表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半径三〇センチぐらいの最強勇者  作者: 岸根 紅華
43/54

10

済みません。

少し短めです。

「…………よし、だいたいコレラ菌は体外に出した。あとは今日一日安静にしてアクエリオを出来るだけ飲むように。はい、次!」


 感染して間もなかった彼女の治療は、思った以上に早く済んだ。


「…………」


 だが彼女は、俺を睨んだまま動こうとしない。

 今の彼女の体力なら自力で動けると思ったのだが、何かあるのか?

 俺が視線で問い掛けると、


「あの……その……」


 彼女は何か言いたそうに口をもごもご。

 視線をせわしなく彷徨わせ、それでも意を決したように俺に瞳を向け、


「あ、ありがとう」


 そう言って、不器用に口角を吊り上げた。


(こいつ、こんな顔も出来るんだ!)


 不器用な彼女のお礼に対し。


 治癒術師は患者の前でうろたえてはいけない。


 そんなことを頭の端で思い出す俺の答えは決まっていた。


「なんだ、そんな顔も出来るんじゃないか。今度はその笑顔、意中の相手にしてやれよ!」


 うん。美少女と呼ばれる生き物の笑顔に耐性の無い俺にしては、気の利いた台詞ではないだろうか。

 そんな自己満足に浸ってる俺に、彼女は一瞬笑みを曇らせるが、


「分かった。また笑いに来る」


 そう言って穏やかな表情で去って行った。


「これってもしかして……いやいや、こういう勘違いがモテない男を拗らせるんだ。うん。彼女はきっと、俺を笑顔の練習台にしようとしてるんだ。そうに違いない!」


 美少女の不意の笑顔で不整脈なった俺は、そう結論付けることにより己を保つことに成功した。



「カイルさん、この人で黄色の患者は最後です。他の患者さんの容体も安定してます。この隙に少し休んで下さい」


 ろくに寝ずに治療を続けて、はや三日目の夕方。

 いつも騒がしいティンが、そんな優しい言葉を俺に掛けてきた。

 多分明日は、槍か隕石の雨が降るだろう。

 あれ? そうしたらせっかく助けた患者も死んじゃうじゃん!

 ぼっとした思考で、そんなことを思う。


「うむ。後は私たちがしておく、君は少し休め」


 アルデラの言葉にフッと肩の力が抜けた。


 切れること無いと思われた患者と俺の魔力はゴッソリ無くなり、代わりに精神と肉体に恐ろしいほどの疲労が蓄積されていた。

 もう腕を動かすことも、立ち上がることさえも面倒臭い。


「んあ。悪いがそうさせてもらう」


 俺は気を使ってくれてるだろう二人にそう告げ、「よっこらせ」なんてジジ臭い掛け声を掛けて立ち上がる。


 もう寝たい。

 今寝かせてくれるのなら、俺は噂の魔王にすら刃向うことが出来ると思う。

 そんな意味もない思考を巡らせながら、俺は仮眠用にあてがわれた町長の屋敷の部屋のベッドで、ただただ睡眠を貪ろうと体を引きずらせた。

 のだが、


「「お帰りなさいませご主人様!」」


 通された部屋には、なぜか物凄く布地が薄くて少ないメイドっぽい少女が二人、俺を笑顔で出迎えた。


いつもいつもブクマ、評価ありがとうございます!

このままラストまで突き進むつもりなので、

応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ