うさぎさん、初レベルアップ
―― ポイズンスネークを倒した! レベルがアップしました! ――
おおぅ!? レベルアップ!?
これは即座にステータス確認だ!
さってどうなったかな?
名前:
種族:ノウサギ・シロウサギ
二つ名:雑草ハンター
Lv:3
HP:30/40
MP:3/3
TP:3/3
状態:有頂天
スキル:
ステータス表示(Lv1)/ステータスを表示できる。
テクニシャン /全ての技巧において神技になる。クリティカル率+100%
絶倫 /交尾時に疲れ知らずになる。連続交尾可能。
異種間性交・可 /異種族との間で子供を授かることができる。
生殖器最適化 /相手の種族に対応して交尾が出来る。
変身 /???
毒耐性(Lv1) /状態異常・毒に掛かりにくくなる。
根性:TP1 /自身のHPの3分の1を回復する。
くいしばり /HPが0になる攻撃を受けても一度だけHP1で生き残る。
雑草魂(Lv1) /どんな辛いことにも挑戦する生命力。瀕死状態で防御力が1.2倍になる。
連打 /無手の武技の一つ。連続で攻撃を加える。同じスキルを二度使う事がある。
飛び蹴り /足技の武技の一つ。助走をつけて相手に突撃する一撃。稀に相手の体勢を崩す事がある。
種族スキル:
粗食耐性 /食べるモノが貧しくとも普通に育つ。
脱兎 /初期状態から速度二倍で動くことが可能。制限時間2m。クールタイム2m。
病気弱点 /病気に掛かりやすい。
おお、HPが10他のステータスは2上がってる。
というかスキルが二つ増えて……
―― 連打 を覚えた! ――
―― 飛び蹴り を覚えた! ――
アナウンスが遅ェ!? まだレベルアップアナウンスの途中でしたか!?
しかし、俺が初めて倒したのが格上の蛇とか。
思わずその蛇の身体に手を触れた、感慨深かったので思わずさすりながら倒した獲物の大きさを実感しようとしただけだったんだ。けどその瞬間、俺の目の前にダイアログ。
―― アイテムを入手しますか? はい / いいえ ――
アイテム入手? じゃあ、はい。で。
はいを選ぶという意識を持った瞬間、ダイアログが消え去り、目の前の蛇が光の粒子と化して消え去った。
おおぅ!? 何が起こった!?
―― ポイズンスネークの牙を手に入れた! ――
―― 蛇肉(毒)を手に入れた! ――
―― ポイズンスネークの尾を手に入れた! ――
手に入れたって……俺の手には何も無いですが?
ま、まぁいいや。これに付いてはアイテムボックスみたいな物があるんだと思われる。後で調べよう。今日は疲れた。もう寝たい。
しかしなぜ蛇がこの巣穴に来たんだろう?
この周辺は蛇の縄張りから外れてるはずなんだけどなぁ。
誰だよ蛇の縄張りに迷い込んで連れて来た馬鹿は……俺か!?
そう言えば今日は遠出したよ! しかも巣穴に一直線に帰ったよ!?
水で臭いや体温を消す事もなく巣穴まで道案内しちまったのか!?
そして兄弟達を死の危険に、っていうか丸飲みされてた奴蛇と一緒に消えたんですけど!?
生きて無かったってことだよな。ということは、既に犠牲者一人。俺のせいで兄弟に死者が!?
……所詮この世は弱肉強食、弱かったから死んだ。
そう思えたらいいんだけど、ちょっと罪悪感が……
一応巣穴を覗いてみたのだけれど、すまん、誰が犠牲になったか全く分からん。
俺が現れた事で、竦み上がって端の方に寄っていたウサギたちが恐る恐る巣穴の外にやって来る。
母親がヒクヒクと鼻を鳴らして周囲を探る。
そこにあの蛇の脅威はすでにない。
母親は自分の子供たちを見る。
こういう時、本来ならば襲撃された巣穴を放棄してしまうのがウサギなのだけど、どうやらこの母ウサギ、危険は無いとそのままここで過ごすようだ。
巣穴に戻ると寝そべりやがった。それでいいのかウサギさん。
そして、俺は気付く。もう一人の大人型ウサギがいません。
お、お父さーんっ!?
くぅ、皆を守るためにあなたが犠牲に……俺、あなたの分まで強く生きますッ。
俺はその日、初めて涙を流したのだった。
ところで親父との生活って何かあったっけ。近くで草喰ってた記憶しかないぞ。
まだ二十日も経ってないし。
生まれてすぐに父が散る。
ああ、なんて悲惨な母子家庭。
ふぁーふ。とりあえず脅威が消えたとわかったら疲れが出て来たな。
姉さんはあいつかな。昨日と同じ場所で口もごもごしてるし。
せっかくだから姉さんの横で寝るとしよう。姉さんに背もたれながら眼を閉じる。
ところで、この兎は姉になるのか妹になるのか。とりあえず今まで通り姉さんでいいか。
んじゃ、おやすみぃ~。