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第1話:生まれたての赤ん坊はみんな天使らしい。

プロローグをまだ読んでいない方はそちらを先に読んでください!

よろしくお願いします。

 目が覚めた。なんだろう、体が思うように動かせない・・・

目も思うように開けられない・・・

まさか・・・死に損なった!?


「旦那様!旦那様!生まれました!生まれましたよ!!」

「はぁはぁ・・・ふふふ、なんてかわいい子でしょう・・」


バン!と勢いよく扉を開け誰かが入ってきた。


「エレス・・・!!!でかした!よく頑張ったな!」

「ええ、クロノ・・・死ぬかと思ったわ・・・」

「奥様、お疲れ様です。元気な男の子でございますよ」


・・・なるほどオレは今赤ん坊で、母親に抱かれている、というわけだな?


「さすがは君の血を受け継いでいるだけはある。なんてかわいい赤ん坊だ!まるで天使のようだ!きっとこの子は世界で最も可愛らしい赤ん坊だ!」

「ふふふ、クロノ。赤ちゃんは皆天使のようにかわいいものよ。それが自分の子なら尚更、ね。でも・・・ふふふ、かわいいわね。」


そんなことも無いと思いますよ、奥さん。前世のオレなんか生まれた時から世界一のブスだったんですから。ブスすぎて前世の父親はオレが母と別の男との間に生まれた子だと疑って母親と喧嘩になったらしいですよ。


今度はちゃんと普通にかわいい赤ん坊として生まれてこれたようだな。前世の記憶の継承はきちんと行われている。オレは今後世界一のイケメンとして成長するのだろう。おめでとうございます。あなたたち夫婦は世界一容姿の良い男の子を授かりましたよ。

話の流れから父の名がクロノ、母の名がエレスってことがわかるな。


「奥様、一旦赤ん坊の体を洗わせていただきます。」


助産師さんだろうか?目が開けられないのでわからないがオレを丁寧に優しく洗ってくれているようだな。最高の湯加減でなんとも気持ちがいい。しかしなんだ?この水が体にまとわりついているような感覚は・・・


「さすが、アリスは水魔法の扱いがうまいな!」

「いえいえ旦那様。メイドであればこの程度の水魔法は扱えて当たり前ですよ。メイドは掃除、洗濯、料理など水魔法が使えないとできない仕事ばかりです。」

「いや、アリスは他のメイドよりも明らかに水魔法がうまいわ。下手な人がやったらこの部屋は水浸しになっているわ。水温の調節もすごい精度だわ。」


ほう、今オレは水魔法で体を洗われているのか。この体を無駄なくまとわりつくように洗われる感覚は魔法で洗われていたからか。不思議な気分だ。今洗ってくれていたのはメイドさんだったんだな。

水魔法ってことはこの世界には魔法が存在するようだな。ということは魔法使いという職業もきっとあるのだろう。オレが前世でやってたゲームやラノベなんかが役に立つ日もあるかもしれないな。

魔法使いではないメイドさんが魔法を使っているということは鍛錬すれば誰でも扱えるようになるということかな?


「そういえばクロノ?あなたこの子の名前を考えてくれたのでしょう?何て名前にしたの?」

「女の子ならアイカ、男の子ならトーマに決めていた。この子の名はトーマだ!」

「トーマ・・・ふふふ、良い名前ね」

「トーマ様、これから先よろしくお願い致します」

「トーマ、よろしくね?ふふふ。」


ああ、よろしくな母様、メイドさん。

トーマか。前世の名前とすごく似ているな。冬馬、トーマ・・・。これも一つの運命だろうか。



この世界でもイケメンはそれだけでチヤホヤされるだろうか?前世では顔がいい、あるいは美人というだけで特別扱いされていたからな。モテる男はつらいとか言うふざけたことを言ってるやつらの気持ちも理解できる日が来るのだろうか。少し楽しみだな。

メイドさんがいるってことはそれなりに裕福な家に生まれたということだろう。きっと優秀な家庭教師なんかをつけられるのだろう。だがしかし!こっそり勉強は三歳から始めようと思う。せっかく前世の記憶があるのだから有効に使わなければな。

ククク・・・アイキャンの記憶が継承されていて思い出すのが苦痛ではあるが、ほかの赤ん坊よりも圧倒的なアドバンテージを持っていることは事実。おごりは禁物だ。謙虚に、真面目に、自分を磨くことにしよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうも初めまして。私の名前はマドルーナ=クロノ。ここ、ヘライオン王国の貴族である名家マドルーナの長男であり、マドルーナ家の後継ぎの最有力候補としてその地位を盤石なものにしたできる男である。今年で23歳になる。


そしてこちらは我が最愛の妻、マドルーナ=エレス。新興貴族であるユウレイラン家の三女で年齢は19歳。貴族同士の結婚ではあるが、決して戦略結婚などではない。お互いに好きあって結婚したのだ。

私たちの出会いから話そうと思ったが、長くなるのでまた別の機会に。


今日は我々夫婦にとって大きな出来事があった。私たち夫婦にかわいい子どもが誕生したのだ。何と可愛らしい・・・この子より可愛い子など存在しないと断言できるほどだ。

しかし妻によると、赤ちゃんは皆天使のようにかわいく、自分の子どもなら尚更かわいく見えるらしい。


しかし、我が父と母は冷めていらっしゃる。初孫が生まれたというのに見に来ないとは何事か!と、おもっていたら生まれた三時間後くらいに慌てて入ってきた。どうやら孫が無事に生まれるように神に祈りをささげていたら、いつの間にか生まれていた、、ということらしい。

父と母は孫を見るとまた神に祈り始めた。

「ああ、神よ。あなたは私たちに天使の子どもを授けてくださった・・・感謝申し上げます・・・」

「なんて可愛らしい子間違いなく世界一かわいい子ですわね」

大げさだな。まあ世界一可愛いということに異論はないが神に祈りをささげる意味は分からないな。


私には義務がある。この天使のように可愛い子をマドルーナを継ぐにふさわしい人間に育て上げることだ。

容姿は心配していない。エレスの血を受け継いでいるのだ。何の不安要素もない。

最高の宮廷教師を探そう、まずはそこからだ。



読んでいただきありがとうございました。

できるだけ早く第二話を投稿したいと思っています。

次話もよろしくお願いします。

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