うさぎさん、うさしゃん大地に立つ
ブィン
ビームサーベルのスキル選んだらまんまアレ系のサーベルが出現した。
今回サーベルだけどビームラビットはビーム剣系スキルを使えるらしい。
ビームサーベル、ビームザンバー、ビームソード、ビームアーチェリー、ビームピストル(指)などなど。
いくぜギョギョン、貴様を、殺すッ、なんちゃって。
一気に踏み込み、ギョギョン君向けて切り裂く。
おお、ぎりぎり反応しやがった。
しかし、防御用に手にしたステッキは切り裂かれ、事前に用意していた物理障壁を素通りされ、慌てて作った魔力障壁は今、ひびが入っている。
焦った顔のギョギョン君。さすがにウサギさんが近接戦闘してくるとは思わなかったようだ。
ぬはは、騙し打ちも正攻法もテクニシャンなウサギさんだぜ?
土下座で謝るまで許さんから俺を蔑んだこと後悔しまくりやがれ!
「畜生、なんだよこいつ……」
拮抗していた魔力障壁がパリィンと割れた。
その時にはもう、距離を取っているギョギョン君。
振り切ったビームサーベルは空振ってしまった。
ま、当たるとは思ってなかったから問題は無いけどな。
次の進化は……ラビットセイバーとアポトーシスラビットか。
自殺志願のラビットってなんぞ?
えーっと、説明は……
「テメェ、何処見てやがる!?」
火が付いたワッカを円月輪のごとく投げて来たギョギョン君。
魚系ピエロの癖に火属性も扱えるのかよ。
ほぃほぃほぃっと。
危機察知能力と脱出、ついでにテクニシャンが大仕事してくれる。
避けるのは楽勝だね。
っと、この隙に……アポトーシスラビットの一言メモは、己の身を光と変えて敵に突撃する兎。その一撃に命を賭ける!
賭ける! じゃねぇっ!?
っざっけんな。こんな自殺志願なウサギになんざ誰が成るか!
仕方ない、んじゃサンラビットから進化だ。
高速落下に、へっんしーん。
とぉ!
エンジェルラビットで空高く飛び上がってからの進化。
卑怯だぞ、とか叫んだギョギョン君向けて、メテオラビットのメテオキックが火を噴くぜ!
は? っと驚くギョギョン君。残念、驚くんじゃなく逃げないと。
「う。ぎゃあああああああああああああああああああああああ!?」
ウサギさんが超高速落下して来たので思わず悲鳴を上げるギョギョン君。物理結界と魔法結界を重ね掛けしたらしいけど、メテオキックの一撃はその結界ごと割り砕き、ギョギョン君の顔面に俺の足が突き刺さる。
スキルのおかげかこっちは骨折すらしなかった。
倒れるギョギョン君から飛び退き、進化再開。
次の進化は……コメットラビットだ。
宇宙ウサギらしいけど、地上でも活動できるかな?
大丈夫だよな?
コメットラビットに進……ぬおぉぉぉ!? 息が!? 息ができな……進化ァッ!
ミーティアラビット……もかよぉ!? こ、呼吸できな……進化、プラネットラビット!
次の瞬間、俺の身体は星を越えて巨大化した。
おお、息が、息が出来る、宇宙に出たから真空が美味いっ。
あっぶね、宇宙系ラビット酸素濃度強過ぎて即死案件だったぞ。眼球膨らむかと思ったぜ。
今のうちに次の進化してディアリオさんに転移してもらおっと。
プラネットラビットはどうやら自身が星くらいの大きさになるらしい。
丁度良いので宇宙空間で進化することにする。
プラネットラビットの次はギャラクシーラビット。
銀河間を瞬く間に動けるってどんなだ……あ、長距離瞬間移動覚えた! ラッキー。
あ、でも銀河単位でしか移動出来ないぞこのスキル!? 畜生、普通の長距離転移でいいじゃんかー、なんだよ銀河転移って!?
ええい、次だ。ビッグバンラビットだ!
うん、攻撃が光より早くなるらしい。もはや壮大過ぎて何が何やら分からんわ。
で、次の進化先は? 唯一兎?
まぁいいや、こいつは宇宙でも地上でも活動できるみたいだからこいつに進化してからディアリオさんに戻して貰おう。
ほいよ。って。レベルアップに必要な経験値がアホみたいに高いんだが? なんだよこの変なウサギ!?
七大罪系ウサギでもないし、なんか特殊なのは理解した。
とりあえずその辺りは放置だな。
あとでレベルだけはあげといてみるか。
今は、ディアリオさん、転移頼みまーす。
―― ふむ? 何処に行ったのかしらんがギョギョンがお冠だぞ? 途中で逃げるなと叫んでいるのだが? ――
逃げるも何も進化したら星から弾かれただけっすわ。
すぐ戻りますんで転移よろしくおねぎゃーします。
と、いうわけでディアリオさんの転移で元の場所へと戻る。
丁度ギョギョン君が地団太踏んでいるところだったので一緒に地団太踏んでみる。
俺気付いたギョギョン君が何してんだテメェーといちゃもん付けて来たので地団太踏んで対応して差し上げた。
なんでさらに怒り狂うのか、カルシウムが足りないぜギョギョン君。




