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うさぎさん、向かえ激戦魔王国

「アトエルト、どういうことだ!?」


「いえ、死んだといっても向こうで増殖した私の一人が死んだだけです、他のメンバーとは無事に合流しましたし、私以外はまだ死んでいませんよ、でも、かなりマズい状況ですね」


 おい、桃瀬は、桃瀬は無事なのかっ!?


「磁石寺の奴が珍しく焦ってる?」


「そりゃそうでしょ。一応意中の女性な訳だし?」


「現状をお伝えしましょう。まず、皆さんは魔族の強さを知ったことで、これ以上長居は危険だと一点突破で囚われのメイド救出に向かったようです」


 そういやメイドの救出が魔族領に向かった目的だっけ?

 ディアリオさんにお願いすりゃ一発なんじゃね?


 ―― 元も子もないことを言うな。折角皆が頑張っているのだろう? 我は手伝わんからな ――


 えー。実は今まで気付いてなかっただけなんじゃ……いえ、すんません、ディアリオ先生の言う通りっす! ですから魔木化しようとするそぶり見せないでっ!?


「それで、ですね。魔王城に直接突撃を行ったようで、私が向かった時は魔王軍との戦闘に入っていました。その時点でも全滅に近かったのですが、私が増えることで彼らを救出、少し前までは魔王城の一角に隠れていたのですが、さすがに見付かってしまいまして。正直に言えば物量に押されてます。誰かヘルプください」


「ヘルプたってなぁ、秒単位で増えるお前でも無理なのか?」


「物量に押されてると言ったでしょう。正直魔族を甘く見ていました。一人一人がS級冒険者を一撃で殺せる存在です。それが普通に兵士として軍を組織しているのが魔王軍。ライゼンさんもいらっしゃっているからか、よくもここまで持たせたものですよ。たぶん、我々全員で押しかけても負ける可能性が高いんじゃないでしょうか?」


 そんなにか!?

 魔族やべぇな。

 ……だが、このまま魔族に桃瀬たちが倒されるのを黙って見ている必要はねぇな。


 あ、そうだ。念話であいつに伝えとこう。

 おいチョコミント、聞こえるか?

 俺は今から魔族領に知り合い助けに行ってくる。

 もうしばらく天空城に戻れないからそっちはよろしく。


 ―― 了解じゃー。今まで通り好きにやっとくわい ――


 よし、家の方はこれでよし。後はディアリオさん、俺を桃瀬達のとこに送ってくだせぇ。


 ―― ほぅ、我の助け無しで行くか。よかろう。見事切り抜けて見せろウサギよ ――


 まぁ、ヤバそうだったらディアリオさんにお願いしますぜ。オナシャス。


 ―― 調子のいい……で、兎だけでいいのか? ――


 ―― 魔族かぁー。ちょっと僕らでもヤバそうだねぇ ――


 ―― でも兎君の傍の方が面白そうだからなぁ ――


 なんやかんや言いながらボルバーノスさんとゲスターも付いてくるようだ。

 あ、でもクラスメイトたちは来ちゃダメだぜ。下手したら死ぬから。


「折角だし魔族の強さ知りたいネ」


「そうだな。俺も手伝おう。魔族の男達の実力、ふふ、楽しくなるわ」


 パオとローエンが不敵に笑う。ローエンさん、言葉の中に乙女が見え隠れしてんだけど? お前男だったよな? アレ、割れてないよな? ディアリオさんに直して貰ったよね?


「魔族……か。二人とも向かうのはいいが充分気を付けろ。私とクロウは奴らの平民と思しき存在を見たことがあるが、バケモノだぞ」


 ゴブリンキングとオークキング戦の時だな。

 あそこに参加していた奴ら、魔族の闘い見てかなりショック受けてたもんな。やっぱストナでも二の足踏むのかね?


「ふふ、丁度魔族と闘ってみたかったところだ。私も行くぞ!」


 あ、違った。これは強い奴に会いに行く現象だわ。脳筋だなストナは。


「磁石寺君」


 悪いが天音、お前たちは留守番だ。俺も自分の身を守れるか分からないところで皆を連れて行くのはさすがにな。


「違うの。アーボも、連れていって。きっと力になるわ」


 と、胸に抱きしめていたアーボをテーブルの上に乗せる天音。

 アーボが嘘でしょーっ!? と驚き慌てている。

 まぁ、こいつなら充分戦力になるか。


「よし、あたいもがぶっ」


 レパーナが付いて来ようとしたのでスラ子が口を塞いで拘束した。

 レパーナは絶対に付いて来ちゃダメな存在だからな。天空城で御留守番だ。


「んじゃ、魔族領転移組は、ウサ公、アーボ、ボルバーノス、ゲスター、パオ、ローエン、ストナ、マイケルでいいな?」


「え? 何時の間に俺行くことに?」


「不死身だから問題ねーだろ」


「いや、大問題だろ!?」


「それよりゲスター、森は大丈夫か?」


 ―― 問題ないよー。次の副守護者は既に決まってるからソイツに頼んどいたしー。実力はかなり低いけど補助にギョギョン君がいるからだいじょーぶ ――


「いや、聞けよクロウ!?」


 マイケルって普段から皆にスルーされる弄られキャラなのか。

 だからって俺は警戒心を解いたりはせんぞ。貴様を桃瀬には絶対に近づけんからな! 


「だからぁ、何度も言ってるけど俺は寝取り外国人とかいうのじゃないんだってばっ!」


 貴様の言い訳など聞くか。そんな嘘は信じられんわ!

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