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桃瀬、クラスメイト会議を行う2

「よし、とりあえず九重さん以外の能力はわかったね」


 中井出君がジョセフィーヌさんが書き終えたのを見て告げる。

 どうやら皆にも周知するようで、声をだして個人名と固有スキルを読み始めた。

 いいのだろうか、そんな事をして?

 皆が気にしてないからいいのかな?


 説明によれば、男子から個別名が呼ばれてユニークスキルを告げている。

 個別に覚えているスキルについては個人情報保護の観点から言わないそうだ。

 うん、意味分かんないよね。個人保護を言うならユニークスキルも言っちゃダメだよね?


 真壁莱人君。運動部のエースは個人スキル韋駄天を手に入れたようだ。さらに早く走れるようになったらしい。まさに鬼に金棒だね。

 鏡音孝作君。私はちょっと好きじゃない人、かな。顔が悪いとかそういうことを指摘する気は無いんだけど、私を見る時の眼がちょっと怖い。個人スキル隷属契約。本人曰く魔物を隷属させる能力だそうだ。人間には使えないらしい。でも、ちょっと怖い、かな。


 福田孝明君。よく鏡音君や相田君たちとオッパイ話で盛り上がってる男子だ。恥ずかしいので女性の居る場所で大声でおっぱいおっぱい言うのは止めてほしい。彼の個人スキルは黄金右手。スキル名だけじゃよくわかんないけど右手が光って唸るそうだ。

 坂上博樹君。私が磁石寺君の告白を受けたとき、隣の教室で河井さんと中浦さんの二人と付き合ってたという理由で修羅場になってた問題児だ。

 顔はイケメンなのでとてもモテる。ただ、それにかこつけて性格が最悪らしいけれど。私は近づかないようにしてます。彼の個人スキルは魅了魔眼だそうだ。目を見るだけで相手を魅了するみたい。坂上君にこのスキルはマズいと思うんだよね。といってもこの王城内ではスキル使用不可らしいから今は問題ないそうだ。これは私もちゃんと宮廷魔術師さんから聞いてるから真実だろう。

 

 田代康弘君。言っちゃ悪いとは思うんだけど鏡音君よりもブサイクで太った男子。よく坂上君に邪魔だデブ。と蹴られてる姿が目撃されるけど、皆、彼がイケメンという訳でもないし、よく汗を掻いて湿っているので助けに入ったりすることはない。前に中井出君や戸塚さんが庇ってはいたけど結局彼の吐息が気持ち悪かったらしく次第助けに入らなくなった。個人スキルは属性纏い。その身に属性魔法を纏うことが出来るそうだ。うん、使いどころ難しそうなユニークスキルだね。

 相田勇作君。俗に言うチャラ男っていうのかな。茶髪でM字の前髪の男子で、坂上君とよく一緒に居る。噂じゃタバコ吸ってるんだって。怖いからお近づきになったことはないよ?

 個人スキルは爆裂発火。目に見える位置ならどこにでも火を付けることが出来る能力らしい。魔物退治に重宝するってことで皆に信頼の眼を向けられて調子に乗っていた。


 上田幸次君。真壁君同様スポーツマンということもあるのか、基本温厚な太眉の男子。野球部所属で人懐っこい性格なので丸坊主なのに意外とモテてる。元道さんも上田は良い奴だ。とお墨付きを貰ってるんだよ。個人スキルは打撃強化。打撃攻撃が超強力になるらしい。

 瀬尾祷君。目隠れ系の華奢な男の子。キリスト教だっけ? どっかの教会の子供らしくて、学校に経典とかロザリオを持って来てる子だ。

 ただ、ゲームが好きらしく異世界であるここでは瀬尾君の知識が重宝されそうだ。

 固有スキルは天空審判。彼にとって悪認定された者に厳罰を与えるスキルらしい。気を付けたいのは一般的な悪人ではなく彼にとっての悪人というところだろうか。悪人にされないように気を付けよう。


 中井出勧君。七三メガネの学級委員長だ。ルールに厳しく仕切りたがりなので皆していろいろな仕事を彼に任せている。今回も司会役を率先して立候補したのだ。

 彼の固有スキルは集望英雄。周囲の期待を力に変えることが出来るらしい。

 ヘンドリック・ワイズマン君はサラサラヘアーのイギリス人だ。穏やかで紳士なので女性の人気も高い。ひそかに先生と付き合ってるとか聞いた気はするけど、噂の段階だ。

 固有スキルは冷酷なる執行人。よくわからないスキルで本人もよくわからないと言っていた。

 ジョージ=W=ロビンソン君はアメリカンなワレアゴ、長睫毛の男子。個人スキルは銃器作成だそうで、自分専用装備の銃や弾を自分で作れるそうだ。楽しげに喜んでいた。


 男子はこれだけだ。磁石寺君が居ればどんなスキルになってたんだろうか? 兎月ちゃんが言うにはマグネスコピオという怪人で、磁石を操る蠍怪人だったそうだけど、その能力からいけば磁石関係だろうか? 斥力引力とか操っていたかもしれない。

 どちらにせよ、既に磁石寺君はいないのだ。もしもの話をしても意味はないだろう。


 接触天昇、精神異常無効で何が出来るかわからないけど、神様の指令を受けつつ頑張って行こう。全ては磁石寺君に再会するために。

 おっと、次は女性陣の番か。

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