桃瀬、手紙を読む
「ステータス確認?」
名前:高藤桃瀬
種族:人間 (♀)
CLASS:学生
Lv:1
HP:100/100
MP:50/50
TP:50/50
状態:普通 ∞s
技スキル:なし
魔法スキル:なし
常用スキル:なし
耐性スキル:なし
常時スキル:なし
異種間性交・可 /異種族との間で子供を授かることができる。
種族スキル:
直感・極 /物事の正解や、自身への危機などが分かる。
隠蔽・極 /ステータスを隠したり、何かを隠すことが上手くなる。
固有スキル:
接触天昇 /その御手は、不浄なるモノ全てを浄化する。
精神異常無効 /あらゆる精神汚染系攻撃を無効化する。
加護:
創造神の加護 /創造神の加護。
「……本当に出た」
ベッドから上半身を起こし、私は寝ぼけ眼で頭を掻く。
ただの夢にしてはよく覚えていた神様との邂逅。
特殊能力は二つ着けたと言っていたけれど、まさか固有スキルのことだろうか? そうでなければ他のスキルを覚えている説明が付かない。
おそらく直感と隠蔽はサービスだろう。
「本当なんだ……」
本当に、アレが本当だというのなら、この世界に磁石寺君がいる。
ウサギに転生しちゃったそうだけど、きっと出会える。直感なのか分からないけど、いつかきっと出会える気がするって確信がある。
「ふふ、そっか。だったら……」
だったら、頑張らないと。
次に出会えた時、私は無事に過ごしてるよって、胸張って言えるように。
「何、してるの……?」
「へ?」
「今、目の前を見て笑ってた。私には見えないけど、何か見える?」
唐突に、今まで話したことなかった九重さんが話しかけて来た。
未だにベッドに三角座りしていることから、昨日からずっとあの状態だったんだろう。
「えっとね、ステータス確認って言ってみて」
「ステータス確認? ……わっ!? こ、これ、ゲームみたいにステータスが!?」
「凄いよね。瀬尾君達が言ってたゲーム世界っていうのが現実味帯びて来たのかも」
「あ、アイテムボックスは!? わ、出た。何も入ってない……」
と、何か手元を探り始める九重さん。
どうやら私には分からない何かをしているようだ。
えーっと、アイテムボックス?
「アイテムボックス。わ!?」
九重さんに習うようにアイテムボックスと告げると、目の前に半透明のボックスが現れた。
空欄しかないかと思いきや、手紙が一つ入っている。
「手紙がある?」
「それを選択したら取り出せる……と思う」
目がきらきらしていた。どうやら九重さんもゲームをよくやる人らしい。
言われるままに手紙を選択する。
「えーっと……」
―― 夢の中では説明しきれんかったからの。この世界の仕様についていくつか説明しよう。まずはスキル隠蔽でステータスを隠すのじゃ。方法は「隠蔽、ステータス」もしくは「偽装・ステータス」じゃ ――
「偽装・ステータス?」
―― 偽装を終えたら知り合いにステータス展開表示で見て貰うがいい ――
「えーっと、じゃあ九重さん。ステータス展開表示。見えるかな?」
名前:高藤桃瀬
種族:人間 (♀)
CLASS:学生
Lv:1
HP:50/50
MP:20/20
TP:20/20
状態:普通 ∞s
技スキル:なし
魔法スキル:なし
常用スキル:なし
耐性スキル:なし
常時スキル:なし
異種間性交・可 /異種族との間で子供を授かることができる。
種族スキル:
直感・極 /物事の正解や、自身への危機などが分かる。
固有スキル:
接触天昇 /その御手は、不浄なるモノ全てを浄化する。
あれ? さっきとステータスが違う?
九重さんもそれが見れたということでおお! ……ぉ? と小首を傾げている。
「他人に見せる場合はステータス展開表示だっけ。あ、でた」
名前:九重西瓜
種族:人間 (♀)
CLASS:学生
Lv:1
HP:50/50
MP:20/20
TP:20/20
状態:普通 ∞s
技スキル:なし
魔法スキル:
ディム /闇系の第一段階魔法。盲目付加
常用スキル:なし
耐性スキル:なし
常時スキル:なし
異種間性交・可 /異種族との間で子供を授かることができる。
種族スキル:
弱点看破 /対象のユニークポイントを見付ける。
固有スキル:
憎悪爆裂 /被虐により溜め込んだストレスを対象に打ち出す。
体力とかが偽装した私と同じ?
固有スキルはなんか怖いなぁ。
でも弱点看破は凄く役に立てるんじゃないかな?
―― 隠蔽は終わったかな? ではこの世界に付いて説明しよう ――
それから私達はこの世界に付いて知ることになる。手紙を読んでる間に間横に来た九重さんと凄く密着していたけど、随分密着するなぁこの子。




