ウサギさん、世界蛇VS○○○ラビット
―― では仕切り直すとしよう ――
と、ヘリザレクシアが何かスキルを使う。
なんだろう? とステータスを覗いてみれば……アカーンっ!? さっきアーボが減らしたHP全回復しとるやん!?
―― 回復手段位持っているものでしょう? それに今回はあくまで二人の実力を見るといっているではありませんか ――
おかしい、おかしいよこの世界蛇。
実力計るために一回殺そうとしてくんだぜ。
しかも相手は死にかけたら全快しちまうクソ仕様。
いや、ゲームとかだと全快魔法とかあるけども、レイド系最終ボスが使っちゃだめでしょう!?
割合回復とかならまだしも全快はダメだろ!? 心折れるわ!
―― 準備は良いな? アーボだったな。そなたは見学しておれ、お前が憧れた者だ。お前に出来たことが出来ない訳もなかろう ――
それもそうか、と納得するアーボ。いや、待って!? アーボの防御無しでこんなのと闘うとか無理だろ!?
ああ、クソ、俺を待つ気は無しか。
風が渦巻き始めやがった。
エロウサギうさしゃん、肺呼吸、駄目。ブラックホールラビット、決定打にならない、駄目。アクアウェイタラビット、死を呼ぶ流体兎、双方形保てない、駄目。タルタロスラビット、肺呼吸、駄目。プラズマラビット、魔力吸い込み技に激弱。駄目。マリスラビット、理性喪失、駄目。
クソ、七大罪は無理だ。他は?
時駆兎、属性系ラビット、格闘系ラビット、全部駄目。肺呼吸は無理だ。
じゃあ何なら闘える?
ミミックラビット? ジロムン? ヴォルパーティンガー? 駄目だ駄目だ駄目だ。
絡操兎? 蒸気機械兎? メカラビット? 否、否である。
確かに宇宙でも動くかもしれんが動くだけじゃ世界蛇に勝てやしない。
こいつをぎゃっふーんと言わせ得る種族。
あるか? 俺の進化系に、あってくれるのか?
再びの突撃をギャラクシーラビットに進化して高速回避。
そして相手を見ながら回避を続け、並行するように脳内では相手に対等以上に闘える方法を必死に考える。
既に進化系樹は全て出し尽くしてある。
これ以上の進化は見込めない。
兎が行える進化全てを出してしまったのだ。
ならば、この中で見付けるしかない。
宇宙で行動可能で、世界蛇の攻撃を受け止める、あるいは無効化出来る能力。
さらに世界蛇の身体にダメージを与えられる方法を持つ者。
何か無いか、何か、物理系は駄目、魔法系も効かない。物理と魔法以外って何が……
何、が……?
―― 他所見か? ならば、死ねぃ! ――
存在進化……
俺の身体が進化する。
途端、息苦しさが襲ってくる。
しかし、直ぐにそれもスキルにより消え去った。
経験値ストックからつぎ込めるだけつぎ込む。
レベル10で停滞していたステータスが増加して行く。
物理も駄目、そして魔法も駄目。つまり、それ以外でしか、俺が闘える方法が無い。
ならば、これに賭けるしかない。
それは魔法使いでも物理特化でもない。この世界でも珍しい力を持つ兎種。
ほぼ初期で進化したし、肺呼吸だったせいで候補から外していた。
しかし、物理と魔法以外、を検索すれば、これほど未知で可能性の高いウサギ種は居なかった。
やれる? 否、やるっきゃねぇ。
つか、もう、このウサギ種で駄目なら現状俺がヘリザレクシアに敵う方法が全く無いと言っていい。
だから、行くぜ! テレポート!
―― なに!? 転移だと!? 馬鹿な!? 魔力の残滓が無くなった!? ――
サイコキネシス!
七色之槍はダメージソースではあるが一撃一撃のダメージは少ない。ならばここで一番火力のある武器で攻撃させて貰うぜ! いけぇ、アーボ!!
なんでぇーっと慌てるアーボが俺のサイコキネシスに操られてヘリザレクシアに吶喊。
驚くヘリザレクシアがお前は参戦しなくてもいいとか叫んでいるけど、アーボも自分の身体動きませんって叫びながら額に槍を突き立てる。
お、倍加スキルがまだ有効だったらしい。
同じ場所にテクニシャンな一撃がぶっささり、ヘリザレクシアの体力が半分に減った。
よし、なんとか、これで後一撃与えりゃヘリザレクシアはお陀仏だ。
いや、死んで貰っても困るがな。
しかし、今の今まで俺を追い詰めてくれたお礼参りはいるよなぁ?
―― 何を、何をした小さき者ォッ!! ――
―― 俺を追い詰めたのはアンタだぜヘリザレクシア。だから、警告だ。ここで終わろうヘリザレクシア。後一撃、アーボの一撃を喰らえばアンタは乗算ダメージで死ぬ。これ以上俺の実力計るなんて無意味だぜ。もう出つくしてるだろ? ここから先は、どちらかの死しか残ってねぇよ ――
―― そうじゃ、ここで止めとけヘリザレクシア。ウサギの勝利じゃ ――
―― こんな、こんなエロウサギなど一度殺した方が良いのだ! この世界の平穏のために、死ねぇウサギぃぃぃっ ――
それが本音かヘリザレクシアッ!
行くぜESPラビット。
超能力という第三の力を見せてやれ! サイコキネシスッ!!
再びアーボが宙を舞う。
俺の最大級の攻撃だ。
さすがに危険と判断したヘリザレクシアがアーボに視線を向けた。
フッ、それを、待ってたぜ!




