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ウサギさん、平日のお散歩2

 村を二人で闊歩する。

 といっても俺はリルハの腕に抱きしめられてぬいぐるみと化しているので実質歩いているのはリルハだけだ。


 開拓村ということもあり民家の数はむしろ少なく、逆に冒険者用の宿泊施設やお店が多かった。

 中央広場までの間に宿屋は二件。鍛冶屋一件、道具屋一件。酒場三件。奥まった場所に娼館二件。

 村一つにこれだけそろってるのはどうかと思う程に充実してる。

 食品店など五件もあった。


 基本冒険者が寝泊まりして冒険への用意を整える村、がコンセプトらしいので住民の殆どがどこかの店に所属しているようだ。

 マールちゃんの家族も宿屋を経営しつつ冒険者ギルドにも所属しているので森の浅い場所で薬草摘みなどをしているそうだ。


 俺と出会った時は冒険者ランクが上がった嬉しさでレット君が先走ったのが原因らしい。

 一緒に付いて行ったマールちゃんは俺と出会えて運良く生還できたが、こういう夢見がちな少年の影響で将来有望な冒険者チームが全滅する可能性も無くは無いのだ。

 じいさんも気が気でないらしく、レット君が重傷で戻って来てからはマールちゃんたちの遠征は禁止されているらしい。


 まぁ、それでもリックとレイナはレットの為に危険を冒したんだけどな。

 皆に凄い怒られて泣きながらもう行きませんと告げていたので、二度目はないだろう。

 閑話休題。


 村の中央広場を歩いて南側へ。

 この先の入り口から先はまた別の森が広がっているらしく、こっちの森はドルアグスさんの管轄外になるそうだ。

 アウレリスの森というらしい。

 うん、その森のボスはアウレリスさんだな。名前だけは分かったよ。


 リルハの取りとめのない説明を聞きながら屋台を通り過ぎる。

 ぬおぉ、お鼻に飛び込む美味しそうな匂い。これは、焼き鳥か?

 よくよく見ればウサギの置物が置かれた屋台で行われているのは、皮を剥かれたウサギだった肉が吊るされている場面だった。

 ナイフで肉を引きはがし器用に串に刺して焼いている。


 うん、これ鳥肉じゃないや、ウサギ肉だぁー。

 ウサギさん、ウサギ肉を食う。絶対、無理――――っ!?


「どうしたんですダーリン? あ、そういうことかぁ」


 屋台を見たリルハも事態を察して苦笑い。


「ダーリンはこうならないように気を付けるんですよー」


 くすくすと悪戯っ娘のように笑いながらリルハが再び歩きだす。

 広場の先はまた宿屋の群れ。

 冒険者用の宿は本当にここのメイン建設物のようだ。

 結局マールちゃん家を合わせて十五もの建物が宿屋をしていた。


 こじんまりとしていながらも武器屋や防具屋も存在しており、食事処がぽつぽつと存在していた。

 そっか、ゲームや漫画だと有名店だけとか、主人公が行きつけの場所しかスポットが当らないけど、普通の村だと似たような個人経営店が結構あるんだなぁ。

 店についても商店街みたいに専門商品を売ってる所もあるし、酒屋みたいにお酒だけ売ってる場所もあった。


 子供達がそこかしこで遊んでいるのも見掛ける。

 子供たちの遊びは追いかけっことか道具を使わずに出来る遊びが主で、広場では勇者と魔王役に別れたヒーローごっこが行われていた。

 そしてそんな子供たちの一部が俺を見付けて今もずっと着けて来ている。

 ウサギだ。噛みつかないかな? 可愛い。と声が聞こえる。

 女の子が結構多いかな。と言っても十人もいないんだけどね。


 でも子供って結構外で遊んでるんだなぁ。村だからかな? 人攫いとか大丈夫なんだろうか?

 冒険者が来るってことはそういう悪人も結構来ると思うんだけど。あれか? 道中魔物が多いから割に合わないし来ないとか?


 この村では家の無い子が居ないようで、露店の商品をひったくって生活しているようなスラム街の子供も見当たらない。

 これって結構凄いことだよな。

 日本でだって浮浪者はいるのに、今の所一人も見掛けないぞ。


 って、こら、誰だ今お尻触った奴!?

 もふもふしてた、じゃない。あ、ちょ、やめてっ!?

 一人の子供が俺を触って感想を伝えると、攻撃して来る危ない魔物ではないと理解した子供たちが寄って来てリルハを取り囲む。


「へ?」


「おねーさん、ウサギさん触らせて~」


 リルハの返事を待つことなく子供たちは俺を触っていく。

 いやー、やめてー。動物虐待なのぉっ。

 微妙なタッチで触られるから謎の不快感が。やっぱりもふるのはされる側ではなくする方が良いなと思ううさしゃんでした。


「コルァガキどもッ、嬢ちゃんが困ってんだろが!」


「きゃーっ」


 屋台やってたおっちゃんが声を荒げると、途端クモの子を散らすように逃げていく子供たち。

 楽しそうな態度を見ると、おっちゃん、前々から子供たちに被害受けてんな。


「おう、悪ぃな嬢ちゃん。ガキどもは好奇心旺盛だからよ」


「あ、あはは。ちょっと驚きました」


 がははと笑うおっちゃんに苦笑いして、俺たちはデートを再開するのだった。


 ----------------------------------------


 名前:うさしゃん

 種族:サイキックラビット・シロウサギ

 二つ名:雑草ハンター・ハイエナ・ヤリ逃げ犯・アホの子・人生の迷い子・暗殺兎/状態:発情

 Lv:6  HP:283/283 MP:72/72 TP:70/70

 所持ストロ:3962000

 経験値ストック:5

 技スキル:咆哮/連打/シュート/飛び蹴り/ドロップキック/回し蹴り/掌返し/疾風怒涛/魔素取り込み

 マジックスキル:親指消えまーす/中の人消えまーす!/ステッキから花/貫通しまーす/隠すと増えます/何処からでも出ます/連なって出ます/人体切断マジック/ボックスマジック/浮き上がる杖/空飛ぶウサさん/脱出

 魔法スキル:魔力弾/魔力盾

 盗技スキル:盗む/強奪/魔法で盗む/マジックスティール/乱れ盗む/連続盗み/HPを盗む/MPを盗む/TPを盗む/心を盗む/パンツ盗む/ブラを盗む/知能を盗む/視界を盗む/気力を盗む/状態異常を盗む/スキルを盗む/お金を盗む/

 常用スキル:ステータス表示(Lv2)/変身/索敵(Lv1)/根性/身代わり/不退転/勝利の雄たけび/魔力視/魔力吸収/魔力変換/身体強化/拉致(Lv2)/経験値手動割り振り

 耐性スキル:毒耐性(Lv2)/麻痺耐性(Lv1)/腐食耐性(Lv1)/魔力耐性(Lv1)

 常時スキル:危険察知(Lv2)/忍びの一撃/雑草魂(Lv1)/死者への誓い/くいしばり/魔力回復・極小/水泳/浮上/木登り(Lv1)/壁昇り(Lv1)/着地上手/テクニシャン/絶倫/異種間性交・可/生殖器最適化

 種族スキル:粗食耐性/脱兎/病気弱点/ぷにぽよん/擬態

 加護:麒麟の加護/系統樹確認

 不要:カードスラッシュ/スプーン曲げ・微/カードを切る/飛び跳ねる/百面相/予告状/破壊音波


所持品

草類

 薬草×74、薬草(毒)×58、薬草(麻痺)×59、薬草(沈黙)×77、薬草(腐食)×23、薬草(狂化)×47

 毒消草×85、麻痺取草×84、雑草×208、即死草×51、たんぽぽ×20、ヘンルーダ×30、宝石草×5、虫下し草×17、エリ草ぁ×142

 マキノコ×104、サルノコツカケ×76、笑い茸×66、パラライマッシュルーム×27、マジックマッシュ×5、梅茸×2、ドクササコ×41、カエンタケ×3

肉類

 蛇肉(毒)、虫肉×8、ゴブリンの肉×27、鹿肉

 オークの肉、豚頭、犬肉、豹肉、熊の手、熊肉

毛皮類

 ホーンディアの毛皮、グリズリーの毛皮、豹の毛皮、コボルトの毛皮、ブラックコボルトの毛皮、

 臭い腰布×21、綺麗な腰布×2

武具類

 緑の小さな鎌×8、棍棒×25、ホーンディアの角、青銅の槍

装飾品

 熊耳カチューシャ、豹柄Tシャツ、タキシード、蝶ネクタイ、シルクハット、ステッキ、赤いハンカチ

その他

 魔石×2、魔石・極大、ポイズンスネークの尾、進化の種、退化の種×999、ミニチュアハウス

ゴミ

 虫の羽×8、???からの手紙

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