」

私は震える声で、明に言う。

「とにかく、夜までにいろいろなことを調べておこう。」

「うん…。じゃあ、また夜に。」

ブツッ

私は返事をした後、通話終了ボタンを押した。

今はとにかく、あちらの情報を調べよう。



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