桃瀬、武器を買う
「こちらが得意武器判定装置になります」
と、手を置くセシリアさん。
カウンター隅に置かれた水晶玉のようなモノに手を当てると、水晶玉が光り輝き、剣のシルエットが現れる。
「私はこのように剣の扱いい秀でているようです」
「なるほど。早速やってみるネ」
言うが速いか涙亞さんが手を当てる。
現れたシルエットは……なんだろうこれ?
銃? にしては長い? パイプ? でも持ち手があるし。なんだろう?
「お、これトンファーアルか?」
「これは珍しい特化武器ですね。少しお待ちくださいお客様」
と、私達を見ていた店員がどこかへ去っていく。
少しして、武器をいくつか手に持ってカウンターに戻ってきた。
「この武装で扱っている武器はこちらになります」
これがトンファーか。持ち手の付いた鉄の棒だ。
基本は短い方を相手に向け、長い部分は腕を守るのに使ったりするらしい。涙亞さんが普通に詳しかった。扱ったこともあるらしい。
「店員さん、ヌンチャクとかないアルか?」
「ありますよ?」
「おー、じゃあアレは? アレはあるアルか! 三節棍、六角棒。あと、あと……」
「よろしければこちらにどうぞ」
「少し見てくるアル」
涙亞さんが店員に連れられカウンター奥へ去っていった。
セシリアさんにお辞儀していたのとセシリアさんが苦笑いしていることから安全性は高いだろう。むしろ要らないモノまで買わされないか心配しているようだ。
次にロアさんが武器を調べる。
現れたシルエットは……
えーと、何コレ?
「これは……おそらく杖の一種ですね。リングと重なっているのでしょうか?」
「それは杖、腕輪、多分指輪も得意武器になるんでしょう。お客様よろしければこちらで説明をお聞きになりませんか?」
「指輪に腕輪か、ふふふ。善かろう。その話聞かせて貰おう」
ロアさんも別の店員に連れられカウンター奥に向かって行った。
「なんか、凄い買わされそうな気が……」
河井さんが呆れた顔をしながら武器を調べる。
「あら、これは弓?」
「そのようですね。そちらの弓から選ぶのが良いでしょう」
セシリアさんと共に河井さんが弓のコーナーへ、その間に九重さんが自分の得意武器を調べる。
「本?」
「それは魔導書ですね。武器屋としても揃えたい所ではありますが、魔法書は魔法具屋の方で売っております」
「そう」
残念ながら九重さんの武器は武具屋で手に入らないようだ。
「よければ護身用に短剣などいかがでしょう? ミセリコルデなどは似合うかと」
「アセイミナイフは無いのかしら?」
「それは……魔法具屋にございます」
「そう、じゃあ全部向こうで揃えるわ」
九重さんの言葉に悔しそうな店員さん。どうやら自分のところで買い物させる客をみすみす逃したのが悔しいのだろう。
そんなやりとりを見ながら私は自分の得意武器を調べる。
うん、これは槍だね。
「なんと、槍使いですね。ぜひぜひ、トリプルヘッズを」
「それは要らないので槍を……いえ、あの、こういう武器ってありませんか?」
「そ、それを御所望とはお目が高い。かの英雄タカセが扱ったとされる伝説の武器の模倣品がございます。ダマスカス鉱石製でかなり重くなっているモノとミスリル製で、軽いモノがございますが?」
セシリアさんと相談かなぁ。
弓を選び終わった河井さんとセシリアさんが戻って来たので武器に付いて尋ねると、どうせなら両方買えばいいと言われたのでとりあえず買っておいた。軽いミスリル製でも持つのが大変だったので、一先ず下の階で粗末な木槍を一本ついでに買っとこうと思う。
次の場所は九重さんの武器を買うために魔法具屋確定だね。
河井さんの選んだ弓はアダマンタイト製だそうだ。鉱石の名前を言われても私はぴんとこなかったけどね。
九重さん曰く、アダマンタイトは隕石に含まれている隕鉄だそうだ。
「セシリアさんごめんアル~。いぱい買い過ぎたよ~」
「くはは。我が力がさらに上がった気がするぞ」
カウンター奥に連れていかれていた二人も戻ってくる。どうやらアイテムボックスに既に入れてしまっているらしいが、店員さんが何を買ったかをメモしていたようで、リスト表が既に作成されていた。
「締めて28300000ストロになります」
「ぶふぅっ!?」
セシリアさんが予想外過ぎる金額に噴き出した。
流石にここまで高い買い物になるとは思わなかったようだ。
「国王陛下に請求を頼む。請求理由は特上任務。セシリアと書いておいてくれ」
「かしこまりました」
物凄いお金が飛んで行った。
あとロアさんがトリプルヘッズを購入していらっしゃった。要らないって言ったのに……
それがかなり購入金額圧迫してるよロアさん。




