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桃瀬、武器屋に行く

「おおおおおおっ!!」


 ロアさんがきらきらと目を輝かせて感嘆を漏らす。

 ただいま私達のパーティーは王国騎士さんと共に武器屋へとやってきた所だった。

 九重さん曰く、武器屋と言えばこじんまりとした10畳程の店内に禿げたムキムキの親父さんがカウンターでいらっしゃいませクソ野郎。とかニカッとなれない笑みを浮かべて接客するものだ。とか言ってたけど、この国の武器屋はとてつもなく大きい。


 一階は馬車などが泊まれる駐車スペースらしい。

 階段がある以外は馬車が泊まれるスペースと支柱用の柱以外に存在しておらず、中央の階段を使って二階へ上がることで武器屋へと入る構造になっていた。


 二階に上がると賑やかな人並みと剣やら弓やらオーソドックスな民間用護身具店。

 三階は冒険者用のちょっと割高で強い武具。

 四階はベテラン冒険者用のかなり高く強い武具。

 五階は貴族用だろう、物凄い高い割に華奢で豪華な武具が売られているらしい。


 今私達が来ているのはベテラン冒険者用の武具店だ。

 ベテラン用というだけあって他の階層よりは空いているが、それでも厳つい男達が群れを成している。

 成る程、時折眼つきの鋭いおじさんがギロリと私達を見つめて来る。

 ここは貴様等のような駆けだしが来るとこじゃねーぞヒヨッ子共が。と無言の圧力を向けて来るのだ。


 でも、そんなプレッシャーを感じていないロアさん涙亞さんは階段を上った先にあるハンマーの群れを見て感激を露わにしていた。

 階段を上がってくれば巨大なハンマーが無数にお出迎え。

 重量部が下にして置かれたハンマーたちはどう見ても私達のような細腕で持てるものじゃない。


「あの、セシリアさん、本当に好きなの選んでいいんですか?」


「ええ。当人に合った武具をと国王陛下から仰せつかっておりますから」


 私達の護衛に付いて来てくれた王国兵は女性のセシリアさんだった。

 真面目なタイプの女性らしく、長い髪を結って後頭部に纏めている。なんだっけ、あの三つ網みたいなのを後頭部に円状に巻き付ける奴。名前わすれちゃったけどそんな感じの髪型にしているのだ。長い髪だと走る際など闘いに不向きだからという理由なんだけど、やっぱり女性なので髪を切るのは嫌だったらしい。

 休日はおしゃれして武器屋をウインドウショッピングするのが日課だそうだ。


「護衛のセシリアさんから離れ過ぎないようにしなよ二階堂さん、戒さん」


「どうせ全部回るから、一人で先行しないようにねロアさん」


「ふ、ふん。分かっているさ」


「テンションアゲアゲアルよー。あーもう、早く回りたくてうずうずするネ」


 周囲の視線どこ吹く風と、二人は早く行こうぜ、とばかりにその場で足踏みを始める。

 恥ずかしいからやめてほしい。


「右から順に見て回りましょう。欲しい武具は一つじゃなくても構いませんが自分に合ったモノにしてくださいね」


「む、むぅぅ」


 どうせ変な物買うつもりだったんだよねロアさんは。


「どんな武器が良いのか分からないんですが」


「自分に合った武器を知りたければカウンター横にあるオーブに手を合わせてみると良いですよ。得意武器を教えてくれます」


「ほぅ。それは良いな」


「変な武器じゃないことを祈りたいわ……」


 まずは一通り見たいというロアさんと涙亞さんの強い要望で右側から順に見ていくことにした。

 まずは槍。無数の槍が立て掛けられ値段が近くに書かれている。

 店員さんが近くに居ないし持ち去られる可能性あるんじゃないか? とも思うけど流石に重量武具を持って逃げる猛者はいないらしい。


 槍の次はトゥーハンデッドソード。両手で持たないと筋肉質の男性でも持ちづらい長い剣だ。

 その次はバスタードソード。両手持ちも片手持ちも出来る丁度良い長さの剣らしい。

 残念ながら一度持たせて貰ったけど、とてもじゃないけど私の筋力では持ち上げられなかった。

 私達が持ち上げようとしてプルプルしてる姿見て、周囲のベテランさんが頑張れ嬢ちゃん。と楽しげに声援送ってくれたのだけど、残念ながら期待に応えることはできなかった。


 ちなみに片手剣と呼ばれるのは基本ロングソードではなくショートソードになるらしい。

 ゲーム知識しかなかった九重さんが心底驚いていた。ロングソードと呼ばれる剣は正式にはないらしいのだ。

 ショートソードよりも長い剣をロングソードと呼ぶのだけど、私たちじゃ取り回しも難しいので無難にショートソード、あるいは短剣類にした方が良いらしい。


 ショートソードが部屋の角を挟んでL字に置かれていたのでそのままカウンターへとやってくる。

 ちなみにカウンターから先はショートソード、盾、バトルシールド、斧槍、斧の順に並んでいて入口に戻る。


 店の中央はハンマー類、右に折れるとチェーン・フレイル系、鞭系、矢筒。カウンター前にブーメラン、ハンマー類からの左側には、杖系、その他武具、弓でカウンターに辿りつく感じになっている。カウンターにもこまごま小さな武具が置かれており、ガラスケースではなく、何かよくわからない材質の透明なケースに入れられている。

 カウンター前のは拳用のメリケンサックや暗器などである。

 カウンター後ろにも武具が置かれていて、それは割高の目玉商品だそうだ。

 本日の目玉商品は持ち手から三つに別れた槍。三叉ではなく三角を描くように三つに分かれている槍だ。トリプルヘッズというらしい。ロアさんがアレ欲しい。とか言ってた。要らないでしょあんな扱いづらそうな槍。

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