表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
892/981

ロア、ここは我に任せて先に行け、と言おうと思ったけど止めとこう

「ふはははは、効かん、効かんぞジョージ! 貴様の豆鉄砲など蚊程も効かんわ!」


 腕を組んで仁王立ちしながら、高質化した身体で銃弾を受け続ける。

 正直最初の一撃はちょっと怖かった。でも、ジョゼが私なら絶対にやれるというのだ。

 私にしか出来ぬと言うのだ。

 ならば、怪人と化した我が肉体で、福田達を救ってやるのも吝かではないのだ!!


 まぁ、焦りはしたけど銃弾が腕にあったった時痛みすら無くて拍子抜けするほど弱かったからな。もはやずっと私のターンじゃないかコレ?

 ジョージ相手ならば変身するまでも無く、っていうかもう変身はしとるけども。

 身体に付いてはほぼ変わらんからな。畜生、私も甲殻欲しかった。


「二階堂ロア? なんでお前みたいな厨二病患者がここにいるのデース」


「バッ!? 厨二病ちゃうわっ! 本物だよ本物ッ! この世界で目覚めたんだから厨二病ちゃうしっ!! って、はぅっ!? し、失礼、不覚にも取り乱してしまったらしい」


 気持ちを落ち付け意識を整える。

 どうやら前世の言葉遣いが出てしまっていたようだ。


「くっくっく。負け惜しみかジョージ。我が肉体に傷一つ付けられぬ貴様の豆鉄砲では仕方があるまいが、ここは私に任せて先に行け、などとフラグを立ててみようかと思っていたのだが、二人の安全のために逃す必要すらないかもしれんなぁ? 倒してしまっても構わんのだろう? 福田よ」


「え? あー。まぁ、死なない程度に?」


「任せよ。我とて慈悲くらいは持ちあわせている。ゆえに覚悟せよジョージ!」


「ハッハーッ! ご機嫌だなァロア。こいつは耐えきれるのかぁーい! FIRE!」


 え? ちょ、待っ。

 ぎゃあ―――――っす!?

 それはひゅるひゅると風を斬りながら私に向かって来た。

 あの馬鹿、銃弾じゃ勝てないからって、ろ、ろろろ、ロケットランチャーぶっこみよった!?


 慌てて逃げだす福田が幼女を誘拐して駆け去って行く。

 事案だアレーっ!! 逃しちゃダメな奴だ!?

 って、しま、ぎゃあぁぁぁっ!?


 ちゅどーんっ。


 爆風が逃げだしていた福田の背中を押し上げる。

 うわぁぁぁっと空中を走るような動作をしながら吹き飛び、咄嗟に幼女の身体を庇って頭を抱え込むようにして守る。

 あのオッパイ星人の福田が、ぺたんこ娘を庇った、だと!?


 地面をごろごろ転がる福田は擦過傷で見る間に傷付いて行く。

 ふ、普通にカッコイイ守り方ではないか!?

 しかも意識あるし、すぐさま戦況を把握しようとしてるとこポイント高い。なんだこの主人公属性!? くぅ、うらやま、しくなんかないやい。

 それとさすがにロケットランチャー直撃するとか想定してなかったからちょっとちびった気がする。


「ジーザスッ!? ランチャーで無傷デースカ!?」


「おま、クラスメイトにランチャー打ち込むとかどういう神経しとるんだっ! もーいい怒った。そういう態度ならこっちも本気でぶっ倒すからな! 闇よ!!」


「くっ、さすがに分が悪いですか。撤退デース」


「あ、こら待て、当て逃げとかふざけんなテメーっ!!」


「二階堂っ」


「んお!?」


「悪い、ラクェレットを逃す手伝いをしてほしい」


「ふん。そうするように言われている。さっさと行くぞ。ジョージめ。戻ってきたら覚えておれよ、絶対に地面舐めさせて許して下さいロア様とか言わせてくれるッ!!」


「そういえば二階堂はウサギとどーなんだ? 襲われたのか?」


「ぶっほぅっ!? ちょ、今その話する必要ないだろっ! さ、さささ、さっさと行くぞ、ほれ、付いて来いロリコン男爵」


「誰が男爵だコラ。幼女趣味の変態共と一緒にすんな。俺はラクェレット一筋だ」


 あれ? おかしいな、一筋とか言ってるけど結局相手は幼女だよ?

 つまりこいつはやっぱり正当化しようとしてるロリコンだ。

 変態が堂々性癖言い放ったらノーマル、なんて訳ねーだろうが!!


「お黙りロリコンストーカーっ。おまわりさーん、こいつでーす!!」


「大声で何言ってんの!? 警察とかこの世界居ないからな。っつーか今そんなの告げたら居場所がバレるだ……おおお!?」


 何をくっちゃべっていた福田。ラクェレット共々一瞬で場所と転移させられ眼を白黒させる。

 さっきの叫びは一応、ジョゼへの合図だったんだよ。

 ふっふっふ。この完璧な作戦、我が意を見よって奴だな。考えたのはジョゼだが、私の功績としても問題無いだろう。


「なんだこりゃ? え、ここ、もしかしてラビットネスト!?」


「うむ。ジョゼに引き上げて貰ったのだ。戦争終了までここにいるといい。我は次に闘いが呼んでいるのでな、行ってくるとしよう」


「あ、あの」


 むぅ、折角恰好良く立ち去ろうとしたのに、なんだ幼女め。


「ありがとうございます。私と、タカ君を助けてくれて」


「ふっ、構わん。幸せになるがよい。福田、もしも泣かせたらお前、去勢すっからな! ではな」


「ちょ、お前去り際になんつーこと言ってくれてんの!? しねぇよ! 誰が泣かせるか!」


 まぁ、あいつなら、大丈夫そうか。そう、か? いや、まぁ私には関係ないし触れないでおこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ