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ボルバーノス、海の中のヤベェ奴

 順調に回れてると思う。

 一度、海底火山に突撃しようとした時はさすがに死んだと思ったけど、真っ白い巨大エビの守護者は火山より少し離れた場所にいてくれたのでぎりぎり炙られるだけで済んだ。

 海の中で炙られるとかどんな悪夢よ?


 さすがにもう海底火山近辺には行きたくないし、あまり深い場所にも行きたくない。

 水圧で潰れるかもと思ったのは初めてだよ。

 さすがに生身で深海は無理っす。


 海やべぇ。

 水がここまで厄介になるとは。

 この守護者周りが終わったら、絶対に海に行かないぞ。絶対近づかないからなっ。

 それで? 次はどこなのかね?


「次はあちらになるであります」


 あちら……そこにあったのは城だった。

 海底に揺らめく西洋風の城。

 いや、水没した古代の城か何かですかね?

 ミミックキャッスルとか言われたら全力で逃げる。


「いえ、ただの城のようですよ。誰か住んでるみたいです。あ、ほら、誰か来ました」


「グギャガ」


 ぎゃー!? ディープワンな半魚人が来たァ!?


 ―― おっと失礼。念話は通じるかね? ――


 きゃぁぁシャベッタァァァァ!?


「念話通じるでありますよ。初めまして、ここいらの守護者を尋ねて来たであります。お話できるでありますか?」


 ―― 了解した。しばし待たれよ。ああ、この辺りは危険なのでもう少し城の近くに来られたし ――


 言われるまま、僕らは城の近くへと向う。

 帰りたいなぁ。帰りたいなぁ。ねぇ帰ろう?


「却下であります」


 いやぁ。もう海は嫌ですぅ。帰るー。おうち帰るー。


「ご主人様に襲わせるでありますよ」


 よし、さっさと行こうぜ。守護者を仲間にするんだー。


「余程嫌なのでありますね。とはいえ、しばらくは待機であります。折角なので周囲を見てみましょうでありますよ」


 周囲ったって……おお? おおー。なんだここ、すっご。

 日の光が差し込んだ海底はファンタジー風味が強調されて明るい。

 サンゴの森に隠れるクマノミ。

 小魚が樹海を行き交い、上空を泳ぐ中型魚。

 遠く天には巨大な魚影が影を落とし、周囲に立ち昇る気泡の柱。


 たまぁに視界に映るバットフィッシュさえ無視すれば、かなり特異な景勝地として楽しめる風景だった。

 特に海の中なので遠くの魚影がなんともファンタジー。

 うん、そろそろ空気が心もとなくなってきたっすわ。

 ピスカさん、そろそろ息継ぎを……


 ―― 待たせた、こちらだ ――


 ええぇ!? ここで延長確定っすか!?


「死なないことを祈るであります」


 ちょ!? こんな場所で酸欠とか地獄じゃないっすか!?

 あー、待ってぇ。空気、空気をくださいーっ。

 ピスカさんに無理矢理引かれ、海底城へと来てみれば、絵にもならない城内だった。

 普通に石造りの廊下だったよ。


「おや、ここは空気があるでありますな?」


 ―― もともと上にあったものだ。我が主様が面白半分に使っているだけだが、空気とやらは未だに抜けてないな ――


 そりゃ助かった。空気が無ければ死んでたところだよ。

 多分城に入った時点で空気なくなってたね。


「想定していたので焦らずにいてよかったであります」


 万一の事があるから焦ってほしかった。

 これで城に空気無かったら僕死んでたからね!?


「一度の転生位なら問題ないでありますね」


 大問題だよ!?


 ―― 客人よ、失礼の無いように ――


 普通に謁見の間へと通された。

 僕らが扉の前に辿りつくと、ゆっくりと開かれる。

 魚人たちが扉を開き終えると、豪華絢爛な謁見の間がお目見えである。

 凄い、さすがに空気があるせいか、ここは普通に謁見の間のままだ。


「よくぞ来た、話は聞いているぞ上に住む者たちよ」


 うえ? ああ、ここ海底だから、地上に住む僕らは上の住人ってことになるのか。


「ごきげんよう、であります。私はピスカ」


 ボルバーノスさんだよー。よろしくー。


「ふむ。あまり上に行くことは無いのでそなたらがどのような存在かは分からんが、用件は戦争への加担、でよかったか?」


 正確に言えば、ウサギ君と人間のヘンドリック君というのが争っててね。世界を分けた大戦を行うらしいんだよ。んで、僕らはウサギ君陣営ってところ。


「なるほど。地上のたわごとなどどうでもいいが、暇であることも確か。どちらが正しいかは分からんが、お前達に加担してやってもよい」


 わー、ありがとー。

 んで、どうでもいいんですが、玉座の裏に居るので僕らには姿見えないんですが、御姿拝見することは無理なので?


「残念だが、我らが容姿は地上のモノにはちとキツいらしい。正気を失ってもよいというのならば、姿を現すのも吝かではないが?」


 丁寧にご遠慮いただきたく思います。

 それ、どう見ても外の神系でヤバい奴。クトゥルフさんかな?

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