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莱人、宇宙人やべぇ

 俺とリクゥさんの目の前に、数人の女性……女性? 全員人型だけどヤベェ容姿してやがる。

 噂で宇宙人来たって知ってたけど、実際に見たのはこれが初めてだ。

 今回現れたのは六人。他にも居るらしいけど空気圧の関係とか様々な理由で宇宙船での生活を余儀なくされてるメンバーなのでこの六人だけが助っ人に抜擢されたのである。


 まずはポンダラケ星人のロパパ。

 複眼多脚に両手足が鎌という蜘蛛みたいな亜人である。彼女の住んでいた星では全裸だったらしいが、この世界に来て服を着る事を覚えたので最近はいろんな服を着て楽しそうにしているらしい。

 今日はなぜかセーラー服だ。誰だよあの服貸したの?


 キロロラケ星人のパナーナは足が蹄で下半身が毛で覆われた大型星人。3メートルの身長と鍛え上げられた筋肉、六つの胸が印象的な美人さんだ。

 正直、俺に彼女がいなければ抱いてくださいっと告白していたかもしれない。

 いや、なんかこう、この人を襲うというよりは襲われると言った方がしっくりくる体付きなんだよ。

 

 ビローラモ星人のモモッケさん、ピッカラちゃん、パッツェオラの親子は一番人型に近いだろう。

 ただし、肌は薄紫で額から生えた触覚が揺れてる姿はどう見ても人ではない。宇宙人なんだなぁと納得してしまう容姿である。

 ちなみに、ピッカラは触覚の先端が星型。パッツェオラは丸型。モモッケは触覚が一つでチョウチンアンコウ型である。他の二人が一対なのに彼女だけ角型っていうのは何か理由があるのだろうか?


 最後に、人から一番離れているのがピシーチャ・パララ。

 オウムガイみたいな顔に女性の身体をくっつけたようなバケモノだ。

 宇宙ではこういう生物が大量に生息しているらしい。

 宇宙はバケモノの巣窟なのか、行きたくもないな。


「リクゥッ!!」


「げぇ!? 変態が二人に増えた!?」


 いや、もともと二人だっただろ。

 しかし、あのマックスさんの恋する乙女みたいな視線はなんなんだ? 考えたくもないがガイに向けられているのは理解出来た。

 よし、気付かなかった事にしよう。


「えーっと、あの二匹を倒せばいいの?」


「オシゴト♪ オシゴト♪ ゴホウビハウサギ♪」


 ウサギ? ああ、磁石寺な。というかロパパが言うとウサギ肉捕食の方に聞こえるな。

 どうやら俺もリクゥも選手交代らしい。

 宇宙人たちは俺達を守るように背を向け、やってきたメイド服のマッスルボディを持つマックス、全裸無毛のガイに対峙する。


「リクゥを更生させるにはお前達を倒さねばならんか。よかろう、我が胸に抱き永遠の眠りに誘ってやろう」


「手早く終わらせよう。私はやらねばならぬことができたのでな」


 それ、ガイへの告白か何かか?

 絶対失敗するから止めておけ。

 その扉は開いてはいけない扉だぞ?


 まずはロパパが先制攻撃。カサカサと鎌型の六つ足で歩み寄り、マックスへと斬撃。

 防御特化のマックスは盾で軽々受け止め……盾が切り裂かれた。


「なんだと!?」


「キレヌモノ、ナイ」


 絶対斬撃か何かか? マックスにとっては一番相性の悪い相手じゃないか?

 防御力が紙に変わるからな。

 ガイもそれに気付いたようで、即座にロパパを自分が相手取ることに決めたらしい。


「ピギャァ」


 マックスの相手はパララが相手するようだ。

 何故か一瞬でマックスの背後に移動した彼女がいきなり先制攻撃。

 後ろからの奇襲をぎりぎり受け流す。


 パララの能力は振り返れば奴がいるとかいうスキルだ。

 後ろに瞬間的に移動しての奇襲攻撃は正直チートだと思う、ほら、マックスの奴全然反応できないじゃないか。

 一回目は避けられたけど、直ぐにさらに背後に瞬間移動したパララに気付いていない。

 いや、気配を感じて今ようやく振り向いた。

 一度相手が振り向かないと行動出来ないという制限付きらしいけど、これはかなり有用なスキルではないだろうか?


「馬鹿な!? 一瞬で!?」


「ピギャ」


 しかも一撃が無駄に重い。

 パララの拳が咄嗟にガードしたマックスの身体を浮き上がらせる。

 吹っ飛んだマックスを見て思わず俺たちは唖然と放物線を見送った。


「お、おいおい、マックスの奴が空飛んだぞ?」


「リクゥさん、あれ、勝てそうですか?」


「ムチャいうな。宇宙人の実力普通に魔王越えしてるじゃん」


「おかしいな、俺らミミック狩りでレベルアップしたはずなのに、勝てる気がしない……」


 宇宙人の実力がおかしい。

 そりゃあ確かにあのチート級になったガイを相手に闘えるのは宇宙人だけと言われるだけはあるだろう。

 もう、こいつ等に任せちゃえばいいんじゃねーかな?

 どうせウサギの眷族だし、侵略しちゃえよ、もう。


「あ、マックスが沈んだ」


「おいおい、ガードごと意識狩り取るとかどんな衝撃だよ」


 絶対に宇宙人とは闘わない、そう決めた俺とリクゥさんだった。

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