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ウサギさん、平日のお散歩4

「いらっしゃいませ。本日の御用件は?」


 新規登録窓口に向かった俺達。といっても新規登録者はなかなかいないようで、総合窓口の間横に隣接された、カウンターが一緒の場所だった。

 ちなみに、カウンターに付いてなのだけど、ギルド入口から真っ直ぐ向うと中央窓口。

 俺達が今いる新規登録から右に総合窓口×2、依頼達成窓口×4、依頼窓口×2が隣接。左壁側にもカウンターが存在し、こちらはドロップアイテム買取所。

 ぎゃくの右壁側に存在するのが依頼受付窓口らしい。


 そして左壁のアイテム買取所と新規登録窓口の間はスペースがあり、その通路を通れば二階に上がれるようになっている。

 依頼窓口2個目と依頼受付窓口の間にある通路からはトイレに向えるようだ。

 壁隅に置かれた観葉植物がちょっといいな。あのでっかい葉っぱは独特だ。まるでムンクの叫びみたいにめくれあがってやがる。


「ダーリンの新規登録お願いします」


「はぁ、ダーリン? 彼氏さんですか? えっと、今どちらに?」


「ここにいるじゃないですか。やだな~」


 にこやかに答えるリルハ。しかし受付嬢のメガネのお姉さんは訝しげな顔をする。

 小首を傾げ、もしかして、と恐る恐る聞く。


「もしかして、後ろにいらっしゃる方のことで?」


 言われてリルハが背後を見る。

 毛深いおっさんが並んでいた。


「違います。毛深いおじさんではありません。ほら、ダーリン目の前にいるでしょう!」


 と、俺をむんっと前に押し出しカウンターに乗せる。


「え゛?」


 一瞬目を見開き呆然とするクール美女。

 セミロング? と言えばいいのかな? ちょっとルールに煩そうな受付嬢は驚きながらも俺にジト目を見せながらゆっくり近づく。


「これ、ウサギ? ノウサギ……ではありませんね。魔力を帯びてる。マギラビット? いえ、この色合いは……この近辺では珍しいですねサイキックラビットですか」


 見ただけで当てやがった!? え? 全部シロウサギじゃないの? 微妙に違いがあるの?

 受付嬢すげぇ!?


「ええ。泊まってる宿屋で飼うことになったんですけど、結構強いんですよ?」


「いえ、でもですね、魔物、ですよね?」


 穴が開くほど見られるウサギさん。ああ、ひくひくもごもごしている口元を見ないで、恥ずかしい。


「珍しいウサギではありますが、テイムモンスターという訳でもない、危ないではないですか」


「何を言ってるんですか。ダーリンは意味無く暴れたりはしません。紳士です」


 リルハの言葉に困った顔をする受付嬢。俺も困惑だよ。俺は紳士だったのか?

 まぁ、普通そうだよな。ウチのペットが頼りになるから冒険者にしてくださいとか言われて普通にそんなことしたりはしないよな。


「ほら、用紙用紙、新規登録用紙をください」


「いや、でも……はぁ、まぁお気の済むようにしてください」


 頭のおかしい迷惑客相手にしたような顔で用紙を取り出す受付嬢。リルハは分かる所だけ書いてむぅっと唸る。

 どうやら得意スキル欄などの備考をどうするか考え中らしい。文字自体はカタカナ使えば分かるみたいだし、貸したまえリルハくん。


 俺は用紙の元へ向うと、リルハに両手を伸ばす。

 一瞬何してるんだろう? とほんわかしたリルハだが、もしかして、とペンを渡して来る。

 これは羽ペンって奴か、インクに付けて文字を書く奴だね。


 用紙も羊皮紙なせいか書きにくそうだ。

 なんとか全身を使ってスキルを適当に書く。

 ドロップキック、ステッキから花、危険察知(Lv2)、ぷにぽよん。こんなところでいいかな。ついでにドルアグス氏の加護も書いておこう。

 魔法スキルは魔力盾を書いておく。まだ一度も使ってないけどね。


「す、すごい、ウサギが文字書いてる……」


 その姿が目立ったのだろうか? 手の空いていた受付嬢達がカウンター後ろから覗き込んで来てかわいーすごーい。などと小声で呟く。

 えーっと次は、今までに倒した魔物がいれば書いてください。

 キルベア、ブラックコボルトのクロ。だけでいいかな。


 どうだ。と仁王立ちしながらペンを垂直に机に突き立てる。

 あ、汚しちゃったごめん。

 きゃーっと拍手が起こる。気が付けば、冒険者達も一部が側面に回り込んで俺の姿を見守っていた。


「ちょ、ちょっと貴方達、何サボってるの、ほら仕事して!」


 拍手で我に返った受付嬢が慌てて後ろの受付嬢達に怒鳴る。

 受付嬢達が蜘蛛の子散らしたようにさっていた。


「まぁ、書類はちょっとがたがただけど読めなくはないわ」


 そう告げた受付嬢は溜息一つ。

 実力試験を行いますのでこの札を持って二階の待合室で少々お待ち下さい。と木札をリルハに渡す。

 リルハは木札を受け取るとそいつを俺に両手で持たせ、自分は俺を持ち上げ再び抱き抱えながら楽しげに二階へと向かうのだった。


 うーん。街中を散策しようとだけ思ってたのになんかみょーなことになったなぁ。

 リルハに移動させられながら、どうしたものかと思案する俺だった。

 とりあえず、木札結構重いですリルハさん。


 ----------------------------------------


 名前:うさしゃん

 種族:サイキックラビット・シロウサギ

 二つ名:雑草ハンター・ハイエナ・ヤリ逃げ犯・アホの子・人生の迷い子・暗殺兎/状態:発情

 Lv:6  HP:283/283 MP:72/72 TP:70/70

 所持ストロ:3962000

 経験値ストック:5

 技スキル:咆哮/連打/シュート/飛び蹴り/ドロップキック/回し蹴り/掌返し/疾風怒涛/魔素取り込み

 マジックスキル:親指消えまーす/中の人消えまーす!/ステッキから花/貫通しまーす/隠すと増えます/何処からでも出ます/連なって出ます/人体切断マジック/ボックスマジック/浮き上がる杖/空飛ぶウサさん/脱出

 魔法スキル:魔力弾/魔力盾

 盗技スキル:盗む/強奪/魔法で盗む/マジックスティール/乱れ盗む/連続盗み/HPを盗む/MPを盗む/TPを盗む/心を盗む/パンツ盗む/ブラを盗む/知能を盗む/視界を盗む/気力を盗む/状態異常を盗む/スキルを盗む/お金を盗む/

 常用スキル:ステータス表示(Lv2)/変身/索敵(Lv1)/根性/身代わり/不退転/勝利の雄たけび/魔力視/魔力吸収/魔力変換/身体強化/拉致(Lv2)/経験値手動割り振り

 耐性スキル:毒耐性(Lv2)/麻痺耐性(Lv1)/腐食耐性(Lv1)/魔力耐性(Lv1)

 常時スキル:危険察知(Lv2)/忍びの一撃/雑草魂(Lv1)/死者への誓い/くいしばり/魔力回復・極小/水泳/浮上/木登り(Lv1)/壁昇り(Lv1)/着地上手/テクニシャン/絶倫/異種間性交・可/生殖器最適化

 種族スキル:粗食耐性/脱兎/病気弱点/ぷにぽよん/擬態

 加護:麒麟の加護/系統樹確認

 不要:カードスラッシュ/スプーン曲げ・微/カードを切る/飛び跳ねる/百面相/予告状/破壊音波


所持品

草類

 薬草×74、薬草(毒)×58、薬草(麻痺)×59、薬草(沈黙)×77、薬草(腐食)×23、薬草(狂化)×47

 毒消草×85、麻痺取草×84、雑草×208、即死草×51、たんぽぽ×20、ヘンルーダ×30、宝石草×5、虫下し草×17、エリ草ぁ×142

 マキノコ×104、サルノコツカケ×76、笑い茸×66、パラライマッシュルーム×27、マジックマッシュ×5、梅茸×2、ドクササコ×41、カエンタケ×3

肉類

 蛇肉(毒)、虫肉×8、ゴブリンの肉×27、鹿肉

 オークの肉、豚頭、犬肉、豹肉、熊の手、熊肉

毛皮類

 ホーンディアの毛皮、グリズリーの毛皮、豹の毛皮、コボルトの毛皮、ブラックコボルトの毛皮、

 臭い腰布×21、綺麗な腰布×2

武具類

 緑の小さな鎌×8、棍棒×25、ホーンディアの角、青銅の槍

装飾品

 熊耳カチューシャ、豹柄Tシャツ、タキシード、蝶ネクタイ、シルクハット、ステッキ、赤いハンカチ

その他

 魔石×2、魔石・極大、ポイズンスネークの尾、進化の種、退化の種×999、ミニチュアハウス

ゴミ

 虫の羽×8、???からの手紙

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