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うさぎさん、到達不能?不可侵地区5

 島自体はそこまで広くない。

 空から見渡せば、おそらく数時間で一周できる位の土地だろう。

 村が一つある以外は森がいくつか。

 中心部には太陽の塔みたいな変な塔が立っていて、先端の星から外の障壁が発生しているようだ。

 つまり、この塔によってこのガライトス島は昔から外敵の侵入無く停滞した生活が保たれているのである。


 あの塔だけは放置だな。下手に刺激与えない方が良さそうだ。

 それで、邪神は……あそこの祠が怪しいな。ジジイの銅像っぽいの立ってるし。あれがザレク神でいいのかな?


「巨大な像でありますね。破壊するでありますか?」


 いいねぇ。あのジジイを神と思って徹底的にやってやるか。


 ―― やめて!? あれこの世界に残っとる唯一の巨大神像じゃからな!? ――


 チッ、俺の事見てやがったか。

 天から聞こえた神の声に舌打ち。仕方ない、神罰でタライ落とされかねないからアレの破壊は止めておいてやれピスカ。


「残念であります」


 ―― ちょっと!? なんで残念なんじゃ!? ちょっと見ん間に口悪くなっとらんかピスカちゃんや ――


「聞いたでありますよ神。貴方たちの知り合いがやらかしたせいで星が一つ滅んでるそうじゃないでありますか。だから駄神と言われるのであります」


「ありゃ駄女神のせいじゃー、儂違うし、関係ないし、蛇と駄女神のちっさい争いが大規模で起こっただけなんじゃーっ」


「つまり、アレが邪神であります」


 そうだったのか!


 ―― 違うわっ!? 神じゃ神。邪神は別に眠っとる、そこの邪神はなかなか面倒な奴でな。暇潰しに世界崩壊させようとしおったから封印しといたんじゃ ――


 うわーお、ソレ駄目な奴じゃん。

 そんなもんの封印解いたらお礼に殺してやろう、とか言われちゃうじゃねーか。


「とにかく、封印解いてみるであります。最悪ご主人様のスキルで即殺するしかないでありますよ」


 いやー、ピスカが鎮圧するに全額ベットするぞ俺。


「では、邪神の祠に向かうであります」


 ザレク神像の真下に存在する、神に潰されるような位置に配置されている邪神の祠へと入る。

 薄暗い内部には光がなかったのでライトの魔法でぴっかりと照らす。


「サーチライトあるでありますよ?」


 ピスカの目が光るのはちょっと……

 しかし、こりゃすごいな。ステンドグラスが嵌った窓が見上げる位置にある。

 これはまるで神殿だ。いや、邪神が封印されてる訳だし、邪神殿なのか。


 神々しさと禍々しさを取り入れたその内装は、ステンドグラスからの光を脈打ちのたうつような生き物の内部みたいな壁や床に取り入れる設計で作られたのだろうが、ステンドグラスから入り込む筈の光を上に乗っかったザレク神像がさえぎってるせいで薄暗い。

 うん、アレやっぱ邪神じゃね?


「この祭壇の前にいるのはガーゴイルでありますね」


 通り過ぎたら襲いかかって来る奴かな?

 よーし、ちょっと行ってくる!

 ピスカから降りた俺は颯爽と床を走ってガーゴイルの像に飛び乗る。

 祭壇前の左右に一体づつ配置されてる右側に乗った俺は、ぺしぺしと石像の額を叩いて見る。

 うん、石だな。

 んじゃーピスカ通り過ぎてみて。


 確認を終えた俺はピスカを促す。

 言われるままに歩きだすピスカ、ある点を越えた瞬間、ガーゴイル達の石化が解けた。

 俺を乗せたまま羽ばたき、ピスカへと襲いかかるガーゴイル。おい、俺は無視ですか? そうですか。んじゃ、首狩り!


 滅多に見せることの無い死にスキルを発動。

 相手が気付いてない状態で相手の首を狩り取る動作しないと発動しない即死首チョンパ攻撃である。

 近接戦闘なのでなかなか日の目を見ないんだよなぁ。

 基本ロンギヌスで事足りるし。


 遠近両用神様御用達のロンギヌスを大量投下。正直それ以外の攻撃を使う機会がまずないんだ。

 変身なんか防御力あげるためくらいにしか使ってないし。

 磁力操れるからけっこう便利な筈なんだけどなぁ。他のスキルが有能過ぎて埋もれてる。


 必勝パターンも出来ちまってるからこれ以上の進化は……とりあえずロンギヌスから七色之槍に変えてみようか、こっちのが攻撃力は高そうだし。

 俺がガーゴイルを一体屠った時には、既にピスカがもう一体を蜂の巣に変えていた。

 石化解かなきゃ死ななかったのに、可哀想に。


「ここの祭壇で邪神が出て来るでありますか?」


 ああ、その筈だ。

 んー。邪神ってどうやって呼ぶんだっけ?


「私に聞かれても困るであります」


 だよなー。神様どうすればいい?

 ……無視かよ!? あの野郎都合の悪い時だけ聞こえないフリしやがって、この耄碌ジジイがぶぁっ!?

 カコーンっとどっからともなく降ってきた金ダライが頭に直撃、ぐわんと揺れた。

 畜生、いちいち古いんだよ。もうちょっと最新式の天罰にしとけよ。


「大丈夫でありますか?」


 ああ。でも御蔭で一つ閃いた。餅は餅屋だ。邪神呼ぶなら邪神を呼んだ奴に聞いてみよう。

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