ルルジョバ、これ、ヤバくない?
正直、さすがのワタシも危機感覚えるまでになってきマシタ。
なにがって?
イルラ教デース。
ウサギ君が始めた宗教なのでどうせその内消えるだろう、と思ったのだけど、どんどん勢力が拡大しつつある。
今、イルラと合流した天竺郁乃がウサギの代わりにイルラの教祖化を早めており、信者にリベラローズ、ペルセア。さらに何故か不倫して御免なさい、とか呟き続ける東雲咲耶先生。
さらによく分かっていないながらここに来てしまったレパーナが今、信者への道を着実に歩みつつある。
護衛兼こういう時の歯止め役であるはずのスラ子の姿が無いのがマズい。
何しろ、ここで正気で居られているのはワタシだけだからデース。
このまま見続けるか、レパーナさんを救出するか。
下手に近づいたらワタシまで洗脳されかねません。
観察は大好きですが、当事者にされるのは御免デース。
ここは気付かなかったフリで逃げるべきか。
いえ、さすがにこれ以上信者を増やすのは危険な気がシマース。
ウサギが信者なせいで歯止め役が居ません。いえ、前まではここまでじゃなかった。となると、天竺さんが原因デスね。
歯止め役……ピスカさんは無理。レパーナさん繋がりなら、ああ、ドルアグスさんが居まーす。それに高藤さんなら止めてくれるかもしれません。
どちらにしろ、今はレパーナさんを救うのが得策みたいデース。
方針を決めたワタシは即座に信者たちの元へと飛び込むと、祈りの体勢に入ろうとしていたレパーナを無理矢理立たせて飛び去るように逃げる。
「信者が拉致された!?」
「おのれ不心得者めぇぇっ」
Noっ!? なんかゾンビみたいにこちらに向かって襲いかかって来まーした。これ、捕まったら信者にされてしまいマース。
「不心得者ー、信者になれぇぇぇ」
「な、ななな、なんだアレ!?」
「さっさと逃げマース!」
女性に対してあまりやっちゃだめなんだろうけど、小脇に抱えて一気に走る。
何処に逃げればいいだろうか?
一先ず落ち付ける場所に、いえ、高藤さんは何処デースかー!?
「ど、どうなってる? 何が起こったのだ!?」
「貴女はもう少しでイルラ教信者にされるところだったデース」
「されるとこ!? え? イルラ教って強制加入なのか!?」
「ワタシは知りませーん」
「知らずに助けたのかっ!?」
「どう見てもイルラ教ヤバいデース。というわけで逃走ーっ」
ドアを潜り抜ける。
ゾンビたちはドアに阻まれべタンッと音を立てた。
なんであの人たちは普通にドア開こうとしないデスか!?
そこまで知力が低下してた、とか?
やはり宗教危ないデース。
「あ、居ました高藤さん」
「へ? あれ? ルルジョバさんとレパーナさん?」
―― 珍しい組み合わせだねー ――
珍しいも何も緊急事態デース。
というか、ここでは何をしてるんですか?
「私達はゲスターさんの昔話を聞いてたのよ」
「へー、って、そうじゃないデース。高藤さん、助けてください、ヘルプミーッ!」
「え? 私?」
「ウサギが作ったイルラ教が暴走し始めてマース。このままだと信者拡大で恐ろしいことになってしまいマース」
「えぇーっ!?」
「なんでそれで……?」
「不心得者ーっ」
うわ、来たっ!?
部屋に押し入ってきたリベラローズ、ペルセアが私達に群がろうとする。
「リベラローズさんにペルセアちゃん!?」
「な、何だこやつら!? まるでゾンビではないか!?」
「ひゃあぁ!?」
「な、なんかよくわからないけど鎮圧しましょっ」
やはり高藤はリーダーやってたおかげか反応が一番早いデース。
早急に戦闘態勢に入り、ゾンビ化した信者たちを撃退して行く。
こちらの数が多かったので鎮圧自体は楽でした。
「ふぅ、なんだったのかしら?」
「ルルジョバよ。一体何があったのだ?」
「イルラ教信者が暴走し始めてるデース」
「もう、磁石寺君ったら、また何かしたのね」
「違いマース。ウサギ君じゃなく天竺さんが加わったせいデース」
「あー、なるほど」
「郁乃ちゃん、イルラちゃん好きだしねぇ。でも、さすがにこういう状態になってるとなると見過ごすわけにはいかないか。ちょっと行ってくる」
「あ、待ってくだサーイ、って、先生がゲスターさんに拘束されてる!?」
早技デース!?
しかもソレを無視して高藤さんがイルラさんの元へ突撃。
「わわ、桃瀬さん!?」
「イルラさん郁乃さん今すぐイルラ教を解体しなさい」
「なっ!? なんでぇ!? あいたっ!?」
「あぅ、痛いです桃瀬。私はただ瞑想してただけなのに……」
ぶ、物理で解決してしまったデース。
暴力、やはり暴力はすべてを解決するのデスね。
こうしてイルラ教は瓦解したのでした……いえ、首魁がまだ野放しですね。あのウサギが。
イルラ、どうなるのでしょうか。ウサギ君次第デース。




