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うさぎさん、ラビットフォレスト1

 生き字引の婆さんに示された俺たちは、ラビットフォレストなる森へとやってきた。

 にしても魔族領の守護者共は腑抜けばっかりか。せっかくラビットフォレスト前にいくつか回ったのに、戦争には参加する気ないから襲わないでっとか、俺の邪魔にならないなら放置するとか。おとといきやがれ! とか取りつく島もなかったりする。


 クソォ、あのエリマキトカゲめ、何故か目が合った瞬間襲いかかって来やがったんだ。

 逃げたら無駄に追って来て永遠逃走劇が始まってしまったのでピスカに助けて貰って逃げたんだけど、普通に地面走って次の森まで追って来たからな、上手く撒けてればいいが……


「うわー、ウサギさんが一杯!」


 マジでウサギの森じゃん。

 すげーな。

 いくつもの種類がいるようで、茶色ウサギや黒ぶちウサギ、ピンクのウサギまでいらっしゃる。

 種族も多種多様でライラック、ネザーランド・ドワーフ、チェスナットなど有名どころを始め、シトカやらビルヴィアン、シルバーグバックジャイアントなどなど、あまり聞き慣れない種類のウサギも一緒こたで草を食んでいらっしゃる。


 あっちの角生えウサギはジャッカロープだな。

 あっちのはゴムフォス・エルケマ?

 なんかよくわからんがウサギの一種らしい。


 あれ? 陸なのにスイムラビットが居やがる。

 なんであいつだけ浮輪とフィンとゴーグル装備なんだろう?

 陸だからシュノーケルとか要らないだろ。


 あの木の後ろに居るのはフロートラビットか。

 宙に浮いてるウサギ共は風が吹く度あっちにゆらゆらこっちにゆらゆら。

 その近くではフラワーラビットどもが頭の花を揺らしながらが駆けまわっている。


 うーん、まさにウサギ天国。

 ウサギだらけだよ。

 ん? なんか迷彩服着たウサギがこっち見てる?


 アレって多分だがアーミーラビットだな。

 はろあー。ウサギさんだよー。

 あ、逃げた!? なんでだよ!? 俺もウサギだろ!?


 おーい、待ってぇー。

 っていうかなんで逃げるんだよ!?

 おかしいだろー。

 って、なんだ!?


 突如、横合いから飛び出た黒ウサギ。

 こちらに向けてシュッシュッと拳を突き出しシャドーボクシング。

 臨戦態勢のラビットパンチャーだ。


 雑魚ですなー。

 リア、近寄っちゃ駄目だよ。ウサギさんかわいーっじゃないし。

 攻撃されるから下がって下がって。

 あっ。


 ステップ踏んでリア向けて拳を突き出すラビットパンチャー。

 即座に割り込んだアボガフライヤーが拳を受け止める。

 うわっ、なんで相手に合わせて殴りだす!?


 なんかウサギとアボガードが殴り合いし始めたんだけど。

 ポカポカとか擬音が鳴り響きそうな何とも言えないほんわかとした殴り合いが行われる。

 なんで殴り合ってるのにコミカルなんだお前らは?

 ああもう、アーミーラビット見失ったじゃん。


 煙の間からたまぁに二人の顔が見えるような不毛な争いを行うラビットパンチャーとアボガフライヤーを放置して、俺たちは先へと進む。

 一応こっち向かってったのは分かってるからその内追い付くといいなぁ。

 あ、また出た!?


 今度はラビットキッカーだ。

 ステップ踏んで蹴りを素振りしてくる。

 当然だが雑魚の部類です。


 リアがまた無防備に近づき、ステップ踏んで近づいたラビットキッカーが渾身の蹴り。

 ……をアボガフライヤー二人目が蹴りで受け止める。

 だから、お前らはなんで相手の土俵で戦おうとしてんだよ!? 馬鹿なのか!?


 叢が揺れた。

 ラビットキッカーとアボガフライヤー放置して進んだらまたしばらくした後魔物が出現。

 現れたのは……盾を持ったウサギさん。ラビットタンカーだ。


 これには盾持ち魔物としての矜持が許さないのだろう、アボガフライヤーはリアが近づくより早く前に出て、双方盾を構える。

 そして、動かなくなった。

 多分だけど両方カウンタースキル持ってんだろうな。攻撃してきたらソレを跳ね返す、みたいな?

 ……よし、放置だ。


 再び二人を放置してアーミーラビットを追って行く。

 するとまた茂みから飛び出すウサギさん。

 いや、ウサギ……か?

 蒸気を吐く機械仕掛けのウサギさんである。

 つぎはぎだらけの鉄錆色のウサギさんだ。

 蒸気機械兎……だったっけ?


 当然、最後のアボガフライヤーがここは俺に任せて先に行け、とばかりに前に出る。

 お前ら、実は結構ネタで楽しんでるだろ。

 え? そんなことない、真剣? マジ? 絶対嘘だろ!

 あ、都合悪くなったからって突撃しやがった。


 折角なのでこいつ等も放置して先へと進む。

 おっと、さらなるウサギさんだ。

 アンゴラウサギよりもふっさふっさしたウサギが現れた。種族名はふわふわうさうさ。なんだそりゃ? 綿毛にしか見えねぇよ。


「きゃー、かわいーっ!」


 リアが突撃して抱き上げなでなでし始める。


「これは、リアさんの護衛として残った方が良さそうでありますね。動きそうにないであります」


 あー、そういうことね。んじゃーこの先は俺一人で行ってくるわ。ピスカ、リアをよろしく。

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