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うさぎさん、真正面から吶喊

 戻ってきました。


「おい、啓太、なに我が敵を奪っとるんだ!?」


 敵を奪うとかなんだそのパワーワード。


「全く、折角我が力を存分に振るえる相手だと思ったのに、なんて事をしてくれたんだ」


 仕方ないだろ。魔王なんて放置しといたら大変なことになるし。あいつの実力マジやべぇし。

 まぁ、早急にオトせたのは幸運だったな。これ、もしかして幸運の勇者仕事してる?

 まさかな。


「こうなったら我も敵陣に突撃するぞ!」


 え? 隠密奇襲できないじゃん!?


「問題ないだろう。どうせ敵の残りは見知った奴だし」


「あ、突撃すんの? だったら私らも行くわ。取り逃がした郁乃さん倒しときたいし」


「私も、郁乃には用事がある」


 雲浦とイルラがやって来る。

 すると、何処からともなく戸塚が合流して来た。


「上田の奴も多分本部にいるでしょ。真廣さんにちょっかい掛けないようにシメないと」


 なんか知らないうちに俺ら纏めて突撃することになってんだけど?

 おかしいな。俺は一人で暗殺しにいくつもりだったんだけど。


「よーし、いくぞー!!」


 そして、俺を放置して勝手に盛り上がる女性陣。

 仕方ない、こいつ等を囮にして裏に回りこ……うおぉ!?


「よし、いくぞ!」


 ちょ、イルラ助けて!?

 ロアが暴走していますっ!!


「通常運転だから大丈夫」


「あはは、ロアさんよく暴走するしね」


 笑いごっちゃねーよ!?

 畜生、味方がいねぇ!

 というか暴走がデフォとかおかしいだろ。

 よくそれで普通の学校通えたな!?


「とにかく、行くんでしょ?」


 隠密のつもりだったけどな。


「どうせもう気付かれてるでしょ。諦めなさい」


「下手に一人で向うよりはいいんじゃない? 奇襲失敗したら敵陣に単騎で取り残されてるわよ?」


「そうそう、あいつらに囲まれたらさすがに逃げ切れないんじゃない?」


 いや、でもジョゼの能力があれば即座にラビットネストに転移するのも可能だし……


「じゃあジョゼさんが裏切ったら? 彼女はあまり信用すべきじゃないと思うんだけど……」


「私、裏切られた」


 そういやイルラは裏切られた経験があるんだっけ。戸塚も一緒じゃね?


「要するに、私もイルラもジョゼさんを信頼仕切ってないのよ。あんたが一人突出した瞬間に裏切って、ってパターンは存分に考えられるわ。だったら皆と一緒に正面突破した方が幾分マシなんじゃない?」


 まぁ、確かに……確かに? あれ? なんか丸めこまれてね?


「気のせい気のせい。それより、ロアさんは闘う気満々みたいだし、イルラさんのとこ移動しなよ」


「あれ? 私闘わない感じ?」


「イルラさんが戦闘に参加することになるよりはロアが闘う方が速いでしょ?」


「それもそうか、名残惜しいが、イルラ、頼んだぞ」


 ロアからイルラに譲り渡される俺。

 完全にペット枠だ。

 いや、まぁ別に良いんだけども。


「オゥ、皆固まって移動デスかー?」


 ルルジョバじゃん。お前今まで何してたんだ?

 そう言えば作戦についてはお前だけフリーになってたんだけど。


「ワタシは戦争には参加するとしてましたがオブザーバーのつもりデース。攻撃されれば反撃する、程度?」


 ああ、成る程。

 つまり、こいつは俺陣営ではあるが、戦闘に参加しない第三陣でもあるわけか。

 本人の意思一つで参加もするけど基本は放置、皆が闘う姿を高みの見物するようだ。

 なのに、今回は俺たちに付いて来て正面突破に参加か。


「気が向いたら闘いマース」


「期待はするな、ということか。まぁ敵に回らんなら問題はあるまい」


 ロアはちょっと戦闘民族化してるところを直すべきだろ。

 脳筋彼女はちょっと……


「なっ!? 脳筋ちゃうわっ。 ウチは……っと、我は別に何も考えず拳で突破なんぞという脳筋ではない。筋肉が全てを解決するなんて思っても無いからな」


 そんな事をいいながら、俺たちはついにヘンドリックの陣幕まで駆けあがる。

 守護者の中にちらほら居たヤベェのはアボガードたちやボルバーノス、ゲスター、スラ子、アウレリス、ドルアグスさんなどが対応してくれてるので基本放置だ。

 ヘンドリックも自身の身くらいは守れる方法持ってるだろうし、ここは確かにメンバーがいた方がいいか。


 ええいもう、覚悟を決めよう。

 皆任せた。

 ヘンドリック以外がいたらお前らに任せるからな。


「了解!」


「それでいいのよ。っていうか結局二人で決着付けるつもりなのなら、こんな大戦争にしなくて良かったんじゃないの?」


「それは違いマース、皆ウサギに恨み持ってマーシタ、これはガス抜きデース」


 つまり、適度に争うことで俺への怒りを分散させようってことらしい。

 なので戦争を起こすこと自体は正解なのだとか。

 まぁ、俺はこの戦争後に宇宙進出予定だし、ヘイト稼いでも問題ないっちゃ問題無いけどな。

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