表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
895/981

サタニアーナ、留守番楽しい

 ―― よっすロリコン男爵、お疲れー ――


「誰がロリコン男爵だっ!? っていうか、俺確かにドロップアウト組だけどよ、わざわざ中核に呼んで良かったのか磁石寺?」


「問題無いわい。お主一人が何かしたところでポルンクスタは傷一つ付かんぞい」


 って、貴方が答えるのかチョコミント。

 今、私達はチョコミントという人間の部屋兼研究施設兼モニタールームにやって来ていた。

 ラビットネスト内でもっとも観察に適した部屋なので、戦争開始と共に私達は全員ここにやって来ていた。


 まぁ、簡単に言うと、ラビットネストの居残り組が全員ここに来ている。

 いるのはチョコミント、ぱんなこった、ジョゼさん、ユーリンデさん、私ことサタニアーナ。そして今回の大戦争の首謀者の一人、うさしゃん。あ、ユーリンデのメイドさん二人もいるよ。

 そこにやってきたのが、今回ラビットネストに逃げ込んできた、福田孝明とラクェレットという少女であった。


「しっかし、相変わらずなんつー場所だ。全ての戦場丸裸じゃねーか。というか、この城何処に居んの?」


「ん? 迷彩システムで空気に溶けた状態で戦場のど真ん中じゃが?」


「マジっすか」


「まぁ、それはどうでもよかろ。それより、ほれ。守護者共に混じって実力者が増えたぞえ」


「これは、かなり不利になりそうですわね」


 ―― まー、現状のままならなー。さて、そろそろ俺も下に降りますか。ジョゼ。能力を解禁。戦場全てに記憶持ち越し転生不可状態を設置してくれ ――


「あら? いいの? 下手すれば貴方も転生出来ないわよ?」


 ―― そうなったらそうなっただ。ヘンドリックたちには一度記憶を消して貰った方が良いと思う。あと、咲耶。そういうことだから。俺はヘンドリックを殺しに向う。お前はどうしたい? お前自身で答えを出しておいてくれ ―― 


 最後に、念話で東雲咲耶に告げるウサギ。

 向こうからの返答は無いようだ。


「良いのか磁石寺? それ、死んだら記憶無くなるってことだろ?」


 ―― リスクはあるがな、それでも、記憶を持たずに転生するのは普通のことだろ? どうせ皆この世界に骨を埋めるしかねーんだ。記憶持ったままってのはある意味呪いだろ? 異世界の記憶なんざ無い方がいいのさ ――


「そりゃまぁ、異世界の記憶なんか持ってても何時か帰りたいとか思うくらいか……わざわざこの世界を向こうに似せる必要もないし、それは多分。しちゃいけないんだろうな……」


「オーバーテクノロジーじゃからのー。この戦争で張っちゃけたあとはもう闇に潜った方がよかろうな。古代遺跡みたいに細々やってこうかの?」


「幸いラビットネストは迷彩機能がついとるし、なんならこのまま宇宙に上がって新天地求めてもええんじゃないかの?」


 ―― あー、いいなぁ。皆で宇宙旅行か。この城って宇宙耐性あんの? ――


「何いっとるんじゃ? むしろこれ、宇宙船じゃぞ?」


「マジで!?」


 うちゅうせん? ってなんだろう?

 皆話し通じてるみたいだし、後で聞いた方が良いかな?


「それだったらこの戦争とかする必要ないじゃん。皆で宇宙行けば別の星で暮らせるだろ」


 ―― いや、戦争決めた時は宇宙出れるとか知らんかったからな。でも、確かに戦争しなくてもいいならしなかった方がよかったなーって今は思うわ。宇宙に進出しちまえば俺らが普通に暮らせそうな星いくつかあったし。あいつらとも敵対しなくていいし。まぁ、やっちまったもんは仕方無ぇーだろ ――


 戦争、かぁ。私の世界じゃ闘いにすらならなかったんだよなぁ。

 父上は初めから詰んでる世界だとか言ってたけど、結局何も出来ずに死んでしまったし。

 父上が言ってたアンゴルモア様さえ来て下さればって話もアンゴルモア役に立たなかったしなぁ。ピスカさんの方が私的には救世主だったよ。

 なんであんな世界に魔王生み出したんだろうね? 定期的に産まれるみたいなこと言ってたけど勇者の群れに蹂躙されるだけだと思う。

 まるで魔王が餌みたいだ。あんな世界二度と戻りたくも無い。


 んじゃ、行ってくる。とウサギさんがジョゼさんのマップ間移動というスキルで掻き消える。

 戦場に出現したウサギは即座に駆けだし魔物の群れに消えていった。

 何処行ったら、小さい体なので分からない。しかも今は液体ウサギ系になってるようで、地面にべちゃぁっと広がったようなので、何処に行ったかすら分からなくなってしまった。


 おそらくあの状態で敵本陣に向うんだろう。

 電撃作戦で奇襲攻撃を敢行するみたいだけど、上手く行くんだろうか?

 なんか、こっちが悪人側なせいか、失敗する未来しか思い浮かばない。


「にしても、サタニアーナさんだっけ? あんたさすがに自由満喫しすぎじゃね?」


 え? 私?

 と、視線を自分の周囲に向ける。

 テーブルを前に椅子に座り、テーブルにはお菓子各種。ティーカップには美味しい紅茶。メイドのチェルロさんとグレースが一緒にいるので、この二人は私とジョゼさん、ユーリンデさんにお菓子を持って来てくれている。うん、お留守番、凄く楽しいよ?


「あ、そっすか」


 福田が呆れた顔をしているけどラクェレットちゃんが凄く羨ましそうにしてたのでお茶会に誘ってあげることにした。ま、皆の闘いでも見ながらゆっくりしましょ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ