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うさぎさん、ラビットフォレスト2

 結局一人きりになった。

 アーミーラビット求めて森を行く。

 お、湖発見。ようやく中心地に辿りついたかな?


 湖にはスイムラビットたちが泳いだり岸辺で足をちゃぷちゃぷさせてたり、湖畔に座って日光浴してたりしている。

 ん? あいつだけ毛色が違う?

 囚人服みたいなしましまボーダーの水着を着てフィンを履いたウサギが一匹、頭に金魚蜂みたいな球体の泡みたいなのを被って水中銃みたいなのを持ってるウサギがいる。

 ああ、アレ、ラビットマリナーだ。

 なんで海じゃなくて湖にいるんだこいつら? ウサギだからか。


 お。そよ風吹いて来た。

 ブリーズラビットの群れだな?

 色が濃いのはウインドラビットかな?

 ……! いたっ!!


 俺が気付いたことに気付いて、慌てて逃げだすアーミーラビット。

 折角再度見付けたんだ。今度こそ逃すか!

 脱兎! さらに疾風怒濤!


 無数の兎達の横をすり抜け、アーミーラビットを目指す。

 そして、茂みを飛び抜けたアーミーラビットに体当たり。

 とうっと彼を踏みつけるようにして拘束。

 なんで逃げるんだよアーミー君。


「かかれ!」


 っ!?

 声が聞こえた瞬間、はっと顔をあげる。

 そこに居たのは無数のアーミーラビット。

 そして一匹の片方だけ眼帯した威厳ありそうなウサギがおっさんっぽい声を出してアーミーラビットを指揮していた。


「我が国にやってきた侵略ウサギめ! 我はうさぴょん大佐! 大人しく縛に付けぃ!」


 軍隊かよ!?


「突撃兎隊、突撃ーっ!」


 くっそ、号令掛けるからって言葉喋れるのはずっこ……あれ? うさぴょん大佐って確か進化可能じゃなかったっけ?

 ふ、ふふふ。ぬははははは! 念話無くても喋れるってことじゃねーか!!

 進化、開始ぃっ!


「全軍、転進して突撃ーっ!!」


 うさぴょん大佐に進化して号令。

 突撃兎たちが俺に向かって来ていたのだが、声を聞いた瞬間反転してうさぴょん大佐のいる軍隊へと突撃していった。


「な、なにぃーっ!?」


 ふはははは、みたか! 同じ大佐同士だから部下たちが普通に命令効いちまったぜ。

 って、喋れてねぇ!?

 号令は声にでたよな? ってことは戦争として命令出来る言葉は普通に出来るけど喋るのは無理ってことか。

 クソ、声出せると思ったのに今まで通り会話は念話でしかできそうにないな。


「ええい、圧倒的ではないか我が軍は!」


 って、意図しない言葉が普通に出た!? しかも負けフラグ確定の言葉じゃねーか!

 あ……

 突撃した兎さん達がアーミーラビットと激突。なんか血で血を争う恐ろしい結果に。

 しかもこれ、同じ部隊だから同士討ち。

 そりゃ死亡フラグも口走るってもんですよ。


「ば、馬鹿な!? 総統が、総統閣下が見ているのだぞぉーっ」


 あー、うさぴょん大佐が……

 結果的に言えば味方同士で激突して壊滅したってことで、うん、俺知らねー。

 しかし、アーミーラビット君よ、これどうしたらいい?


 拘束を解いた俺はアーミーラビットが立つまで待ってみる。すると、アーミーラビットは慌てたように逃げだした。

 おっと、まだ逃げる場所があるのか。

 ならば追わせて貰おう。


 一応、急に襲われても対応できるようにヒヒイロウサギに進化し直して後を負う。

 お? なんか壁が見える?

 森の中に壁? いや。アーミーラビットたちが守ってるの門だよな?

 これ、もしかして国?

 森の中に国がある!?

 ウサギの国が出来ちゃってた!?


 アーミーラビットは国の中に逃げ帰ったようだ。

 銃器を構えるアーミーラビット二匹が門番やってるようだけど、俺が無防備に出て行っても駄目そうだなぁ。

 よし、うさぴょん大佐に変身。いくぜー。


 俺が茂みから飛び出すと、アーミーラビットたちがにわかに構える。

 そんな二人に怒号を飛ばす。


「貴様等ッ! 何をしている! 今のウサギは偽物だ! 何故通した!」


 二人は想定外の言葉だったらしく、顔を見合わせ、はっと門の中に視線を向けた。

 よし、突撃だ。このうさぴょん大佐、無駄にダンディーな声だよな。どうでもいいけど。


「ええい、私が行く! 不甲斐ない兵どもめ!」


 アーミーラビットたちは通り過ぎる俺に敬礼。ふっ。侵入成功!

 やはり侵入するなら大胆に、だな。

 門を潜り抜け街中へ。

 おお、ウサギ共が文明を築いておるわ! すげぇー。っと、ここで立ち止まってたら怪しまれるな。とりあえず路地裏に向かってぇっと進化、えーっとカメレオンラビットになっておくか。

 これなら周囲の色と同化できるから結構見付かりづらいんだぜこのウサギ。

 いや、むしろ怪しまれかねないか。

 ここは普通に多そうなウサギ種族にしよう。


 近くを歩いてるのは……ウインドラビットが数体いるな。

 んじゃ一つ変えてエアーラビットに進化してみるか。

 体毛が透明な緑色、常時身体に薄い真空の膜があり、状態異常や呼吸、病気を寄せ付けないという意外と使える能力もってるからな。

 ……ん? あれ? 呼吸が、できな……

 結局ウインドラビットで紛れ込むうさしゃんでした。そういやこのウサギ呼吸できなくなるんだったな。地雷ウサギじゃねーか。

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