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ウサギさん、キノコの森のキノコガール

 よっしゃ辿りついたァッ!!

 守護者さん俺の仲間になっておくれーっ。


 ―― あ、すまん、ついさっきタマさんにお願いされてヘンドリック側についちゃった ――


 ぐはぁっ!?

 どうやらタッチの差でタマに先を越されたようだ。

 ついさっきまでは中立だったのに敵マークになってるとピスカに言われ、思わず力が抜けた。


「最後の一人、行くだけ行ってみるであります」


 お任せするっす。

 畜生、守護者全員敵に回るとか想定外なんだけど?

 ドルアグスさん並の存在がわんさか出てきたら俺もお手上げだぞ?


 ―― すまんな。我よりも強力な手合いも数名敵に回ったようだ ――


 まじっすかドルアグスさん!?


 ―― 一応伝えておくが、我に魔王を倒せるような実力は無いからな。他の守護者も強いと言っても魔王以下だと思ってくれ ――


 あいつ別格だもんよ。

 つか、そうだよ、あいつ転生してんだったら坂上に恨み持ってんだろ、魔王の転生体勧誘しちまおうぜ!


 ―― あーあー。ご主人様聞こえる? こちらジョゼ ――


 ジョゼ? どうした? 何かあったか?


 ―― ヘンドリック君側に味方した存在が大体分かったから報告。クラスメイトとS級冒険者は既に分かってるでしょうから除くわね。えー、坂上君の転生体は動けるようになったら参加、魔王の転生体も同じく参加、自称勇者が三人追加。もう一人居たけど天竺さんに手をだそうとして死んだみたい。またどっかに転生してるんでしょうね。それから…… ――


 待て待て待て、なんか嫌な報告がいくつかあるんだが!?

 え? 魔王の転生体もう見付かってたの? しかも敵側? なんで坂上と手を結んでんの? あいつに吸収されたんだよな?


 っていうか自称勇者? 三人? あれ? どっか聞いたことあるような?


 ―― 確か、幸運・暗殺・魔人だったかしら? ――


 アンゴルモアとピスカが居た時になんか倒したな。あいつらも転生してんの?


 ―― それから守護者が守護者同盟結んだらしくて戦闘開始と同時に森から出て来るそうよ。あと魔王が説得に行ったから魔族も全員敵ね。ギルドがウサギを倒す宣言してたから冒険者も敵 ――


 ちょ、なんか包囲網完成してね?

 天空城だからまだいいが、普通の城なら兵糧攻め案件じゃね?

 四面楚歌とはこのことよ。HAHAHA。

 笑ってる場合じゃねェ!? どうすんだよ!?


「着いたであります!」


 最後の守護者の元へとやってきた。

 うわーお。なんだこのファンシーな森は? 

 カラフルキノコが闊歩しとる。

 虹色のカマキリが普通に歩いとる。

 そしてクマがピンクだ。これ、現代世界なら訴訟されるんじゃねーか?

 いや、血が滴ってないから問題ないのか?


 あそこ歩いてるのはバナナか? なんでバナナに手足が生えてるんだ?

 アボガードの亜種だろうか?

 アーボ連れときゃよかったな。


「およ。あたいの森になんかよーかい?」


 キノコの胞子がそこらじゅうで飛び交ってそうな巨大キノコの群生地に腰かけていたキノコが少女化したキノコガールが、よっと腰かけていたキノコから飛び降りて来る。

 とりあえず挨拶ってことで片手を上げておく。


「あー、話聞いてるよー。あんたが噂のウサギかぁい」


 テンション高いなこのキノコ娘。

 キノコ頭に可愛らしい美少女顔。服装はピンクを基調とした斑なキノコ模様のワンピース。ワンピースのスカート部分はカサに見立ててあるのかね?

 というか、長いブーツも手に装備してるロング手袋っぽいのもファンシーっすね。それと、持ってるのは、ファンシーロッドかな?


「貴女が守護者でありますか?」


「そっだよぉー。このマッシュリアの森の守護者、マッシュリアさんでーす、きゃはっ☆」


 うわっ、今きゃはっの台詞で星が出た気がする。

 しかし、変わってるけど可愛いな。目の中がキノコっぽく見えるのが面白い。

 たまにアニメとかでは瞳の中に星とかドクロとか書かれたキャラが居るけど、こいつはその瞳の中にキノコが見える全身キノコガールである。


「私達のことを知っている、ということでいいでありますな?」


「ええ、狒狒爺とかいうミミックのお姉ーさんがヘンドリックに与しなさいって言って来たんだよーでありますなっ」


 あ、こいつピスカの口調マネだした!?


「ま、あたいにとっちゃどっちがどーとかどーでもいいしー? エッチなエッチなウサギさんは他の守護者を無理矢理襲って手込めにしてるって聞いたけど、そこんとこどーでありますかぁー?」


 ステッキをこちらに向けて尋ねて来るマッシュリア。きらきらるんるんしてるのがなんとも痛々しい。あ、これマイクのつもりっすか?

 えーっと、手込めにしたというか、あいつらヘンドリック側に付くからテメーはさっさと帰りやがれ話すことなんてねーっとか言うんだもんよ、行く森行く森それだったからちょっと、その、だったら強制的に俺側に引き込んでやんよっていうか? ちょっと張っちゃけたっていうか?


「ぶっふー。やーんこのウサギえっろーい。ひっどーい。あはははは」


 うん、ちょっとテンションに付いてけねーや。

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